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部活の地域移行の問題点。私たちの代で、できることはやってみようと決めた

昨年、息子は公立中学に入学し、部活に入った。部活に入ったつもりだったのだが、保護者説明会において、「平日は学校における部活動ですが、休日はクラブチームの活動です」と言われた。「部活動の地域移行」については、なんとなく聞いたことがあったので、「これが、それなんだなぁ…」と思った。「でも、まぁ部活と何も変わらないので!今まで何年もちゃんとやっているので大丈夫です」と外部コーチと学校側から説明を受けた。

「運動部活動の地域移行」とは?

ちなみに、「運動部活動の地域移行」とは、学校の働き方改革として始まった施策。これまで教員が担ってきた部活動の指導を、地域団体や指導事業者に担ってもらうことで、地域で子どもの部活動を支える仕組みにするのだとか。

外部コーチ・学校・保護者の思惑はすれ違う…

そして、言われるがまま1年が過ぎたけれど、正直、モヤモヤすることがたくさんあった。息子は学校の部活に入った。私や多くの保護者は、部活とは学校教育の一環で、教育的な要素があると思っていた。でも、外部コーチは「強くすること」が自分の役割だと思っているようだ。そして、学校はウチの部活の活動を外部コーチに丸投げ状態。学校主催の保護者会などの時には、形だけの顧問が顔を出すけれど、通り一辺倒の挨拶をするだけのただのお飾りのような印象で、1年間、顧問の先生に会う機会もほぼなかった。モヤモヤの原因…それはおそらく、それぞれが求めているもの、求められていると思っていることに大きな齟齬があることだと思う。
 
外部コーチ・・・強くすること、大会などで結果を残すこと
学校・・・教師の負担軽減
保護者・・・教育的な意義《体力や技術の向上、生徒同士や生徒と教師などとの好ましい人間関係の構築、学習意欲の向上、自己肯定感、責任感、連帯感の涵養》、技術向上、楽しく活動できること、居場所になることなど
 
これだけ齟齬があるのに、もうずっと、確認作業や合意などがなされないまま、外部コーチの一存で部活が進んでいる。

保護者と学校がコーチに意見できないワケ

教えてくださっている外部コーチは主に二人で、ほぼボランティア。土日とも遠征に連れて行ってくれたり、どうしてそこまで?と最初聞いたときにはその献身ぶりにビックリした。圧倒的に恩があるから保護者は意見しにくい。それでも少しずつ、どうしても納得できない時は意見を届けていたのだけど、言っても伝わらないことも多く、コーチと揉めたくないのでそこそこで我慢したこともあった。もし、間に学校が入ってくれていたとしても、見返りもなく、面倒を押し付けた相手に、学校側が強く出られるかと言えば難しいかもしれない。

保護者・学校・コーチ、責任はどこにある?

では、何か不安や不満、不適切な状態だと思うことがある場合はどうすればいいのだろう?今回、部活の子が学校に行けなくなってしまった。それまでの経緯を見ていた保護者たちは、「部活が原因だろうな」とみんな思った。でも、学校は何も知らない。コーチは、「強くすること」が自分の役割だと思っており、部員同士の軋轢が生じたり、心のケアが必要になったりした場合は学校や顧問が対応すべきと思っている。自分は専門家ではないのだからと。でも、いくら教育の専門家だとはいえ、細かい経緯が分かっていない顧問の先生にサポートなんてできるわけがない。責任はどこにあるのだろう?誰がどこにどうすればよかったのだろう?もちろん、保護者の立場での私たちの反省も多いけれど、結局何が正解だったか、今後はどうすればいいのか、今もちゃんとは分かっていない。

SOSを無駄にしない!役員母たちの決意

責任の所在が分からない。今後もどうすればいいのか分からない。これはすごく大きな問題だ。中学生の心はとても繊細で複雑。回復に時間がかかることもあるだろう。そして、部活動は内申点など、将来にも影響がある(という印象がある)から、辞めるという選択肢が選びにくく、余計に不安は募る。なのに、学校はちゃんと把握できていない。保護者もどこに相談したらいいのか分からない。先生の負担軽減とは逆行してしまうのは、申し訳ない気持ちもあるけれど、学校の「部活動」として行っている以上、地域移行を急ぎ過ぎて子どもが犠牲になるような状況はやっぱりおかしい。これ以上、同じことを繰り返してはいけない。部活仲間のSOSを絶対に無駄にしたくない。学校にももう少し関わってもらって、保護者も協力して子どもを守れる環境を整えたい。コーチにも、「強くすること」より、私たちが大切にしてほしいことをきちんと言葉で伝えていきたい。ちょうど代が分かって、役員が変更になるので、このタイミングでやれることはやってみようと決めた。

話し合いはこれから。まずは保護者で意見をまとめて、それから学校と話すことは決まっている。最後はコーチと。すべてスムーズに行くことは想定していないけれど、我が子と、次の子どもたちのために母たちは頑張る。

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