見出し画像

「つまらない」と言ったあの人への、ささやかな仕返し

昨日は夫と映画を観に行った。エンドロールが終わって席を立ち、まだうす暗い中、同じ映画を一緒に観終えた同志の方々と譲り合いながら劇場を後にするあの感じが結構好きなのだが、昨日は気持ちよく出口に向かっている最中、耳を疑うひと言が飛び込んできて、私のテンションはダダ下がり…。

どうして聞こえる声で言うんだろう?

聞こえたのは男性の声。それほど大きな声ではなかったけれど、間に数人挟んでいた私にも聞こえるくらいの声で「あー、つまらなかった」と。誰も返事をしていなかったし、誰かに話しかけているような言い方ではなかったので、きっと独り言なんだと思う。どう感じるかは人それぞれ自由だ。でも…どうして聞こえる声で言うんだろう?

「おもしろかったね」で持ち直す。夫よ、ありがとう

私はその映画をとても楽しんで、夫と何を話そうかとウキウキ考えながら歩いていたのだけど、その一言で気分は一変。夫がすぐに「おもしろかったね」と言ってくれたおかげで、少し持ち直したけれど、なんだか微妙な気分で劇場を後にしなければならなかったのが映画好きとして悔しかった。

悶々とした気持ちを切り替える私なりの方法はコレだ!

観た映画はゴールデングルーブ賞を受賞し、アカデミー賞にもノミネートされている話題の作品『哀れなるものたち』。正直、かなり癖のある作品で、賛否両論あるだろうし、好き嫌いが分かれるのも分かる。
私は好きだったけれど、いろいろなシーンを反芻したり、夫と話して気づかされたり、レビューを読んで、なるほどーと感心したり共感したりで、まだ感想はまとめられずにいる。映画を観た後のこういう時間も好きだ。でも、“つまらない”とすぐに結論を出したあの人は、それ以上、あの作品の良さを味わうことはないだろう。
「あーあ!残念でした!」と心の中で舌を出しつつ、「私はまだ同じ作品で楽しめてますよー!」とちょっぴり優越感に浸る。これが映画好きな私から“つまらない”と言ったあの人へのささやかな仕返し。さすがに、ささやか過ぎるけど…ちょっと溜飲が下がったので、良しとしよう。


よろしければサポートお願いします! いただいたサポートはクリエイターとしての活動費に使わせていただきます!