マガジンのカバー画像

好きなもの、好きなこと

15
映画・本・コーヒーなど、好きなものについて綴ったエッセイ
運営しているクリエイター

記事一覧

映画『ぼくのお日さま』公開前に素晴らしさについて書いてみる

9月6日金曜日からテアトル新宿・TOHOシネマズシャンテにて先行公開され、9月13日金曜日からは全国公開される奥山大史監督作の映画『ぼくのお日さま』。私はこの作品のメインキャストである池松壮亮さんの演技から邦画にハマり、10年以上彼の出演作を追いかけているので、この作品も楽しみにしていました。チケットが取れ、8月19日のジャパンプレミアで一足お先に鑑賞できたので、公開前に作品の素晴らしさについて書いてみます。その前に、こちらを観た方が魅力が一瞬で伝わると思うので、まずは予告を

映画『あんのこと』を覚えておきたい&知ってほしい

先週の今日『あんのこと』という映画を観た。“不適切にもほどがある”の純子役で大ブレイクした河合優実さんが主演だからか、公開規模が少ないのに珍しくテレビCMを良く見たけれど、100歩譲っても「わぁ…、おもしろそう!観たーい♡」とお茶の間が盛り上がるとは思えない。けれど反面、その短いCMに釘付けになる人も一定数いたのではないかと思う。まだ観ていない方もこの映画を知らなかった方も、30秒だけ、以下の予告をどうぞ。 予告の冒頭にあるように、2020年、日本で本当に起きた事件をモチー

【東京散歩】小網神社とBakary Bankとエノテカノリーオ

少し前のことになりますが、私の誕生日は夫の会社の創立記念日。当日は、創立記念日でお休みの夫と久々に東京散歩とランチを楽しんできました。 ①ゲッターズ飯田さんおすすめの最強の神社・小網神社 ゲッターズ飯田さんが東京唯一のパワースポットと紹介したことで知られる最強の神社・小網神社。実は今年の1月下旬ごろに、そろそろ初詣も落ち着いてきたかな?と伺ったら、朝の10時くらいに着いたのに向かいのビルをグルっと一周ほど参拝を待つ人の列。参拝できるまで2時間程度かかると言われ断念。そのう

2巻発売!「君と宇宙を歩くために」は教材であり、精神安定剤であり、もはや友だち

少し前に、偶然、漫画「君と宇宙を歩くために」知って、読んで「全人類に全力でおすすめしたい!」と本気で思った。その気持ちをそのままタイトルにしてアップしたら、Xで拡散していただいたり、noteの注目記事に取り上げていただけたりして、過去一たくさんの方に読んでいただけた。 嬉しいことに、「早速買いました」なんて、言っていただけたりして、微力ながら世界の役に立ったような気持ちに…。作品をお手に取ってくださった方、興味を持ってくださった方、本当にありがとうございます!←念のためお伝え

映画『ミッシング』から、失ったものものを考える

観たら、絶対に苦しいに決まっている吉田恵輔監督作品。でも、どうにも引きつけられて、観ない選択はないのです。石原さとみさんの気合の伝わる番宣もたくさん目にして、待ち遠しくて、初日の初回に行ってきました。 あらすじ『ミッシング』=行方不明・見つからない・欠けているあらすじにもあるように、娘の美羽が行方不明になって3か月というところから、この映画は始まる。いなくなった娘を探す話だと思っていたので、母親である私は、沙織里目線で観ることになるのかな?と思っていたのだけど、沙織里が頑張

2024年まんが大賞「君と宇宙を歩くために」を全人類に全力でおすすめしたい!

Xで流れてきて、なんとなく開いたら、この作品の第一話が読めました。普段から、漫画はほとんど読まないし、スマホの画面で読むのなんて、小さくて読みにくいと思うのですが、ビビっと来てそのページを開いた自分を今は全力で褒めたい!なんだ、この素晴らしい漫画は…と感動さえしています。続きが読みたいのと、手元に置いておきたくて、即購入。微力ではありますが、一人でも多くの方に興味を持ってもらえるように、レビューを書いてみます。 見るからにヤンキーで、勉強もできなくて、ちゃんと授業も聞いてい

企画展「マティス 自由なフォルム」を国立新美術館で

先日、夫を誘って国立新美術館で開催されている企画展「マティス 自由なフォルム」を見に行ってきました。昨年たまたま、マティスを取り上げたNHKの番組を観て、行けるところで展覧会があったら絶対行こうと決めていたのです。平日限定ペアチケットを前売りで購入していたので、通常2200円が1900円🙌国立新美術館も見たかったので一石二鳥。 「色がビビッドできれい」「明るくて現代的」そんなイメージのマティス。でも、初期のものは、そうでないものも多く、「色彩の魔術師」と呼ばれるまでには、や

推しからの返信で生き返った話

映画好きで、インスタにレビューをあげたりもしているエンタメ好きな私には、好きな役者さんがたくさんいる。演技や顔、雰囲気が好きだと思ったら私はインタビュー記事やYouTubeなどを漁りまくる。すると「素敵だな…」と、ほとんどの場合、満足してして落ち着いてしまうのだけど、これからもずっと見続けていこうと決めている「推し」の俳優さんが数人だけいる。 今、私が最も推しているのが、俳優の田村健太郎さん。昨年のマイベスト映画「ほつれる」の絶妙な嫌さ加減の演技ですっかりハマってしまった。

ドキュメンタリー映画「14歳の栞」を見て

息子がこの春、中学2年生になった。14歳になる年である。半分子供だけど半分は大人で、少しは思慮深くなり、でも間違いやすくて、傷つきやすくて危なっかしい難しい年ごろに突入していくのだろう。同級生のなかには、既にそういう時期が訪れているように見える子もいる。 「14歳の栞」は、とある学校の2年6組の3学期に密着し、35人全員のインタビューとともにまとめたドキュメンタリー映画。2021年3月に初上映されて以降、毎年春に限定で再上映されていて気になっていた。息子がこの春で中学2年生

念願のサンライズエクスプレス出雲に乗ってきた!

電車好きの中1息子が、ずっと乗りたがっていた寝台列車・サンライズエクスプレス。定期運行しているのは、今やサンライズ瀬戸・出雲だけらしく、それらもいつまであるか分からないから、あるうちに絶対に乗りたい!と。 定期運行している寝台列車って、サンライズだけなんだ。へぇー。そのうち、終わるなら私も乗ってみたい!ということで、母の出番。 予約はいつから? → 乗車日1ヵ月前の10:00から  どうやって? → ネット予約or駅の窓口or旅行会社にツアーを頼むか 私は最近、先着のチケッ

折にふれて見返す私の大好きなCM

ふとした時に思い出しては、何度も見返している大好きなCMがある。調べたら10年前に放映されていたリクルートポイントのもの。かれこれ9年近く推している私の大好きな俳優の池松壮亮氏が素晴らしいのは言うまでもないのだけれど、何よりCMの流れと込められたメッセージが秀逸なのである。 息子に伝えたいことが2分間にみっちり詰まっている。息子に伝えたいと同時に、毎回毎回、自分にも言い聞かせている。池松君のナレーションもこれ以上なくマッチしていて、相乗効果が凄まじい。 とりあえず、2分間、

祖父から受け継いだ“映画好き”の遺伝子

私が生まれた時、唯一生きていたのが父方の祖母。明治生まれの働き者で、「やることもきっちりやるけれど、言うこともちゃんと言う」というタイプの人で、ちょっと怖かった。いや、本当は私は怖くなかったけれど、周りの人が祖母のことを「怖いばあさん」だと思っていたのは、子どもながらに私も感じていた。 そのおばあちゃんも私が8歳の時に心不全で亡くなったのだけど、亡くなった後、父方の親族が集まる時によく話題に上る話が、私は好きだった。 祖母は、子どもを9人!産み、育てながら、片道3キロほど

【20年来の愛読書】『海馬 脳は疲れない』には、おもしろく生きるヒントがいっぱい

私が、人生で1番何度も読み返している本は、『海馬 脳は疲れない』。ほぼ日刊イトイ新聞の主宰・糸井重里氏と、東京大学・薬学部助手(現在は教授)であった脳科学者・池谷裕二氏の、脳についての対談をまとめた本だ。 この本を読むと、2人の対談をその場で聞いているような錯覚に陥る。そして、人類や自分や子供たちの可能性にウキウキワクワクしてくる。2002年の本なので、脳の本としては、もしかしたら情報が古いのかもしれない。でも、私は何度も驚かされ、優しく喝を入れられる。その上で、そっと背中

映画の「つまらない」について考える

先日、映画の終わりに聞こえよがしに「つまらない」と言った人がいて、私は憤った。 とりあえず、その出来事についてnoteに書くことで、一定の溜飲は下がったのだけど、「つまらない」という言葉が、頭から離れない。(全然溜飲下がってない)…ということで、この際、ちょっと深堀りてみることにした。それにしても、ちょっと/深堀りって、結局一体どっち?と、自分に突っ込みを入れつつ…。 1.『つまらない』=分からない 最初に思い浮かんだのが、つまらないんじゃなくて、分からなかったんじゃな