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2024年4月22日 火曜日

丸くなった、と言われればそうなのかもしれないが、自分の中ではそんな気はしない。
今までイラついてたもの、怒りを抑えきれなかった対象が、どうでも良くなったんだと思う。対象自体どうでも良いし、それに腹を立てるのも時間とエネルギーの無駄という感じだ。
それは一種の感受性が欠けたとも言えるから、少し寂しい気もする。

一年くらい前から作家の燃え殻さんの『BEFORE DOWN』というラジオを聴き始めた。
燃え殻さんの声や喋り方はとても落ち着くし雰囲気は好きなのだが、リスナーからの悩みのメールやそれに対しての燃え殻さんの応えを聴いてると、しんどくなってしまって、聴くのをやめてしばらく経つ。
端的に言ってしまえば、その内容というのは繊細すぎて生きるのが辛いとか、そんな内容のものが多かった気がする。その気持ちもわかる。わかるが、私はもうそこのフェーズに居ない。そんな傷ついてばかりじゃ生きていけないんだからもっと逞しくなれよと、燃え殻さんとは反対の根性論を叩きつけたくなる。
それでもこの番組の、燃え殻さんの朗読と音楽の選曲が好きだった。ある時、朗読だけSpotifyで配信されてることを知った。これは良いと思いフォローしたまましばらく聴かなかったが、今日何話か聴いてみた。

このエッセイの主人公(燃え殻さん)のタイプや、出てくるカップルのタイプ、両方に昔の私はイラつきを感じていて、それをネタにしてラジオに投稿していた。でもどうでも良くなってしまったのだ。穏やかになったわけでも優しくなったわけでもなくて、こういう人って居るよねと、目の端に追いやることが出来る。しかしこのエッセイで良かったというか救いだったのは、主人公がカップルに対して目眩を起こすほど幸せそうだと感じることが出来た、その感受性を持っていたということだ。

こういう「普通」って何?と「普通」に縛られ悩んでる人って、腐るほど居るのではないだろうか。でもそれって世界中で?私は政治のことはまったくわからないけど、少なくも今の日本では、こういう悩みを抱えてる人がたくさん居る気がする。
最近田中さんがキューバに行ったことをきっかけに、オードリー若林さんのキューバのエッセイを読んでみた。二人の性格は全然違うと思うけど(年齢が一緒などという共通点はあるが)、二人の話からわかることは、ものすごく大きく二つに分けると、二人とも今の日本に生まれてきて生きづらい側の人間だということだ。
キューバでなくても、ちょっと違う世界に飛び出せば、常識なんて簡単にひっくり返る。囚われてるのは今の日本の「普通」。この話に出てくる「茶髪と黒髪の混ざったお姉さん」も、世界には、日本にだって、たくさんたくさん居る。田中さんもそういう人だと思う。それはキューバに行く前から。

最近私にとって、新しく「茶髪と黒髪が混ざったお姉さん」が出来た。インスタグラムで見つけたなおさんという女の子だ。何て素敵な人なんだろう。私は旅に疎く東京・神奈川からほとんど出ないで生きてるから、日本を飛び出して見たこともない景色を見せてくれる人が居ると、本当にSNSをやっててくれてありがとう!と頭を下げたくなる。これは私の妄想だが、きっとなおさんは「普通」って何?などと悩んだりしない。自分の短所だと思うところもチャームポイントにしてしまう強さと賢さがある。
「茶髪と黒髪が混ざったお姉さん」は、田中さんでもあるし、バンアパ原さんでもあるし、そういう人に出会うたびわくわくするのだ。

最近泣き言をこぼしたいくらい体がしんどい。しんどさで夜目が覚める。その後「しんどい」「キツい」「辛い」と一人こぼしながらベッドの上でじたばたする。薬を飲んでもヨガをしてもマッサージをしても静かな音楽を聴いても、何をしても駄目で、こういう時は諦めるしかないと思った。
悪あがきだが好きな煙草を時間をかけて吸って、好きな飲み物を時間をかけて飲んだ。体のしんどさは取れなかったが、心は少し落ち着いた。

無印の耐熱マグカップ、お気に入りの一つ

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