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介護が限界になる前に

在宅介護の虐待は年々増えているそうです。
この新聞の記事は2021年のものですが、今後は高齢者の総数が増えるため、件数が伸びるのではないかと懸念しています。

在宅介護で虐待が起こる理由として、介護者の介護疲れ・ストレスが全体の4分の1を占めているそうです。

皆さんは手を挙げることはしなくとも、介護から離れたいと思ったことはありませんか?
誰だって、一度や二度、いや・・・何度も「もう限界」そう思った事あると思うんです。
でも、今も介護しているって事は、ご両親に育ててもらった感謝の気持ちからかなと思いますがいかがですか?
他にも理由があるかもしれませんがそういった思いがあるのに、こんな悲しいニュースは聞きたくありません。
どうやったら防げるのでしょうか・・・・
今日は私の考えをまとめてみました。


1,介護者はもっと周りを頼って良い


戦前戦後は高齢者福祉という概念がなく「親の介護は家族がするのが当たり前。」という考え方があり、多くの家庭で主婦が介護しているケースが多いのが現状でした。
1960年代以降は高齢者福祉法、老人福祉法、老人保健法と高齢者に関する法律が制定されます。そして高齢化社会を見据えて介護保険は2000年に始まりました。

戦前戦後の老人介護は介護できる身内がいない、金銭的に困窮していると行政が認めた場合は介護施設に入所できた背景があります。
これは行政処置制度と言われています。

母も戦前戦後の行政処置制度のイメージが強いからか、施設入所は見放された感覚があったのだと思います。
母も施設入所の際は
「あんなところが嫌だ、見捨てるの?」と言っていました。

核家族化が進んでる中、2世帯同居は少なくなり、昔と比べて介護は家族負担が大きくなっていると思います。
相談する相手が近くに居ない、介護の負担が家族が少ない分大きくなる。
この状態が長く続くと介護疲労が蓄積します。

国が高齢化社会を見据えて介護保険制度を作ったのですから、介護は家族の問題だと一人で抱えずに、周囲に相談する事が大切です。
みんな親の老いに直面します。お近くに介護されているご友人いらっしゃいませんか?こんな事は知られたくないと思われたらケアマネジャーに、各担当者に、または地域包括支援センターに相談されることをお勧めします。


2,行っている介護に完璧を求めない


通所系の介護を利用されている方も多いと思いますが、帰宅すると食事、排せつ、着替え、入浴など、休む暇もないと思います。

最初は恐る恐る介護されていたことでしょう。でも今やヘルパーや訪問看護師の見よう見まねで、少し慣れてこられたのではないですか?
また、訪問介護や訪問看護のサービスの時に、ヘルパーや看護師はパーフェクトを求めている訳ではないのですが、
「オムツ交換はこうやるとやりやすいですよ。」
「水分摂れてますか?」
「お尻が赤くなっています、お体の向き気を付けていきましょうね。」
なんて言われると、日々の介護に加え頑張りポイントがひとつ、またひとつ増えてしまいます。

「オムツから漏れないように尿パットをあてなければならない」
「沢山の量の水分を飲まさなければならない」
「同じ向きで寝ないようにしなければならない」

気づいたらやらなければならない事が倍増えてしまっていた。
肉体的な負担に加え精神的な負担も増えてくる。
このような日常ではストレスが大きくなってしまいます。

完璧じゃなくても良いんですよ。
私も仕事ではペアでオムツ交換をしますが、母の時は一人でしていたので中々思うように出来ませんでした。
母を横に向けるのですが、お尻の位置をずらしてしまうし、体位を変える事も本当に大変でした。

マニュアル通りの介護をしようと頑張っていませんか?
ご両親はパーフェクトな介護は望んでいません。
一緒に過ごす時間が嬉しいだけです。

ヘルパーも訪問看護師もパーフェクトな介護を願っていません。
一緒に過ごす時間を大切に過ごして頂きたいだけなんです。


3,相手への気持ちは自分への言葉


虐待を受けている高齢者の約7割には、何らかの認知症の症状がみられていたそうです。
認知症の方の対応について知識不足という事も言われています。
介護が始まるまでに認知症の勉強をするというのは、必要な事かもしれませんが現実味がありません。もし、ご両親に声を荒げてしまったら、手を振りかざしてしまったら、それはご自身にも向けられている事に気づきましょう。

「どうして分かってくれないの?」
もし、このような言葉をご両親に言われていたとしたら・・・
それは、自分の事を分かってほしいという事ですよね。
ご自身の本当の気持ち理解できていますか?

自分に優しくしたいのではないですか?
もっとご両親と笑顔で会話をしたいのではありませんか?

じゃあ、どうやったら良いのか・・・。
一時的に介護から離れると自分に許可を出してください。
勇気を出してください。そういう時間を設ける事も大切です。

そうする事でご両親に対する素直の気持ちが表現できて、穏やかに介護が出来ると思います。


4,終わりに

介護は家族がするもの。
介護は女性がするもの。
まず、この昔の介護に対する意識を変えてください。

親は介護する人を困らせようなんて思ってはいないんです。
いつでも子供の幸せを願っていますよね。

今のストレス、
直積している疲労
まずはこれらから解放されること。
それが何より大切です。









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