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介護は自律への道のり

三月は旅立ちの季節、一人一人自分の成長の為に新しい出発に向けて準備をし始める季節です。
私達は人や出来事に影響を受けて成長していますよね。
一番最初は両親から色々教わったと思うのです。私達を自立させるために色んな事を経験させてくれ、見守ってくれて、知らない事を沢山教え育ててくれていました。
私を育ててくれた母親が旅立つかも知れないと思ったとき、大きな不安と孤独に襲われました。
なぜ 私はこんなにも不安になったのか整理してみました。


自立と自律の違い

「自律」は「自立」とは漢字が違う単語です。
「自分で立つ」自立
「自分を律する」と書いて「自律」となります。

自立:経済的、社会的な独り立ち。親や他者や物に頼ることなく自分の面倒を自分で見ることができる事
自律:
自らの行動や考え、自分自身をコントロール出来る事
がそれぞれの意味になりますが
私は自律とは心のマネジメントが重要だと思っています。
 
子供の自立の為には、まず親は自分自身をコントロール、その次に心のマネジメントをすることが大切になってきます。
親が子育てをしていく中で、子供の自立を助けます。ひとつひとつ出来る事が増え一緒に喜んだり安堵したりしますよね。
しかし、今は共働きも増え仕事も忙しく自分に余裕がない方もいらっしゃるかもしれません。子供の自立する過程を感じ取ったり、読みとったりすることも親が出来る事ですが時間に余裕がなく難しい時もあるかもしれないですね。
皆さんはいかかでしょうか。

それから、女性は何個も役割があります。母、妻、嫁、子供、会社員、など・・・
家に帰ってもその役割のまま過ごしていませんか?
また、自分の価値観を子供に押し付けたりしていませんか?
例えば・・子供が自分のちょっと重いカバンを一人で持とうと工夫しています。重い荷物だから車で学校に送ってあげよう、または学校近くまで荷物を運ぶのを手伝おう。とこの行為が「親の優しさ」だと思っています。
この優しさは自分が育てられた環境や社会人として成長してきた中で自分に備わった価値観だと思います。
でも見方を変えると子供の自立を妨げている事になります。
簡単に手を貸してしまう事はおせっかいになっている事もありますよね。
子供の自立のためには、親の自律。
ここが一番大切だと感じます。
その姿を見て子供は学んでいくのだと思います。


介護場面の自律

この子育てにおいての自立と自律は介護の場面でも大切だと思うのです。
自分たちの親が自立度が下がる度に、私達は自分をコントロール、心をマネジメントする事が求められます。
思ってもいない言葉を言われた、言ってしまったとか日常でありませんか?
私が一番心を揺さぶられたのは死が訪れるのを待つ時間でした。
この時が自分の心の揺れ幅が大きかったように思います。そういう時には心のマネジメントが大切であると感じました。

例えば介護していても親の価値観と違いすぎて悩んだこととかないでしょうか。日常でも介護する時も物事をどんな風に捉えるか見るのかが大切になってきます。
私自身は家族や母から貰った教えや信念、価値観を自分の中で昇華出来ず焦りがあったのかもしれません。
教えられた価値観は決して無駄ではないのですが、私達の親が経験した事と子供が経験することは当たり前ですが違います。
時代によって社会情勢も違うし社会の価値観も違います。

私達には様々な新しい情報や未来を予測できる知識もあります。
心のマネジメントが出来れば、耳に入った情報や目の前で起こる出来事を冷静に判断する事が出来ます。

介護していて自分を成長させてもらったなと感じた場面は、施設から母の状態に応じた介護や看護をどのように展開していくかという時や母を看取る過程で自分の看護師としても価値観を押し付けず、家族や母を見守る立場でいれた事です。結果よりプロセスを重視出来た事でした。


心のマネジメント

結果よりプロセスを重視できるようになったのは心のマネジメントが出来ていたからでした。
その方法一つ目は介護している時は親に意識が向いていると思いますが、その時の自分の内側にも意識を向ける事が大切です。
同時には難しいと思うので、朝起きた時、眠る前などに瞑想をすることをお勧めします。
二つ目は客観的に自分の姿を見る事、介護している自分の姿を見る事です。
自分の後ろにもう一人自分を置いて、または鳥になって物事を見てみるのです。戸惑ったり怒っていたりしている自分を見る事で新たな視点で自分や親を見る事が出来ます。
三つ目の方法は介護には正解はないという考え方を知り生かす事です。
よし悪しで判断しない事、どちらかを決めるのではなく丁度良い答えを見つける事に注力します。二つの方法を統合しより良い答えを探すのです。
こうする事で私はどんどん心の成長度も上がってきました。
親は介護状態になって直接私に教える事は出来なくても、その姿や過程から最後の子育てをしてくれているのだなと感じました。
私達は年齢を重ねるごとに人として成熟することは理想でもあります。
介護はその過程で私達により良く生きていく方法、死んでいく過程を教えてくれているのだと実体験から感じました。


おわりに

私が母親が旅立つかも知れないと思ったとき、大きな不安と孤独に襲われたのは、心の成長を止めていたからでした。
それは周りの情報や出来事に振り回されていたからです。
親の介護が始まると、必然的に親との関係性を見つめなおす出来事があり、その出来事から自分自身を深く知る機会を得る事が出来ます。
これは目の前でその出来事があっても自分で意識していないと気付けないかもしれません。介護だけをするのではなく、その裏にある事象を意識してみて下さい。そうすると介護で自律する道が見えてきます。


お知らせ

親のみとり意見交換会
4月1日(土)
14:00~オンラインで行います。
皆で親のみとりについて意見交換して、ご自身の現在の介護や関わり方などの参考にして頂いたり、経験を聞くことで心の準備をしたり
同じ思いに共感したり、参加者全員でそんな時間を作っていきませんか。

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