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オリンピックに出たい娘(6)と世界体操2022 in リバプール


先月から今月にかけて、Liverpoolで世界体操が開催された。私は体操経験がないが、オリンピックで“伸身の新月面が描く放物線は栄光への架け橋だ!”のあの感動が忘れられず、体操には密かな憧れを抱いている。

主人に無理を言って、チケットを購入し、娘と予選を見に行くことにした。今回の目的は3つ。

・娘は初めての大会が控えていたので、レベルは違えどどんな感じか知ってもらいたかった。

・そして、”世界”を見せたかった。イギリスや日本の他に、文化・言語・肌の色が違う人がいること、関心のある体操のトップパフォーマンス、いろんな物を見せられる機会だと思った

・あとイギリスに来てから一度も娘と2人で出かけていない。なので母娘の久々のお出かけという名目で。

男子団体予選

娘は大きな会場で、見たことのない演出に興奮していた。TVから感じ取れるものとは全然違う。

世界でトップの体操選手でさえ、鉄棒から落ちたり、着地で手をついてしまったりするんだ、と説明すると、失敗を怖がる娘は目を丸くしてうなづいていた。

男子団体予選の結果は、トップで通過した。そんな日を間近に観られて私は幸せであった!

そして、娘は「私もここで体操したい!」と言い出した。大勢の観客が見ているところでパフォーマンスしたいと言うのである。去年の東京オリンピックから「オリンピックに出たい」と言っていたが、それは体操で出たい!
!に傾いたようだ。明日には「水泳ででたい」と言い始めるかもしれないが、とりあえず今日観に来られて良かった思った。

(↑オリンピック選手に、と言っているが、自分の極めたいものを見つけ、夢を手にしてほしいという思いです)

帰り際、日本女子選手が応援に来ていたので、娘が「しゃしんとって」と声をかけ写真を一緒に撮ってもらった。最近日本語を話すことを拒む娘には、かなり勇気のいる行為だったと思うが、選手たちが「あの子日本語しゃべってきたからビックリした」と言っているのが聞こえ、娘は照れながらも嬉しそうだった。

この後娘はいつもより日本語を話そうとしていた。母はまた嬉しい気持ちになった。ありがとう、日本選手たち。

この日は男子の団体予選だったが、女子の競技も観たいと言われ、大奮発して種目別決勝も行くことにした。

種目別決勝

予選に比べて遠い席だったが、前回より客席は一杯になっていて、俯瞰して全体が見られて面白かった。日本の国旗もちらほら見えたが、私らの周辺はイギリスを応援している人ばかりだった。まあ、そうであることは予測していたので、娘にはイギリスと日本の両国旗を描いたヘッドバンドを用意してみた。神本選手が競技を終えスコアを待っている間の時間に、見事に娘はスクリーンに映った。

この日はどの種目も金には及ばなかったものの、日本選手は大健闘していた。

わたしたちの真横に、この日は出場しないイギリス代表選手達が座っていた。Fraser選手や女子の双子のGadirova姉妹が居た。近過ぎて逆に声をかけられず、娘も興味がないようなので、ただ静観。

ただ団体優勝したアメリカの女子選手たちや、(終了後に)日本男子選手と写真を撮ってもらった。あのオリンピックに出ていた人たちにイギリスでお目にかかれるとは!この翌日に、情熱大陸出演だったので「見ます」と申し上げると「もう終わりました」とドSな返答までいただき、もーありがたい。

娘が得たもの

試合を2度も観ることができ、選手と写真も撮ってもらい、娘も沢山の刺激を受けて、良い投資ができたと満足だった。

ただ、娘に帰りの道中で「どうだった?」と聞くと、娘は何より「自分がテレビに映った!」ことが一番の思い出になったそう。最後にガクッとしてしまったが、まあそんなもんだよね。

ただ、彼女のモチベーションに火がつき、休む予定だったこの日の体操の練習にも行きたいと言うので、連れていくことにした。娘の気持ちが動かされたのがわかった。

後日、娘ははじめての大会で自信を持って演技ができたそうで、メダルをたくさん持って帰ってきた。(※出場者は5人) そして、体操クラブのトップクラスに招集され、これから週3のトレーニングに勤しむ予定だ。

世界体操の観戦は、母娘にとって、とっても良い思い出になった。

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