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#1 芸能人の死

三浦春馬さんが亡くなった。今年はなんだか悲しい知らせが多いような気がする。

私が一方的に知っているだけの、会ったこともない人だけど、訃報を知ると思考が止まるほど驚く。突然殴られたような衝撃で状況が飲み込めなくなり、胸のあたりにどす黒い穴みたいなものが広がり、頭の中がどんどん悲しみに蝕まれていくこの感じ。ものすごく嫌いだ。ク・ハラさんのときも木村花さんのときもそうだった。自殺に限らず、志村けんさんのときも。嵐が好きな私にとっては、昨年ジャニーズ事務所社長のジャニーさんが亡くなったときすらも驚くほど悲しくて落ち込んだ。ジャニーさんが動いている映像なんて一度も見たことがなかったのに。

自分が人より感受性が豊かだと思ったことはあまりない。友達がちょっと悩んでいる様子とかも、気づいてあげられたことのほうが少ない。遠方の祖父が入院し始めたことを私以外の家族みんなが知っていて、私だけ何も気がつかなかったという酷い経験もある。

でもなぜか、見知らぬ誰かが命を落としたとき、数日間その人のことが頭から離れなくなってしまい、悲しくて心が荒む。何でだろうってずっと思っていたが、今日やっと、腑に落ちる答えを見つけたような気になった。

それを教えてくれたのは、「さよふしぎたんていしゃ」というInstagramアカウント。9歳の「たんてい」が人々のお悩みに答えていくのだが、その答えがなんとも秀逸で納得できるし、ほっこり笑顔になれる。4月4日の投稿に取り上げられた依頼内容は、私と同じような悩みを抱えた方のものだった。

志村けんさんが亡くなって悲しくてたまりません。芸能人で会ったこともないのにどうしてこんなに悲しいんですか?

さよちゃんの答えは、

あったことがなくても心の中にいたからです

涙が出そうになる。三浦春馬さんも、志村けんさんも、ジャニーさんが作ったエンタメも、私の心の中にいてくれたんだな。私の心を豊かにしてくれたり、私と周りの人の心を繋いでくれたりしたんだな。会ったことがなくても、人の心を幸せにできる人たちってすごいなぁ。でも、亡くなってからそのことに気づかされるのもやるせないな…

と、結局最後はネガティブな方向に考えてしまうけれど、10歳年下のさよちゃんに大切なことを教えてもらえてよかったと思う。優しさと感性に年齢は関係ないですな。

どうか安らかに。あなたの芸術は、誰かの心の中で今も明日も生きてます。

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