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広報といっても相手が違えば対応も異なる

こんにちは。Kiwi PR合同会社の植田聡子です。

新聞やNHKさんなどいわゆるマスメディアは社会部、政治部、経済部、外信部、文化・科学部など、担当部署が分かれています。ほかに、スポーツ部とか書評の担当など、さらに細分化されているものです。

都庁広報にいた頃の記者は、ほぼ社会部の記者さんです。

社会部の記者は事件・事故を追い、不正・不祥事を正すことに注力しています。ニュースになると思えば、夜中でも追い続けられます。警視庁記者クラブと共に、常に現場を追い続ける、ICレコーダーをみんなが取材対象者に向けるようなところは政治部に似ています。

社会部の特性を感じたエピソード

2010年の東京マラソン。

私は広報担当として、メディアと共にプレスルームに待機して、主にスポーツ部の記者向けリリースなどをチェックしていました。5kmごとのランナーのラップを元に速報記事を書くスポーツ部の記者。

その横で、社会部記者は本当に退屈そうに半分寝ています。

基本、社会部の記者たちは、最後に知事がどんなコメントをするか、そこで知事にぶら下がりで取材するくらいの用件しかネタはないわけで、皆まったりしています。

そんな時に発生した南米の少し大きな地震速報。

テレビ画面にはその地震の影響で、日本にも時間差で「津波」が起こり得る情報が災害情報として流され続けます。

当時の大会は、今の東京マラソンのゴール地点である東京駅でなく、お台場の東京ビッグサイト。海沿いです。

3万人を超えるランナーが津波が来るかもしれない湾岸に向かってくる

急に社会部記者のスイッチが入ったのを肌で感じました。

津波予報が出ているにもかかわらず大会を続行するのか
その続行判断は何を根拠に決められたのか
ランナーの安全についてどのように責任を取るつもりなのか
大会主催者の正式なコメントをなぜ出さないのか

さっきまで居眠りしていた記者が、イキイキと広報担当の私を詰めてきます。幹部ともなかなか連絡もつかないけれど、続行判断とのこと。それを私の口で伝えても、全く説得力はありません。

知事もしくは大会主催者の「正式なコメント」でないと意味がないのです。

居眠りから一気に覚めて、自らの使命のために情報を追い求める姿に、社会部のミッション、記者魂を見せつけられました。

民間企業なら経済部か、文化・科学部

一般企業の記者は概ね経済部になります。

経済部の記者はやはり経済界に影響を及ぼす企業や、業界にインパクトを与える最新の技術、特徴ある経営、景気などに敏感です。

例えばトヨタ、JRなどは担当の記者ががっちり情報をウォッチしていますが、中小企業となるとなかなか担当の記者さんという関係性ではないので、広報PRとしてはメディアとの関係性を構築していく必要があります。

アートなどは文化部になりますし、教育は文化部が担当する社もあれば、社会部の中に教育班がある社もあると今日伺いました。

一般企業は経済部、文化・科学部のいずれかが担当になるかと思いますが、これもNPO法人になると、文化・科学部マターになったり、社会部に及ぶこともあったり。

ローカルになるとこのような細分化もなく、記者が兼務しているケースもあります。

PRは誰とどう繋がるか

自分の企業の特性によって、どのメディアとどう繋がっていくべきかはわかりやすいはずです。

しかし、同じ企業の情報でも、例えば新製品の発表は経済部ですが、行政と連携してのボランティア活動となると、社会部なので、その辺りは注意が必要です。

新聞の場合、どの面に掲載されるかをイメージできれば、おのずとどの部署の記者さんに伝えるべきかもわかりますよね。

47都道府県に広く伝えたければ、共同通信さんと仲良くするのがいいというのが今日のメディアの方からのアドバイス。確かに!

私はローカルメディア(地方テレビ局、地方新聞)も直接ご連絡しますし、地方の記者クラブに箱入れ(リリースを印刷して、投げ込む)もします。ローカルメディアでもWEB媒体に転載されれば、時にYahooニュース経由で全国メディアに近いバリューで拡散されることもあります。

幅広い記者の方とつながっていなくても、知り合いの記者さんに相談して、紹介していただくこともあります。

広報は本当に地道にコツコツ情報を発信続ける仕事ですが、あきらめずにがんばりましょう!





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