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マーケもキャリアも横文字が多すぎる件

こんにちは。KiwiPR合同会社でひとりPRの植田聡子です。

都庁に入って最初の職場、東京都立大学事務局の頃の軽いエピソードをお伝えします。

共通言語が異なると、話が噛み合わない

大学の先生って、人前で話すことに慣れています。

特にご自身の専門領域だと、もうあふれんばかり。話したい分野になると、流暢なお話がかなり続く(*個人的見解です)というのが教員の印象でした。

学部ごとに教授会があり、当時は経済学部の教授会がなかなか終わらない、と言われていました。なんか白熱しちゃうそうで、「その議事録を作成する係長は大変だよね〜」とよその部署の笑い話となっていました。

当時の都立大は人文学部、経済学部、法学部、理学部、工学部に私のいた都市科学研究科(学部を持たない大学院組織)の学部長(研究科長)や、大学の執行部(事務局)などが集まる、大学の一番重要な会議(民間企業で言ったら役員会のようなもの)がありました。

私は下っ端でしたので、会議の準備はしても会議に加われる立場にはなく、事務長(課長)のお話を聞く限りでしたが、まあカオスなのだそうです。

カオスの背景、それは参加者の共通言語、バックグラウンドがあまりにも違うのです。

「これはつまり、XXXXXXXXなことですよね」
→(他学部のメンバー、ピンとこない)
「というか、まあ◯◯◯◯◯◯◯◯◯ということです」
→(他学部のメンバー、ピンとこない)

エンドレスです。

お互いが例え合い、その例えがピンとこない。議論が噛み合わない。

これ、他人事ではありません

この話、ご自身の職場でもありませんか?

営業と技術、宣伝と広報、経理と現場、使う言葉や価値観が少しずつ違って、話が噛み合わない。

私は今、大学院で経営やマーケティングを学び、並行してキャリア関連の勉強をしています。

どちらもビジネスに関する視点であることは間違いないはずなのですが、同じモノを見ても、見る方向や見方が違うと、使う言語も全く変わってしまいます

円錐を上から見たら「丸」、横から見たら「三角」に見える。

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同じ形なのに、そのくらい表現が異なるのです。

マーケティングの人たちはドラッガーだったり、コトラーだったり、という人の名前、そしてその人たちが語ってきた各種フレームワークの言葉たち。STPだったり、4Pだったり、SWOTだったり、5Forceだったり、PESTだったり。

私も最近勉強し始めた訳ではなく、これらの言葉は概念として理解してはいますが、こんなに集中して、この言葉たちと触れ合う時間なんてフツーあり得ない生活をしておりました。今、これらをシャワーのように(滝行のように)浴びせられています。

これ、一般の人に同じスピードで話したら、もう右から左へ脳内スルーです。

一方、キャリアに関する勉強でも同じようなことが。

マーケティングより少し歴史がある分、またお偉いさんたちがさまざまな理論を過去から伝え続けてきた変遷があります。誰々の理論、誰々の理論・・・が延々と終わりません。顔写真でも出してくれないと、そんなおじさんたちの名前、覚えられないわ・・・というのは個人的な感想ですが。

でも、マーケティングもキャリアも学問として学んでいるのだから、そこは全く問題ないのです。

問題はそれを人に伝える時

私はPRを生業としておりますので、いかに人に伝えるか、どうやったら伝わるか、という視点で常に捉えようと思っています。

そして、最近、マーケティング界隈の方々、キャリア界隈の方々の発信を見ると、「もっともっと伝わる文章にしましょう」と言いたくなります。

あなたの使う言葉は彼らが使う言葉とは異なる

キャリアについて知りたい人は、偉い人の名前が知りたい訳じゃないし、分析手法が知りたい訳じゃないのです。知らないおじさんの話ではなく、「自分の」キャリアについて知りたいのです。その発言の裏付けとして、お偉い方の理論があることは、文章の信頼性を担保しますが、バランスが過ぎると、もう素人には拒否反応しかないです。

ルー大柴さんなみのカタカナ英語ですよ

横文字を使うな、という意味ではないです。バランスシートを貸借対照表と言いましょう、ということではありません。

✔️もっともっと相手に伝わる言葉は何なのか
✔️これは誰に対して書いている文章なのか
✔️相手が拒否反応を示さないか

略語や専門用語というのは、その仲間内や組織内において端的に伝えるための言葉であって、対外的に発信する(ブログでもSNSでも書籍でも)となった途端、この内容で伝わるのか、という視点を忘れないでほしいのです。

広報誌を編集する時に「中2でもわかる言葉を使え」とよく言われたものです。

対象次第ですので、全てが中2である必要はないのですが、

伝えたい言葉ではなく、伝わる言葉を選ぼう

というのがPRからの切なる願いです。

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