「あなたの為」にかわいくあろうとするかすみんだけが無敵。【背伸びしたって】とかいうかすみん史上最強のラブソング
可愛い私でいるね 自分の為でもあるの
【背伸びしたって】はラブライブの公式ラブソングだ。私はこの曲が公開されるまでやはりかすみんのラブソングはポッピンでかわいい溢れるワンダーランドのような曲であると信じて疑わなかった。
だが現実は違った。いざ公開されてみたらこれは一番だけでもこれは"やばい"と確信できる真なる力を宿したガチめなガチ恋曲であった。
「あなた(あなたであり私であり俺)」を明確な上の存在、背伸びしなきゃ届かない存在としての後輩パワーを存分に活かした世界観への領域展開からもう脳がガチ恋に焼かれる感覚が分かる。
そして生まれたのは純然たる感謝と愛しさ。なによりも、嬉しい。伝えたい、感謝。
ありがとう。
─────可愛いかすみんでいてくれて。
【あなたの為に】可愛くいてくれることの重み
まず何よりも共有しておきたい事実がある。それはかすみんにとっての「可愛く」あることの意味である。
そう、それは自己肯定である。もちろん他者からのかわいいという評価も重んじる、だがやはり何よりもまずは自分で自分のことをかわいいと思うことを良しとしている。
それはかの神の曲【無敵級*ビリーバー】の歌詞を読み解けば全てを理解することができる。
これらを共通認識としてから【背伸びしたって】というバトルフィールドへ赴きたい。
可愛い私でいるね あなたの為にいつでも
だからこの部分だけでも分かるのだ。この歌詞の重み、かすみんからの圧倒的なでかすぎる感情の程を。
自分も可愛いが周りにも可愛い人はたくさんいる。それでも自分はかわいい、それを誰でもない自分が信じている。かわいいとは自己肯定の形でありアイデンティティの形である。
そんなかすみんが、あのかすみんがだ。
「あなた」の為に可愛くいると言っているのだ。この時点でもう凄まじい火力だ。その理由は【大好きだから】
これだ、これである。あまりにも力のなんたるかそのものと言える。かすみんのことを知っていればいるほどこの圧倒的な火力に正気を持っていかれる。
中須後輩の溢れる後輩、いや年下との年の差恋愛パワーに脳を焼かれて頭がポッピンしてしまう。
この場においてかすみんの可愛いの焦点はスクールアイドルの時とは全く違う。不特定多数、いや全人類を自分のかわいさで魅了する普段振りかざしているかわいさとは違う。
焦点はたった一人だけを見据えている。そう「あなた」だけだ。それが何を意味しているのか、そう普段のスクールアイドルとしての自分でなく等身大のかすみんとして立ち向かって来ているのだ。この恋愛に。
何よりもこの覚悟、そして本気度にこそ特筆したい。そしてこれはそのまま圧倒的な湿度と重みに繋がる。これはかすみんにしか出せない力である。
あの”かすみん”が「あなた」の為に可愛くあると言っているのだ。この重みこそがこの曲の真髄だ。あなたのために可愛くある、そんなフレーズはラブソングにおいて珍しいものでもない。
それは誰が歌うかによって真価が全く異なる。だからこそ、このフレーズがかすみんによって紡ぎ出されるという事態の凄まじさこそ震えるに値する。
そしてこれらの力を理解することで初めて二番のサビが持つ力に触れることが可能となる。
可愛い私でいるね 自分の為でもあるの
これだ。「あなた」の為に可愛くあることはかすみん自身の為でもあるわけだ。それは従来の可愛いを追求する意味合いに加えてもう一つの意味を孕んでいる。
そう、「あなた」に可愛いと思ってもらえる喜びの為である。この2つを抱きしめて【自分の為でもある】と言っているわけだ。
ここにこそかすみんにこの曲を歌わせる真意が宿る。
虹ヶ咲で誰よりもかわいいに対してプライドと信念を持っているかすみんに、あのかすみんにたった一人あなたの為に可愛くあると言わせているのだ。あまつそれが結局は自分の為にもなると。
自分の為のかわいいは二の次となる。なによりも「あなた」の為にかわいくあるよ、と。この力の奔流にこそ脳を焼かれる。
かすみんはかわいい、それは揺るがない事実だ。かすみんだってそれを知っている。でも向上心があるから、周りには自分以外のかわいいがあると知っているから。だからかすみんはかわいいを追求する。
それが今まで知っていた中須かすみという女の子。だからこそ、この「あなた」一人の為の可愛いを突き詰めて叩きつけてくる様は本当に凄まじい。
今までの等身大のかすみんではない。そう、だからこそだ。
らしくない。だから【背伸びしたって】
だから【背伸びしたって】なのだ。これらを踏まえることで初めて""""背伸び""""という言葉の意味と曲名の重みを理解することができる。
そう、これらのかわいいへの向き合い方はともすればとてもかすみんらしくない。それが答えに繋がる。
それほどまでに「あなた」の存在はかすみんを変えた。
これが【背伸びしたって】の答えだ。
俺の為に完璧なレディーに、いつだって可愛く、誰よりオシャレしてくれているのだ。あのかすみんが。ガチ恋勢魂の救済とはかように成される。
この「背伸び」という概念も非常にかすみんらしく、だが扱いを間違えれば解釈違いスレスレになりかねない概念をとても精巧に扱っている。
私は最初かすみんのラブソングはアニメ本編で見られたような空回り気味な雰囲気のかわいいかわいい超かわいいな曲でくるものだと思っていた。
だが実態は違った。だからこそ私の心は震えた。
短い髪が肩にかかる頃には
あなたに相応しい 女性になっていたいな
これは逆説的にまだかすみんは「あなた」に相応しい女性になれていると思っていないということになる。それは今すぐなれるものではなく、もっと時を重ねなければ辿り着けない領域であると言っている。
それはつまり自信のなさを示している。全てを理解できたであろう。
【背伸びしたって】の方向性とは不安になることもあるし世界には自分以外にもかわいい人がいることを知っている。だからこそかすみんは努力してかわいいを追求する、そんな自分の努力を信じているというものだ。
そう、かの神の曲【無敵級*ビリーバー】と同じなのである。無敵級路線のラブソングで攻めてきているわけだ。これが最強でないなら一体果たして何が強さを名乗れようか。
ここにきての弱さと不安を見せながらもかわいいを追求するかすみんを見せられたらそれはもう脳が爆ぜるというものだ。
故に【背伸びしたって】の雰囲気自体はかすみんらしさすら溢れている。
それではさっきまでと言っていることに矛盾が生じてしまう？ それは浅い考えだ。視えているか？ 背伸びしたかすみんが。
そう、その通りだ。【背伸びしたって】で歌われていることはかすみんの心中であり彼女はそういった不安げな態度をこちらへは見せない。
いつもの”らしい”かすみんのまま接してくれる。背伸びの気持ちや不安は胸に仕舞い、私と会う時はいつだってプリティーキュートなかすみんでいてくれる。それは「あなた」の為であり「彼女」の為でもある。
私と会う時はいつだってポテンシャル以上のかすみんでいてくれる。例えそれが普段の彼女から見て””背伸び””だったとしても、その想いこそ愛おしい。
理想の恋愛
最後に一つ、特筆しなければならないフレーズがある。それが【理想の恋愛したい】である。
この考察に回答はない。だが「俺」の中にはある。それは同様に「あなた」の中にこそ存在する。
【背伸びしたって】は最初から最後までずっとかすみんの主観だけで進む曲だ。そして、こちらへの言動は明かされていない。つまりどんなかすみんがこちらへ向いているかは「あなた」の中にしか回答が存在しない。
これこそラブライブガチ恋国虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会の覇である。そう、この解釈の多様性は虹ヶ咲にこそ存在する。
本当にもう【背伸びしたって】を聴いているとかすみんへの愛しさだけが胸をうつ。こんなにも最強かわいい生物が存在して良いのだろうか。
背伸びしているのだが【ドキドキ】だとか【素敵な恋愛】に【ラブラブ】といった拭いきれない少女性が見えるそこにこそ魂が歓喜する。
だからこそ、そんなかすみんにこそ応えたい。
俺だけの完璧レディーに。
高いピンヒールなんてなくても
届く距離へ─────
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか？