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せつ菜曲の王道を往く最強のラブソング【チェリーボム】。その"名前"を呼んであげられるのは俺だけ

手を伸ばせばすぐな距離
こんなに遠く感じるの
呼んでくれさえすればいいのに
…Oh Baby

チェリーボム/優木せつ菜(林鼓子)

"好き"を否定しない。それは簡単なようで難しい。だって、気が付かなかったらあるいは無意識に向こうからの好きをしてしまうかもしれないのだから。
だからこそ、気付いて受け止めたい。

俺がその名前を""""呼ぶよ"""""

【チェリーボム】は言わずとしれたスクールアイドル優木せつ菜の公式ラブソングだ。私は何よりも伝えたい。

スクールアイドル優木せつ菜としてのラブソングであるという意味、そこに宿る”大好き”の重みを。


【Calling me】と【ふたつの果実】

最初のステップとして「チェリーボム」がなんなのかという認識を持つところがスタートラインとなる。
本来の意味するチェリーボムとはさくらんぼの形をした爆弾だ、基本的にはそれに則ることになる。
歌詞中にも出る【ふたつの果実】とはその名前のモチーフとなっている「さくらんぼ」に当てはめているものだ。だからここからが重要となる。

ここで言われる【ふたつの果実】とは「優木せつ菜」と「中川菜々」のことである。そう、さくらんぼの果実はせつ菜と菜々の二面性を模しているわけだ。
これを前提とすることによって【チェリーボム】の歌詞考察は可能となる。

優等生の菜々としてでもスクールアイドルとしてのせつ菜としてのどちらでもない。どっちかだけでなくその両面、つまり全身全霊等身大のせつ菜でもあり菜々としても持っている想い、ほんとの自分をさらけ出して爆発させているのだ。
そんな自分の持つ「あなた」への想いを「チェリーボム」という爆発物に例えているわけだ。その勢いと爆発寸前の想いの激流こそ、この曲の真価。
せつ菜から溢れる止めどない好きの奔流だけがここには詰まっている。だからこんなにも【チェリーボム】は私の心を掴んで離さないのだ。

だからだ、だからこそ【Calling me】というフレーズにこそ力は宿る。「私を呼んで」と言っているわけだな。

"どっち"の「私」?

言うまでもないな。両方のだ。こうしてせつ菜としてステージ上から歌って想いを伝えているがそれだけではない。もちろんステージ上でせつ菜の名を呼んでほしい、だがそれだけじゃない。菜々の名も呼んで欲しい。
そして当然ここには歌詞中で言われているような恋愛的な意味で振り向いてほしい、好きな人に名前を呼んでもらいたいという意味も内包されている。
【Calling me】という言葉にはここまで意味が詰まっている。これを理解することでこの曲は深みを生む。

それは自分を受け入れてほしいという想いの現れでもある。アニメ本編における好きがでかすぎて同好会でズレを生んでしまった時の肯定を求める気持ちを見て取れる。
せつ菜だけでも菜々だけでもダメ。その両面を受け入れる必要がある。
こういった二面性があるから「名前を呼んでほしい」という展開が胸に染み渡るわけだ。

これでもかと詰め込まれた爆発寸前の焦燥感

【チェリーボム】の歌詞は全編通して非常に勢いがある。【じれったい】だとか【今すぐ】といったスピードを感じさせる歌詞が多いことに起因している。
それに加えて【DIVE!】や【CHASE!】といったせつ菜曲特有の圧倒的な爽快感とテンポと高いBPMが合わさり群を抜いてスピード感がある。

そこが素晴らしいのだ。この爆発寸前の激情的な歌詞と疾走感にこそ「大好き」を止められない彼女の想いは宿る。そう、これはせつ菜のラブソングだからこそ染み渡る手法である。
もちろんしっとりバラード系ラブソングでも最高であっただろう。でも違う、違うのだ。優木せつ菜はそうじゃないだろ。
大好きに対してまっすぐで熱いから優木せつ菜だろうが。彼女の熱量、そして生き方がこれでもかと曲調と歌詞に反映されている。これである。この理解度と再現力にこそ特筆したい。

大好きが止められない想いがヒートして止まらない。スピード感は車でも新幹線でもない【ロケット】並だと言うわけだ。
そしてその目的が実に簡単にシンプルであることにもやはり特筆しなければならない。

Calling me わかってるはず
Calling me 簡単なこと
なんたってキミに会いたいだけ

チェリーボム/優木せつ菜(林鼓子)

そう、【キミに会いたいだけ】なのだ。【手を伸ばせばすぐな距離】にいるのにそこには壁がある。こんなにも近くにいるのに。
2人の距離は決して遠くない、でも近づいてもいない。だから【じれったい】し【今すぐ届け】なのだ。
この片思い特有の曖昧な距離感、それに対しての素直な想いが【じれったい】だからあまりにもせつ菜のラブソングとして完成されているわけだ。こんなのもう耳元で【Oh Baby!!!】されて鼓膜粉砕されたい以外の感情が湧いてくるはずもない。

全編通して歌詞の中身自体も非常にシンプルで直情的なものにまとまっているのも実に評価点が高い。
要約するとうおおすっごい好きいやめっちゃ好きこんなに好きなのになんで振り向いてくれないの早く名前呼んでくれたら飛んでいくのに早く呼んでよ行くよ呼んでよ呼んでよああもうじれったい私から今すぐ行きますから!!!!!!!!くらいの爆弾が飛んでくるまでの様を描いているのがまた素晴らしい。
本当に何よりも「らしさ」を全面に感じられるからだ。せつ菜らしいラブソングという面においてこれ以上の解釈一致は存在しない。

この世界中でたったひとり
こんな気持にさせる人
覚悟しててよ…?
あたしだけじゃヤダ!

チェリーボム/優木せつ菜(林鼓子)

冒頭にも記載したこのフレーズはここまでの情報を踏まえてからみることで真の力を発揮する。この【覚悟しててよ…?】が本当に強い。
なぜならば知っているからだ。本気を出した、大好きを止めないせつ菜がどうなるのかを。アニガサキ本編真なる神回せつ菜覚醒の話「大好きを叫ぶ」によって本気のせつ菜を知っているから想像に難くないのだ。
これにより「覚悟」のリアリティが増すわけだ。せつ菜を知っているからこそ味が増すこの手法には感服以外ない。

だからこそ、だからこそだ。今すぐミサイルみたいにすっとんでいくがそれはそれとしてやっぱり最初は「名前を呼んでほしい」というわがまま乙女エナジーが全身に染み渡る。あまりにもかわいすぎる。
【呼んでくれさえすればいいのに】という歌詞のこのしょんぼり具合といじらしさ本当に心の底から狂おしいほど愛おしい。
この勢いといじらしさの二面性もまた【チェリーボム】が持つ強烈な魅力と言える。

またこの部分において恐ろしく早い【ヤダ!】も見逃してはならない。
言わずと知れた優木せつ菜ガチ恋概念神の曲【ヤダ!】で散見されたワガママパワー、大好きを諦めない気持ちをここにおいても発揮している。こういった点で本当にブレていないところも高評価である。
これ以上【ヤダ!】の話を始めると世界を乗っ取られるがそれは済ませているので割愛する。

存在自体が反則だ

よもやせつ菜ラブソングがかような爆弾曲でくるとはまるで予想できていなかった。

流石にあまりにもペカペカ笑顔全開せつ菜が見えすぎて口角の上がりが留まることを知らない。

このドカ笑顔【Oh baby!!!】あまりにも解釈一致越して毎日この笑顔見てるよまで魂を昇華させることができる

優木せつ菜とかいう生物がそもそも反則級にありえん生物なのだからなにをどう足掻いても最高にかわいく仕上がるのはわかっていた。
だからこそぶっちぎりに勢い突き抜けたクオリティでのしっかりと期待を裏切らない爆発せつ菜曲だったことが喜ばしい。

こんな爆裂疾走感のぶちあげ曲をラブソングだと出してくるその解釈の一致にこそ魂の救済は宿る。
ちゃんと曲そのものを読み解いていけばせつ菜のラブソングとしてしっかりとした納得と理解しかないからだ。むしろ無難に置きに来るラブソングでなくてよかったとしか思えない。
そういった意味でも非常に尖っていて良い。無難さを感じさせない。せつ菜から叩きつけられる全感情の大爆発はこんなにも心地よく愛おしい。
雑な理屈や理論で黙らせてこない。なぜならばそんなもの恋というやつには通用しないらしいからだ。

だから、俺も本気で迎え入れたい、受け止めたい。

いや、”呼びたい”。その名前を、ようやく気付けた本当に愛しい存在のことを。
手を伸ばせば、名前を呼べばいつだって触れ合える距離にいたのに気が付かなかった。𝓞𝓱 𝓑𝓪𝓫𝔂……

せつ菜……それから、菜々─────

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