見出し画像

【Extreme Hearts】だけを信じろ。最終回の数分に詰まる100年分のカタルシスを感じろ

ハートを合わせよう
いつだって孤独じゃない
どんなときも ずっと

全力Challenge RISE

私はエクハのオタクだ。いや、エクハのオタクに成った。
つい先日遅ればせながら【Extreme Hearts】を全話視聴した。そしてあの【全力challenger】を見てあまりにも多大なる感動を得て今ここにいるわけだ。
最終回の圧倒的かつ絶対的な力の奔流に涙を流すに流し尽くしこのカタルシス残さずに死ねるものかと。そんな想いだけが私の肉体を突き動かす。

本当にいかほどにエクハの最終回が素晴らしいか、あの奇跡の数分が美しく尊ばれるべきかを記す。

はじめるぞ。

───────はじまりはきっといつも 僕らを待っているから。

アイドルアニメ飽和の時代だからこそ王道という攻め

本当にこのアニメは凄まじいアニメであった。我々の世界ではアイドルアニメ戦国時代も一段落しアイドル+なにかの付加価値型アイドルアニメが主流になりつつある。例に漏れずこのアニメもその類であった。ウィニングライブに違和感を持たなくなり当たり前の時代になってもう久しい。

世界観や設定において重箱の隅をつつくようなツッコミどころは無限に湧いてくる。ロボット絡みの発展はすごいのに家電絡みは現代と対して変わらなかったりエクストリームギアの技術がまるで生活に活かされてなさそうであったりする等だ。

ツッコミどころはあるが作品に冷めない程度の範疇であった。世界観はガバだし展開はものすごい早かった。だが雑でも適当でもなかった。
全ての要素が綱渡りの状態である、しかしなんだかんだ丁寧でしっかりしていたと言える範疇に収まっている。故に減点式で見たとしても7、80点くらいは出せる。そして加点式で見たとしたら最終回の【全力Challenger】で5億点は上げられてしまう。
だからツッコミどころはあるし最終回までお世辞にも突出した力があるとも言えない作品なのだがこのようにどうしたって高評価が出てしまう。つまり統括すると全体的に出来の良いアイドルアニメなのである。
世に出る時期が時期ならばアイドルアニメ戦国時代のパイオニアとなれるだけのポテンシャルを持っているわけだ。

だというのに私は最終回を見るまでこのアニメに対してさほど熱狂的でなかった。まあ思ったよりちゃんとしてるし良いアニメの部類に入るな程度の認識であった。良くも悪くも優等生的なアイドルアニメはもうそれなりに見てきたからあまり新鮮味がなかったからだ。

それが最終回にしてあのライブで、感情が溢れて止まらない陽和の姿にもうどばどばとドーバー海峡のように涙が溢れた次第である。

展開そのものはあまりに王道である。だからこそ、ストレートな王道だからこそなかなかお目にかかることができないわけだ。この時代にこのレベルの手書きメインのライブシーンでこんなにも重厚な嗚呼アイドルアニメの素晴らしさの何たるかが詰まっているものがあるのかと。本当に見たかったライブシーンが確かにこの場には存在している。そんな涙を流させてくれることに対しての感謝と出逢えた喜びだけが胸を突き抜ける。
あるいは、もしかもしかして私はこのアニメのことがものすごく好きなのではないかと錯覚させてくれるほどの力を持っていたのだ。

エクハはことアイドル要素に関してはずっと王道を貫いていた。それを最後まで一貫して果てはその直球ど真ん中王道のストレートで私を黙らせた。
この攻めの王道は非常に素晴らしいものだ。アイドルアニメブームもそこそこに落ち着いていた今だからこそ、アイドル部分で絶対に揺らがない良さを見せつけてくれた。多くの人が予想できる展開でクオリティと演出で期待を遥かに超えてくる。

この姿勢こそ美しく、尊ばれるべきものである。

ずっと「Challenger」が集大成

最終回にて突如として湧いてきた陽和が泣いてるところや大いに喜んでいるところ見たこと無い問題。これは例のシーンを予期させる。まあ私も浅はかながらに思っていた、最後のライブでひよりんは泣くのだなと。
だからこそ展開としては読めるが演出として想像を遥かに上回るものをお出しされた感動はあまりにもプライスレス。ちゃんと求めていた王道を出してくれた、それでいて魅せ方においてこちらの想像を遥かに上回ってくれたわけだ。

私は2023年に入ってからこのアニメを見始めたのでSpotifyにて先に曲は聴いていた。だからこそすぐさまあの違和感に気付いた。その時にはもう呑まれていた。ゾーン状態と言っても過言ではない。
「何が違うのか」その正体を追い、回る脳みその思考をアニメの進行が凌駕した。これは声が違う。

""泣いている""

歌が違う、この演出はあまりにもやってくれたな感で満ち溢れている。ここにきてあのお歌うまうまひよりんの声がちょっと違うという点で違和感をもたせ、もしやと想起させる。
あの涙声での歌は本当に演出として素晴らしい。1人だけステージ経験者でありみんなをひっぱるプロである陽和が真っ先に泣いてしまうと。
さーちゃん相手にたった1人のライブを行っていた1話があるからこそ、【名もなき花】であった葉山陽和がいるからこそ、あの涙の生み出すカタルシスが染み渡る。
1人でデビューしても売れなかったけど諦めなかったから、ずっとチャレンジャーであったから。なによりも仲間がいたからそこへ立つことができた。

自分が泣いて前に出られない時、前へ出てくれる仲間がいる。「これは私たちが、 最高の仲間と出会っていく物語」このキャッチコピーの重みをここにして最大級に味わうことになる。
ひたむきにずっと明るく前向きで絶対に諦めない陽和の姿が私の網膜と脳には焼き付いている。売れなかった頃からすれば大成した、それでも彼女はまだ【全力Challenger】なのだ。
その前向きさを抱えながら、決壊したダムのように溢れて涙を止められない陽和の姿。1人の女の子らしい弱さを我慢できなくなるのはあまりに美しい。

今までの挫折と喜びとの集大成であるこのライブを噛みしめるように涙が溢れるひよりんの姿に涙せぬ生物はいない。肌で、本能で、脳髄で感じられる。本当に心の底から彼女は【ずっと待ってたんだ】と。
染み渡るのだ、彼女からの【大好き】だという言葉が。この想いは止められないわけだ、いつだってどんなときも。

そしてこの演出の集大成である【どんなときもずっと】この場面の演出、歌い方である。もうこの第7宇宙で叶うアイドルアニメがあろうか。いや、言い方を変えよう。
11話までなんとも鳴かず飛ばずでそれなりに面白いアニメであった作品が、いかにしてかような火力を一発で叩き出せるであろうか。ここにこそエクハの真髄が詰まっている。これが見たかった。むしろ今となってはこれ以外見なくなかったまである。

王道の極致、アイドルアニメの究極。ライブシーンで黙らせる。その奥義がエクハには確実に存在する。

どんなときも、ずっと

全12話あり、胸を張って本当にすごい・素晴らしいと私が胸を張って言えるのはやはり最終回である。だがその最終回はそれまでの11話を見ていないと真髄には触れられないのだ。

エクハのような一点特化火力アニメは個人的にとても好みだ。
話数に恵まれているわけではない、全話最強というわけでもない。最終回、さらに言えば最後のライブシーンが圧倒的に唯一抜きん出ている。それだけでこんなにも人の心を震わすのがすごい。見る側の好きに作品が全身全霊を以て応えてくれたのだ。

お世辞にもめちゃくちゃにずっと面白かったとは言えない、それでも私はやはりそこのアニメが好きだったから完走できた。あの最終回へ辿り着けた。そのちゃんとした"好き"に対しての見返りがあの数分のライブシーンに詰まっていた。
これができるアニメはそうそう無い。だからこそエクハはすごいのだ。こんなライブシーンはなかなかお目にかかれないしそんな作品を好きになれたことは幸運と呼ぶ他ない。
この他の追随を許さない唯一無二の爆発力、圧倒的な爆ぜ方。これを最終回一発で叩き出しているのは何度も言うが本当にすごいことだ。

今となっては胸を張ってこのアニメは素晴らしい作品だと、大好きな作品だとも言える。最終回のライブシーンが人生を変えたと言っても相違ない。それだけの力が、人の心を動かす力があるのだ。
かように心へ揺さぶりかけてくる掛け値なし、本物のアイドルアニメに出逢えたことそのものが幸福である。ああ、あまりにも美しい。本当に最終回で黙らせられた。そうとしか言えない。

この感謝、そして最高のカタルシスを忘れず、常に胸に抱き続けよう。終わらないこの夢は、僕らが向かう明日はきっと鮮やかに輝いている。

────どんなときも ずっと。


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?