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魔弾デッキで相手の血管を撃ち抜け。構築・プレイング解説[遊戯王 マスターデュエル]

前回魔弾の魅力をメインに伝えた記事を執筆した。あれから概ね毎日ランクマで魔弾を使い続けだいぶプレイングも様になってきた雰囲気が出てきたのでプレイング面での魔弾の使い方や構築を書き連ねていく。
また、私自身マスターデュエルがメインのプレイヤーなのでランクマッチの環境についての相性も少し言及していく。
個別のカードの説明は以前の記事で説明したので軽く目を通してもらえると助かる。

デッキ構築に関しては私が実際に使っている以下のデッキを基にした解説とする。自分がしっくりくる形に仕上げてあるので所謂テンプレ構築とは少し異なる。

デッキ構築 モンスター編

基本的にカスパール(魔弾カードサーチ)・スター(魔弾モンスターリクルート)・ドクトル(魔弾カードサルベージ)・キッド(手札の魔弾カード捨てて2ドロー)を各3枚採用がメインになる。
灰流うららや増殖するgといった誘発は好みである。枠に余裕があるかと言われたらそうでもないが別段入れないメリットがあるわけでもない。そもそも妨害という観点であれば魔弾カードだけで溢れているという事実もある。ただ魔弾カードでは手札からの発動はケアできないためそこをどうするか。本当に好みの部分である。
ワイルドとカラミティは初動にならない上に別に効果もさしたる強さのものではないので採用はしない。なにが強くないかというと魔弾デッキは墓地肥やしという概念が薄いためにシナジーが薄い。また、私は後述する同胞の絆に対して大きな信頼を寄せてはいないので採用はしない。

モンスター採用における最も大きな問題はザミエルである。

ザミエルと向き合うか

問題の彼

多くの魔弾使いはザミエルの採用を見送るケースが多い。実際問題そもそもの効果が強くないのと素引きした際の弱さは看過できない。では何を想定して入れているかというと主な仮想敵は対象に取られないカードと効果破壊耐性持ちだ。
魔弾デッキは展開力が低く、マックスの効果を通さないと1ターンで0からアクセスコードトーカーやヴァレルソード・ドラゴンといった火力不足を解消するカードを出すことが出来ない。
そうなった時に最悪ザミエルとネバーエンドルフィンの2枚で5000打点までをカバーできるから採用している。意外と使う機会がある。少なくともマスターデュエルにおいては。シングルマッチのランクマにおいて突然現れるアルティメットファルコンやカオスMAXといったカードに対する回答となるからだ。というよりも彼ら相手以外で恩恵を感じられることは少ない。
とはいえ本当にシングルにして多くのテーマと当たることのあるマスターデュエルにおいてこれらの即効性のある回答をデッキに忍ばせておかないと心許ないという部分が私にはある。
ザミエルの採用に関しては本当に難しいところである。現在のマスターデュエル上位環境を意識するのではあれば確実に必要ない。
ドライトロン・電脳・幻影・エルドリッチ。これらの上位に位置する環境デッキに対してザミエルの2500・5000打点という利点を能動的に機能させられる状況は多くない。だからこそそれら以外のデッキに対して勝ちを溢したくないという点が私の中にはある。紙であればサイドデッキで対応できる部分ではあるがマスターデュエルにおいてはそうもいかない。
そもそもの母数の話でいえばやはり前述した環境デッキと当たる場面は多い。が、それ以外のデッキともこのゲームにおいてはよく当たる。ランクの昇格が勝率ベースである以上、それなりの対応力があった方が回しやすいと感じた。
以上の理由から私はザミエルを採用しているがどのように勝率と向き合うかという個人の価値観、裁量に依ると考える。少なくとも目標を大会優勝やカジュアルでない交流会での勝利に据えるとすれば、必要のないカードではある。

デッキ構築 魔法罠編

魔弾魔法罠


魔弾カードに関してはクロスドミネーター(場のモンスター効果無効+攻守0へ)・デスペラード(表側表示のカード1枚破壊)・デッドマンズバースト(魔法罠無効にして破壊)、この3枚は3積みである。こちらのシンプルな強さは説明するまでもない。妨害であり攻めであり守りである。宇宙の全て。
次いでダンシングニードル(墓地除外1~3枚)、デビルズディール(魔弾モンスター効果破壊無効永続罠)が1、ブラッディクラウン(ターン1魔弾モンスター手札から特殊召喚永続罠)が0~1、ネバーエンドルフィン(攻守倍でダイレクトアタック不可)が0~1。といったところであろう。
ダンシングニードルは相手によって刺さる刺さらないがはっきりと分かれる。前述した環境デッキに関しては特に鉄獣やエルドリッチ相手に猛威を奮う為、多めの採用でも良いかも知れない。
デビルズディールはこれがあるとないとでサンダーボルトやライトニングストームといった捲り札に対する耐性が大きく変わってくるので1枚はデッキに入れておきたい。特にこれらのカードに対してデッドマンズバーストを吐かされ、本命札を通されるというのは非常に苦しいので入れておいて重宝する場面は少なくない。
ブラッディクラウンは好みの領域になる。あくまでも噛み合えば強いの粋を出ないカードではあるというのは否めない。展開力の低さをカバーする為にも1枚は入れておきたいところではある。これ以外に展開へ関与する魔弾魔法罠はない為、純粋に取れる選択肢を増やす為に採用している部分もある。
ネバーエンドルフィンは無くても困らない。クロスドミネーターで対処できない対象に取られないカードなどに対して機能することはあるが大抵の場面はクロスドミネーターで事足りる。私は前述のザミエルに使うためと限りなくノーリスクで魔弾モンスター効果を起動できる使い捨てカードとして1枚採用している。あとイラストが好きなので。事実上の嫁枠。

それ以外の魔法罠


強欲で謙虚な壺や金満で謙虚な壺はカスパールが立っている状況ならばカード分以上のアドをローリスクに生むことができる。また初手に魔弾モンスターを握れなかった際のカバーにもなる。前者の壺はスターやマックスと少し噛み合わない場面が生まれるが基本的には他のデッキよりデメリットが気にならない。後者の壺はそもそもがエクストラ依存の少ないデッキなのでコストもさして重くはない。

成金ゴブリンも同様の理由で採用している。魔弾デッキは打点が低いのでキルラインが遠くなるのは気になるがそれ以上に得られる恩恵は多い。
禁じられた一滴・拮抗勝負は言わずとしれた捲り札である。私はURポイントが足りず一滴を代用で入れているが別段こだわりや事情がなければ冥王結界波で良い。一応一滴の使用感としては打点の足りない魔弾としては助かる場面はあった、ただやはりコストの重さは言及せざるを得ない。

以前は威嚇する咆哮を2枚採用していた。あればあれば嬉しいが別になくても困らん程度の領域のカードだったので明確に役割を持つ拮抗勝負に変えた。

採用はしていないが次元の裂け目やカイザーコロシアムといったメタカードも問題なく採用可能なので好みの方はどうぞ。

同胞の絆について


魔弾デッキにおける最強の上振れ札となるこのカード。だが私はあまりこのカードに信頼をおいていない。実際先行にてカスパールの同列で発動して通れば、そのまま流れでゲームエンドまで持っていける爆発力はある。問題はそれ以外での使用になる。バトルフェイズを行えず、特殊召喚もできないというデメリットは大きい。
多くの場合、後攻となるとそれなりに相手が展開してからのスタートとなる。そうなるとマックスを通したい状況の方が多い。なぜならバトルフェイズを介さずに相手のモンスターに干渉できるカードがデスペラードしかないからだ。ターン1の妨害モンスターが相手に立っている場合なるべくクロスドミネーターで安全に殴って処理したい。個人的には捲り札とはならない上に基本的には上振れカードとなるため採用枚数を控えている。あくまでも上振れカードだから波がきたらラッキー程度の認識で採用しているが実際にこの爆発力は馬鹿に出来ないので個人の価値感に依るものだと考える。

デッキ構築 エクストラデッキ編

マックスが3枚あればあとは大抵好みで良い。が、マックス3枚は欲しいが1試合で3体出す場面はあまり多くはない。
また、好みでは良いとはいっても汎用リンクは適当に抑えておきたい。個人的にはハイパースター、トロイメア・ユニコーン、アクセスコードトーカーは入れておきたい。

盤面の効果使用済みマックス2体から出せ、打点の補助になるので重宝する機会は多い。②の効果も全てのモンスターが光属性の魔弾と噛み合っている。

あとは甲々やナイトメアシャークのような汎用ランク3とダウナード・マジシャン、アーゼウスのハッピーセットを入れておくといざというときに盤面のリセットがやりやすい。また、アーゼウスの効果を使用してから魔弾モンスターを通常召喚することで相手の盤面を掃除した上で妨害を構えられるのが強い。強いとはいえ毎試合使うような展開にはあまりならない為、やはりエクストラデッキは個人の使用感で問題ないと思われる。

プレイング編

基本のムーブ

魔弾デッキには決まった強い動きというのがあまり存在しない。というのも相手の盤面、出方に応じて必要なカードが変わってくる上にそもそもの手札に何を持っているかでもサーチする必要札が変わるからだ。
同胞の絆やマックスを絡めない理想的な動きとしてはカスパール+なんらかの魔法罠で妨害2枚用意となる。スター始動の場合はカスパールを持ってくる状況が多い。それ以外は概ねアドリブとなる。どれだけ手札に魔弾魔法罠があるか、汎用魔法罠があるかでも変わる。

先行で相手のデッキが分からない場合は前述のクロスドミネーター、デスペラード、デッドマンズバーストを握っておけば間違いない。それらを手札に握っている状況であればダンシングニードルを引っ張ってくればさらなる妨害の追撃になりうる。
デビルズディールならば効果破壊系のカードに対する防御札となる。自分の場の魔弾モンスターを最低でも1体は死守したい為、効果破壊カードを1枚で防げるのはクロスドミネーターやデッドマンズバーストの温存にも繋がり強い。

後攻の場合相手が特別な盤面でなければ基本はマックスを通してアドを稼ぎたい。スターやカスパールが手札にいてクロスドミネーター等あれば相手の妨害を1枚踏み越えつつアドを稼いでからマックスに変換して更にアドを稼げるので捲りやすい。
先行後攻どちらにしても優先的にカスパールとドクトルが立っている盤面を目指したい。これにより前述した3枚を安定的に回すことができ盤石な妨害盤面にできる。
スター始動の場合もまずはカスパールをリクルートし、その後余裕があれば次のターンにドクトルを呼んで状況に応じてスターをマックスに変換したい。

どちらにせよ基本的には魔弾モンスター+魔法罠の2枚始動になる。更にドクトル始動やスター+魔法罠が1枚しかないなどの妨害を用意できない事故もそれなりに起こりうる。事故率はそれなりにある為、下振れが続くと威嚇する咆哮や和睦の使者といった延命札も採用したくなる時がある。
魔弾というテーマの性質上例えこちらの手札が事故っていたとしても相手から見たらどれほど妨害を握られているか分からないというブラフになる。なので可能であれば手札は0にしないようしておきたい。

どういった形にせよ基本的にはワンキルを取ったりガチガチに制圧したりするデッキではないため基本的には何ターンかは相手に渡すことになる為相手が何をして勝つタイプのデッキなのかは早々に把握し、対応する魔弾カードを握って回したい。

得意なタイプの相手

墓地依存の高い相手にはダンシングニードルが刺さるため漠然と有利といえる。また、着地点や先行での制圧盤面が大型モンスター1、2体といったデッキも割合有利に戦っていける。魔弾同様の中速タイプのデッキ相手にも相手の妨害を潰しながら回収をしてと比較的理想の立ち回りがしやすい為有利である。
基本的に効果対象に取れるのであればクロスドミネーターかデスペラードでよほど対処可能なのでそういった耐性に秀でないデッキに対しても有利と言えよう。後述する弱点要素が含まれていなければ。

ランクマにおいて時折当たることがあるメタビートに対しても魔弾は有利を取れる。有利を取れるというよりも比較的低ストレスで相手ができるといった言い方が正しいかもしれない。というのもあまり特殊召喚にウェイトを置かないデッキタイプなのでフォッシルダイナパキケファロやインスペクトボーダーに封殺されるという事態も少ない。スキルドレインや王宮の勅命は他のデッキ同様貼られると辛いがそれらはデスペラードやデッドマンズバーストで処理が可能な為、貼られただけで詰みという事体には陥りにくい。
ランクマで見やすいラインでいうと純鉄獣、エルドリッチ、ドラゴンメイド、閃刀姫、真竜。これらのデッキ相手には相性良好言える。

苦手なタイプのデッキ

確実に苦手なのは大量展開を得意とするデッキである。1、2枚の妨害等で止まりにくく、なおかつ着地点が横並びのデッキは非常に相手をしていて苦しい。というのも基本打点の低さからクロスドミネーターとデスペラード以外での盤面の処理がやりにくい為、相手の妨害を処理しながら頭数を減らすということがどうしても苦手となる。
あとは手札から効果を発動するカード群に対してだ。魔弾カードは相手の手札へは干渉できない為、サイフレームギアγや朱光の宣告者に対しては魔弾カードのみでの対処はできない。
また、神の宣告のように召喚そのものを無効としてくるカードも召喚権を使用した後に展開がしにくい魔弾にとっては天敵となる。
ドライトロン宣告者、イグニスター、エンディミオン、HERO、ジャンド。これらのデッキは上記の要素があり、なおかつランクマでの遭遇率もそれなりなので苦手なデッキといえる。

どんな人に魔弾がおすすめか

勧められる人の特徴は3つある。

①負け筋を潰す勝ち方をしたい
②頭を使ったデュエルをしたい、うまぶりたい
③ワンパターンな戦いが嫌いな人

上記の要素を持つ人には胸を張って勧められる。そもそもの基本戦法が妨害によるコントロールなので相手にかけるストレスは大きいのは言うまでもない。なのでそういったデッキが好きな人にも当然勧められる。

負け筋を潰す戦い方とはどういうものかというと主に相手のトップドローからの解決札を潰すプレイングができるというのが魔弾デッキの大きな特徴である。前述したライトニングストームや禁じられた一 滴といった捲り札に対して警戒して対応札を持ってくることもできる。禁じられた一滴に関しては完全な対策は無理だがデッドマンズバーストが罠である以上相手も罠カードを持っていないとチェーン不可にはされにくいためチェーンできる機会は多い。
基本的に負け筋を潰すとなった場合、思考はまずクロスドミネーターかデッドマンズバーストかの2択から始まる。汎用性のクロスドミネーター、デッドマンズバーストで固めるか。あるいは相手のデッキに刺さるカードをピンポイントで持ってくるか。
また、相手ターンに妨害しながらサーチ・サルベージができるという性質から相手の動きを見てから対応札を持ってくるという行動も重要である。
これらのゲームメイクこそ魔弾デッキの楽しさの大きな要素である。

一方的なカードパワーの暴力による制圧やごり押しはできない為プレイングが求められ、ちゃんと勝った感をものすごく味わえる。ひいては今のプレイングめちゃくちゃ巧かったな、と振り返りうまぶりで気持ちよくもなれる。
考えることは多く、アドリブによる臨機応変な対応が求められる。だがこれらこそが前述したうまぶり要素にも繋がる。特にカスパールやマックスによるサーチが重要な要素となる魔弾にはその時々のプレイヤーなりの最適な回答を求められる場面は多い。

決して使いやすく、イージーウィンを拾いやすいデッキではない。だからこそやり込みがそのまま勝率に現れるデッキなので興味があるのであれば使い込み、この快感を味わってみてほしい。このゲームにおける唯一無二と言える楽しさを魔弾は持っているのだから。

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