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横浜物語 ~後編~

横浜デートの延長戦
海にあれほど心を乱される
とは思いもしなかった。
かなりエモい展開になります。


公園までは徒歩5分、
海沿いのベンチに座りまったりする。
ぽかぽか日和でお昼寝したい気分になる。
目の前でカップルが結婚式の前撮りを始めた。
綺麗だな〜とぼーっと波の音を聴きながら、
彼が席を外している間、1人考えていた。
また、刻一刻と別れの時間は近づいていた。
 
彼の肩にもたれ掛かりながら聞く
「前回と今回の私の態度、なんか違う?」

「最後の店で寂しがってんな~ていうのは伝わってきた」と笑いながら言われた。

(あ、ついさっきか。そんなもんか)

 
寂しさがこみ上げると共に
2人の体の距離も縮まってきた。
彼も同じ気持ちだったと思う。
ずっとこの時間が続けばいいのにと思った。


目の前に人が行き交う中、突然キスをされた。
私は恥ずかしくて顔を俯け「何してんの」と、
そしたら次はちょっと激しいキスをされた。
通行人に完璧に見られている。だけど、その視線は、羞恥心を煽るスパイスになるだけだった。
本当に嫌がってない事なんて、彼にはお見通しだった。
その後も、悪戯は止まらない。
スカートを少し託しあげられて
テロンとした布越しに手が添えられる
そして、中に手が潜り込んできて、太ももをそっと撫で上げられる。わたしはだんだん変な気分になってきたが、よくないと切り替えて
「本当にそろそろ帰らなきゃね」と立ち上がる。
この時に、彼のモノが勃ちあがっていたのかは、わからない。わたしはもちろん、濡れていただろう。キスだけで受け入れ態勢は万全になる女だ。
 
 
帰りは自然と手を繋いでいた。
まだ帰りたくないな~と思いながら駅へと歩いていると、ひとつのラブホテルが目に留まる。
私の名前に少し似ていた。

冗談ぽく彼が「行きたい?」て聞いてきた。
ずるい聞き方だな〜と思ったので
 
「委ねないで、男らしく言ってよ」と私。
 
「ホテルいくぞ、抱きたい」と彼。

期待通りの答えが返ってくる
いつもほしい言葉をくれる所も好きだった。
わたしは黙って頷いて、手を引かれる。
 
「ちょうど目の前にホテルが~」
「眠いからちょっと休憩しないと~」

なんて照れ隠しで、冗談を言って
笑いながら海沿いのホテルへin
  

本能でお互いを求めた
そんな表現が近いかもしれない
海を見て寂しさが込み上げて
好きな気持ちも込み上げて
気持ちが盛り上がって抱き合った
自然とお互いに「すき」と口から漏れた
情熱的なキスは今でも忘れられない
もう完全に、友達ではなくなっていた


 
わたしは曖昧な状況が嫌いなので
言葉を選びながら確信をつくことを尋ねる。
この時は、彼に抱きつきながら
とてつもない寂しさに襲われていた。
 
「前とは気持ちが変わっちゃったんだけど、
どうしてくれるの?」
 
あざとい感じの聞き方になったけど、
言葉を選んだ末に出た一言だった。
 
「まいちゃみ寂しくなっちゃうでしょ?」
 
それが彼の答えだった。
それ以上は聞かなかった。
先を望んでいないことが伝わったから…
 
 
服を着たら、急に冷静になった。
さっきまでなんであんなに寂しかったんだろうと思うほどまでに。
 
「よし!帰ろう!」
 
今度こそ駅に向かい、電車の中で解散した。
予定滞在よりも3時間ほどオーバーだった。
申し訳なさより嬉しさが勝ってしまっていた。


 
 
私は結構あっさりしてるタイプに見られる。
間違ってはないんだけど、好きな人相手になると話は別。寂しがり屋でデレがだだ漏れのツンデレ、態度に出るので分かりやすいと言われる。
そのギャップに驚かれると同時に、思ってた感じと違うと言われる。要するに、男に追われてたのに、振り向いたら立場が逆転しちゃうのだ。
私もこんな自分が嫌だ。コントロールできない感情が煩わしいと思う。自信が無いとかではなく、恋をすると途端に弱くなってしまう。みんなそうだよね。。。

 

それぞれの生活に戻ってからも
変わらず毎日のように連絡を取り合う。
寝る前と酔ってる時は必ず
「すき」と言ってくる彼


ある夜、わたしは酔っ払って
朝早いからもう寝なきゃという彼に少しだけのつもりで電話をした。酔ってることをいい事に色々言いたいことをぶつけてしまった。本当はそんなことしたくなかった。だけど、肝心な事は何も言わず、煮え切らない態度に本当はヤキモキしていた。今度ははっきり「遠距離はむり」と言われた。
 
その後に、私の性格や酔った時の行動のことを理由にあげてきたけど、結局は遠距離恋愛する自信がないんだなて思った。本当に欲しかったら誰にも奪われたくないと思うもの、そこまでの感情は彼にはないのだと私なりに解釈した。そんなの最初からわかってたことなのに、男ってほんと勝手だよね。
結局1時間電話してしまい、イライラさせていたんだと思う。「こういうの苦手、嫌い」そう言われて、「ごめん」と電話を切った。
 

 
最初はただただ楽しい関係だったのに、
マイナスな感情が混じるようになってしまった
こんな事なら、好きなんて言わないで欲しかった。人のことなら的確な判断ができるのに、自分の事となると不器用なのだ。

 
次の日から、2文字の言葉を口にする事はなかった。また楽しいだけの関係に戻った。と言いたいところだけど、最初の頃にはもう戻れない。
少しの間だったけど楽しかったよ、ありがとう。

 
2022.5.24
寝ぼけまなこな朝より
まいちゃみ

 
この文章を書きあげてすぐ彼に送った。
彼は私の書くの文章が好きだと言ってくれて、
いつも褒めてくれた。
距離を置きたいとかそういう事ではなく、
私らしく文字で思いを伝えたかった。
 
「気持ちは伝わった」
 
「文章のプレゼントは初めてもらった」
 
すぐにそう返事が来た。
結末はまだわからない。

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8ヶ月前、感情だけで文字を綴ったのが
この“横浜物語”だった。
ほとんどそのままの文章だ。

 
想い合っているのに平行線な二人の距離。
だけど、雲がかかったこの恋をすぐに手離すことができなかった。ちょっと心が不安定になってきた私。ふたりの関係はこの後どうなるのか...




次がいよいよ、最終章です。
👉続きはこちらからどうぞ。


赤羽物語横浜物語①の続きの話となります。
是非、最初からお読みください!

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