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めちゃめちゃこわい話「本屋」


これはある本屋についての実話である。


秋も深まり、少し早い気もするが街並みもクリスマスらしさが感じられるようになってきた頃。男は最寄り駅の隣の駅から足早に帰路についていた。電車で出かけた帰り、散歩がてら一駅歩くのが習慣だった。

その日も太陽が沈み始めた道を歩いていた。ふと顔を上げると、ある本屋が視界に入った。あ、本屋があるなあ。嫌な予感がするから今日は早めに帰ろう、そう思って歩く足を早めたその瞬間、男は車道を向いて突っ立っていた。おかしい。今車道に沿うように歩道を歩いていたはずだ。気を失っていたとでも言うのか。こわいなーこわいなーと思ってゆっくり後ろを振り返った。するとさっき見た本屋の入り口の自動ドアがある。おかしいなーおかしいなーと思いつつ動けないでいるとレジ袋が秋風に揺れてカサ…カサカサ…となびく音と同時に右手に不自然な重みを感じた。右手を見てみるとそこには紺色のレジ袋を握りしめる右手が。
こわいなーこわいなーと袋の中を見てみるとそこには…大量の文庫本が入っていたという。そんな馬鹿な。先週も5冊ほど本を買ったじゃないか、しかもまだ読めてないのに、どうして毎回こうなるんだ。男は絶望し膝から崩れ落ちた。
この現象に遭う人が後を絶たないという。









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