【MV会員インタビュー】畠山 哲平さん 〜大手銀行に勤務しながら地域活性の目標を持って進む〜
畠山さんは普段はどんなお仕事をされていますか?
三菱UFJ銀行上野支店で法人営業の課長をしています。僕は入行以来21年間法人営業一筋で、部下を持って1年、今はその部下のサポートをするのが主な仕事になりますね。
お仕事以外では普段はどんなことをされていますか?
暇さえあれば水産業で何か新しい事業を作れないかと色々な立場の人にヒアリングをしています。妻や子どもとの会話もその話題が多いですね。これが楽しくて、毎日何かしらの「新規事業」に関わることをやっています。社内でも「さかな通信」というブログを毎日書いて僕の活動を発信しています。
銀行のイメージとは随分かけ離れていますね。MVに入会されたきっかけも「さかな」でしょうか?
そうなんですよ! 僕の出身地は宮城県の気仙沼で、マグロ漁師の父の背中を見て育ってきました。大学は東京だったんですが、就職する時に東京に残るか地元に帰るか迷ったことがあります。そのとき父に「組織の歯車になりたいのか、地元のエンジンになりたいのか」と問いただされ、「僕はどっちにもならない、ジェットエンジンになるんだ!」と答えたのを覚えています。結局、東京で就職したのですが、その頃からずっといつか地元のために働きたいと思っていました。
でもそんな熱い志も、銀行員になって日々の業務に追われる中でだんだん心の奥深くに沈んでいきました。そんな3年前、社内で「新規事業創出プログラム」が始まって、社会課題を解決する取り組みならなんでもOK! ということで早速応募しました。僕にとって地元=水産業だったので、「水産業に関わるすべての人が安心して働ける世界を作りたい、そのために必要とされる新規事業を立ち上げたい」、という思いを書きました。すると応募総数600案件の中から書類審査で20案件の中に残れたんです! でも次のプレゼンで落ちてしまい、最終審査に進めませんでした。その時僕は、自分の思いを自分の言葉でちゃんと人に伝えられるようになりたいと強く思いました。そしたら審査員だった伊藤羊一さんが、新たにMVを立ち上げると聞いて、とにかく人前で自分の思いを言語化して伝える舞台をたくさん持ちたい! と思って入会しました。
実際に入会されてみていかがでしたか?
やりたいことが明確に言語化できると、人は急に走り始めるんだなって実感しました。描きたい未来が自分の手で作れるかもしれないという希望が生まれて毎日ワクワクしています。入会のきっかけとなったプレゼンも、MVの「NEXTを叫べ!」というピッチイベントで去年は6回登壇してブラッシュアップできました! 他にもMVからのご縁で「CHANGE by One Japan」というプログラムに入ってプレゼンしまくっていますし、1on1の面談で教えていただいた経済産業省の「始動プログラム」にも参加して学んでいます。あとはやっぱり、同じ目的を持って集まってくる仲間の存在がとても大きいですね。僕はコミュニティがあったからここまで続けてこられたと思っています。1人だったら絶対に折れていました。笑
MVの信念は「全力に、全力で、応える」ですが、畠山さんの「全力」は何ですか?
どんな立場の人であっても目の前の人に真っ直ぐに向きあって、僕がやれることは全部やらせてもらうことが僕の「全力」です。そのために相手の方が何に困っているのか、何を必要としているのかを的確に聞き出す僕の聞く力、そして相手を感じる感性も磨きたいと思っています。
今、具体的には何に全力で取り組んでいらっしゃいますか?
お悩みやお困りごとがあるところには必ずビジネスが生まれると思っているので、水産業の新規事業を立ち上げるために、僕のすべての経験を総動員して目の前の人に真っ直ぐに全力で向き合ってヒアリングを続けています。あと自分との対話ですね。MVでは仲間に自分がやりたいことを言語化して伝える機会が多いので、人に伝えられるようにもっと自分のことを理解して言語化できるように日々、ブラッシュアップしています。最近、そんな自分との対話の中で、実現の可能性があるかないかよりも、たとえ厳しい道だとしても、とにかく自分のやりたいことをやろう! と腹落ちしたので、これからもブレることなく全力で取り組んでいきたいと思っています。また、銀行の仕事でも部下たちには「営業はするな、お客様のお困りごとを聞いてきて欲しい」と伝えています。そしてそれを全力で解決するようにしています。じわじわと売り上げも上がり、部下たちもイキイキと仕事をしてくれています。
MVのキャッチコピーは「Guide to the NEXT」です。畠山さんのNEXTを教えてください。
やっぱり「水産業に関わる人が働きやすい世界」を作って地元に恩返しすることですね。まだ誰も気づいていない水産業の課題は絶対にある、それを必ず見つける!と決めています。会社の「新規事業創出プログラム」も今年で3回目ですが、グランプリを取るまでやり切ると決めています。
あとはサラリーマンを覚醒させたいですね。僕は長くサラリーマンをしていますが、今が一番充実しているし、若い人にも胸を張って未来は可能性に満ちているよ、と言えるようになりました。自分の進むべき道がはっきりわかると、皆、走り出したくなると思うんですよ。それを全てのサラリーマンに味わってもらいたいですね。僕は僕の活動を通して、未来は自分の手で作れる可能性に満ちていると伝えたいです。
若い人に「やりたいことは何?」と聞いてもわからないと応える人が多いです。そんな時僕は「やりたいことが今わからなくても、やりたいと思うことをやると決めよう」というところから話します。そういう対話を重ねながら目の前の人に全力で向き合い、会社のカルチャー、サラリーマンのカルチャーを変えていきたいと思っています。
ライター:森昭子
コーディネーター:宮本恵理子
畠山 哲平さん プロフィール
株式会社三菱UFJ銀行 上野支店 営業第二部 取引先第四課 課長
1980年、宮城県気仙沼に生まれ、マグロ漁師だった父の下に育つ。将来は気仙沼を元気にする仕事をしなければ!という使命感を抱き、早稲田大学政治経済学部政治学科に進学。卒業後、三菱UFJ銀行に入社。銀行員にどっぷり浸かっていた3年前、社内の「新規事業創出プログラム」が始まり,「地元への恩返し」を形にすべく、水産業をテーマに新たな価値を提供したいと考え、新規事業創出に取り組む。妻、高校3年(長女)、中学3年(長男)、小学6年(次女)の5人家族。