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「めちゃくちゃ」 ショートショート

割引あり

「めちゃくちゃ」

 「できたぁ❤」
こう、キショク悪い大声があがった。
薬学者でもある医師が、医薬試験室の隅で、嬉しそうに奇声をあげた。
ちょっと、怪しい感じの顔をした、ふやけた老人である。
それを聞き付けた、女看護師がすかさず寄ってきて、
「本当にできたんですかぁ?」
と、あからさまに疑ってた。
まだ若い、やり手の秘書みたいな顔をしかめてる。
「ほんまやて。頭っから、人を疑ごうたらアカンでぇ。君の、悪いクセやぁ❤」
「どうして、急に関西弁になるんですかっ!?」
「ワシぁな、若い頃に永いこと関西におったさかいなぁ、嬉しい時とか、ワクワクする時は、知らん間に関西弁になんねん。
それにやな、ワシの肌にもよぉおうとんねん。━━━見てみぃな、肌が艶々しとるやろっ?」
こう云う医師の肌は、本当に色艶がよかった。

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