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私は、売れる絵が描きたい。

先日参加した、「春の0号展」から、作品が返却されてきた。
今回は初めてのオーディエンス投票1位をいただいた。これまで2021年にこの展示を知ってから、コンスタントに参加するようになり、その間に自分の作風や活動形態も随分と変わった。その辺のことを振り返りたい。

2021年は、まだ作品をそんなに外に発表していなかった。正確には、2018年頃に一度、前の名前での活動を辞めてしまってから、占い師として再始動している時期だった。路上占いをして、そちらでありがたいことにお客様ができて、新しい出会いもあった。またきちんと絵を描いてみようかと思うようになった。

そんな中で見つけた0号展。自分の作品が、一体どのくらいのものなのか、どんな評価がもらえるのか、知りたかった。投票があり、感想を貰えるということに惹かれて申し込んだ。初めての時、作品は売れなかったが、たくさんの感想をもらった。嬉しくて何度も読んだ。その後、個展の中でその作品がすぐに売れた。


0号展初参加の作品「World」sold out

自分が自分の作品を好きであったり、自信を持つというのは当然なのだが、それはそれとして、自分の作品の商品価値や評価を知りたかった。自分の作品を世に販売する時、どの程度の需要があるのか、知りたかった。「人気」という、上手い下手とはまた違う尺度の話だ。

商売をする上で、私がいいと思うものと、誰かがいいと思うものが同じなのか、違うのか。これを知ることは大事なことだと思う。独りよがりにならないために、ある程度の冷静な視点は必要だ。


0号展出品作品「Lorelei」sold out


私は売れる絵が作りたい。自分に出来ることの中で、最大限にパフォーマンスを発揮する作品を作りたい。作品が出来上がって、それが人の目に触れて、誰かのところに渡っていく。そのおもしろさがたまらなく好きなのだ。

よく、「好きなことをして生きていきたい」という思想があるけれど、好きなことだけして、苦手なことや嫌なものは見ないままで、それで売れたいとかいうのは変な話なのだと思う。
お金の問題を見ないままで、お商売をすることは難しい。自分の経済状況や、かけるべき予算、あるいは実際の商品の価値など、目をそらしてはいけない部分がたくさんある。自分の作品を最適なかたちで届けるにはどうしたらいいのか、いつも考えている。それを考えるのが楽しいので、そこも含めて喜びなのだ。


0号展参加作品「零れる」

最近よく見るのは、自分に売り物が何もないのに、起業系のコンサルを受ける人。そういう人たちは、こぞって、そのコンサルで学んだことをそのまま売ろうとする。つまりコンサルの劣化コピーだ。そんなものがそうそう上手くいくわけもなく、大概は数ヶ月か1年も経てば、消えていく。
コンサルでなくても、何かの劣化コピーを売ろうとして、売れないでくすぶっている人をたくさん見かける。そういう人は大概、キラキラした素敵そうなものに惹かれて、吸い寄せられた蛾のようだ。

闇雲に、何かの劣化コピーをする前に、まずは自分の畑に何があるのか、自分自身というものを明らかにしていくしかないのだと思う。
例え、今の自分自身に何も持っていないとしても、それを潔く認める誠実さが必要だ。その誠実さの上にしか、真実の自分というのは立脚しないのだから。

自分には何もない。そうやって自分をしっかり見つめて絶望する時間があってもいいんじゃないだろうか。そういうものを見ないフリしたまま、ただテクニックを学んでも結局活かせないのだ。劣化コピーを売るためには、声を大きくしなければならず、結果、権威性だのファン化だの言い出す。

商売を始めるのにあたって、権威性とかファン化とかは必要ない。そもそもファン「化」とは何ともいやらしい表現だとさえ思う。
ある程度のクオリティを満たす商品があり、適正な価格を付けて、それをある程度の人に認知してもらえば、売れる。至ってシンプルだ。さきほどの要件を満たせば、最初の0→1はとても簡単だ。苦労している時点で、間違っているのだと思う。そもそもクオリティが未熟であるか、適正な価格になっていないか、認知されていないか、そのいずれか(あるいは全部)に当てはまるだろう。
信用は、販売し始めてから徐々に付いてくるものだ。それは、商品発送や接客の丁寧さなどで伝われば充分だ。そして、続けていく中で自分自身というものは自ずと伝わっていく。わざわざ自己アピールをしなくても。日々の発信やお客様との交流で、さりげなく伝わる程度で充分なのだ。仕事をきちんとして、誠実に対応することで、やがて好いてもらえたら、それがもしかしたら「ファン」なのかも知れない。そのくらいのものだろう。

これほど簡単なことなのに、それが出来ないで消えていく人が多い。それは、結局のところ、自分が何者であるのか、理解しないままで走ろうとするからだろう。そういう闇雲さで、初期を走り抜けることは出来るんだけど、結局どこかで自分と向き合って自分のことを明らかにしていかないと、行き詰まってしまう。

そういう学びを、お金をいただきながら学べるのだから、仕事や商売はおもしろい。もう少ししたら、自分なりの商売哲学みたいなものを書こうと思う。



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