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外に出ない日々

行った場所とか読んだ本についてとか食べた物とか外で起こったことについて書くことは割と簡単でまあそれは普通に日記を書くような感覚で起こった出来事→感じたこと・感想みたいな流れでいけば結構書けるのかもしれない。ただ問題は私はほとんどと言っていいほど外に出なくなったのだ。

ただ世界中を食い尽くしているコロナウイルスというものが社会のあり方をあっという間に変貌させてしまった中、私に残された生きる術みたいなものは割と全部家の中で完結してしまうものになった。海外旅行に行くこともなければ大学も全てオンラインで受けてクビになって転身した先のフリーランス なんてもちろん全てオンラインでの業務なわけで私が外に行く理由というものがなくなってしまった。むしろ外に行く用事とか理由みたいなものを作らないと全く外のでない生活というものが可能になってしまったのだ。

私は嫌だとか嘆きながらも結構バスとか電車の公共交通機関が好きで窓にあたる雨とか昼間の暖かいで日が差してくる感覚とか音楽と情景が重なる瞬間とか「外」からの動きで読んでいる本が静かに揺れ続ける感覚とかそんな小さな出来事がとても好きでそして幸せについて考える時間だった。

そんな時間が全てなくなって私は朝起きてから夜眠りにつくまで用事がない限りほとんどの時間を一人で(あるいはオンラインで)家の中で過ごしている。

人とも会わなくていいし自分のペースで仕事を進めて好きに読書して書いて過ごしているのはとても心地良いんだけど同時に私はもう外の世界で生きていけなくなってしまったのかもしれないと時々ふと怖くなる瞬間が一日に少なからず一回はある。元々人と過ごしたり(特に団体とかクラスとかグループ)が苦手な人間なのでこれはあまり良い影響ではないと思っている。でも同時に私は外の世界に飲み込まれていた「私」、外の世界に定義され続けていた「私」という存在を少しずつ剥がしていっているような気もしなくもない。もしかしたらこの状況をなんとかポジティブな方向に捉えようとしている私のもがきなのかもしれないけど。

そんなことを思いながら今日も一日家から出ないまま眠りにつきます。
(最近の南半球はめちゃくちゃ寒くて先週は風邪をひいて寝込んで毎日雨でまあ家にいたいよなこんな天気と寒さならって思い直している。まあいいよね。時間をかけて少しずつまた外に出れば)

mugiho


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