私の手から離れていく私の生活
自分の過去に起こった出来事や普段の生活に宿るエピソード等を物語、エッセイや文章として語ることに長らく抵抗があった。人は物事を理解し伝えるために長い間「物語」という形を取ってきた。ただ同時にそれらは語られることで現実とはまた違う道のりを歩き出す。誰かがストーリーを語った時点でそれはもう「私の」人生ではなくなりその物語を受け取る側のものとなる。それは個人的な出来事だけではなくて「普通」に見える生活も含めて私の生きている世界について描写しそれらについてなんらかの形で伝承できる姿形に