2020年にAIジャーナリング・アプリ『muute』をつくり、届けることの意味
はじめまして。12月1日にミッドナイト・ブレックファスト社から正式リリースした、「muute(ミュート)」というAIジャーナリング・アプリのプロダクトオーナーの岡橋です。
このnoteでは、muuteアプリに関する情報やmuuteチームのプロダクトに対する想い、わたしたちが見ている景色や大切にしている価値観などを皆さんと共有していきたいと思っています。
今回はその第一弾として、muuteの開発背景やプロダクトを通じて提供したい価値、そしてmuuteが掲げているミッションについて書きました。少し(かなり?)長くなってしまいましたが、ご一読いただけると嬉しいです。
1. muute(ミュート)とは?
muuteは、あなたの思考と感情を分析して、新しい自分を知るためのフィードバックをくれるAIジャーナリング・アプリです。
ジャーナリング =「書く瞑想」
「ジャーナリング」という言葉を初めて耳にする方も多いかと思うので、muuteのプロダクトの前に、まず簡単にその説明から。
ジャーナリングは、心のセルフケア / マインドフルネス手法のひとつで、頭に思い浮かんだことをありのままに書くことから「書く瞑想」とも言われています。感じていることや思っていることをとにかく書き出すことで気持ちが少し楽になったり、思考が整理されたり、自分をより良く知れる効果があると言われています。ジャーナリングを続けると心身の健康と自己肯定感の向上に繋がることも過去の研究結果から分かっています。
海外では、瞑想と並ぶマインドフルネス手法として広く取り入られていて、著名人だとミシェル・オバマ元大統領夫人やメーガン妃、エマ・ワトソンさんなどが習慣にしていることが知られています。
ジャーナリングとAIの分析&フィードバックを組み合わせたアプリ
ジャーナリング自体は紙とペンがあればできますが、muuteの特徴は、このジャーナリングとAIによる分析とフィードバックを組み合わせたことで、ただ書き出すだけでなく、自分が書いた内容を楽しく客観的に振り返ることができるところにあります。
ジャーナリングの機能も自由に書くことができる「フリージャーナリング」と、muuteからの質問に答えながら書ける「ガイドジャーナリング」の2つがあります。
ジャーナリング時の入力情報や投稿テキスト、時間や天気などの外部情報を統合的にmuuteのAIが分析し、さまざまフィードバックをお届けします。
書くことだけでも気持ちや思考が整理されますが、それに加えてAIからの俯瞰的かつ多面的なフィードバックがあることで、「自分では見えていなかった自分を知れる」ことがmuuteが提供する価値の一つだと考えています。
自分だけの静かで、優しいデジタル空間
muuteのもうひとつの特徴は、このアプリが誰にも見られない、自分だけのプライベート空間であるということです。
モヤモヤしたり、落ち込んだり、嬉しかったり、考えたり思っている色々なパーソナルなことを、誰の目も気にせずに書き出すことができる「自分だけの静かで、優しいデジタル空間」として設計しています。
SNSや人前では他人の目が気になって本音が言いづらい、という方にも安心して使っていただけますし、SNSは好きだけどオープンに発信するまでもない些細な出来事や気持ちを書き留めていく場所としても使っていただけます。
自分だけの静かで、優しいデジタル空間として、ひとりでもない、ソーシャルでもない、デジタル時代のジャーナリング・パートナーになることを目指しています。
(ユーザーの皆さまがより安心してmuuteを使っていただけるように、プライバシーロック機能を現在開発中です。ご要望を送っていただいた方々、ありがとうございました🙇♂️)
2. muuteをつくった理由
私たちはいまどんな時代を生きているのか?
muuteを開発する上で行ったインタビューやエスノグラフィーを通じて、多くの方々のお話を聞いてきました(ご協力いただいた皆さま、ありがとうございました)。その中でも、私たちが特に共感し、なんとかしたいなと思ったのが、「デジタルネイティブ」や「SNSネイティブ」と呼ばれる世代の方々との話のなかから見えてきたものでした。
インターネットやスマホが当たり前にあるなかで生まれ育ったこの世代の方々は、価値観の多様性が尊重され、生き方の自由度が高まっている時代を生きていると言われています。
こう学ぶべき、こう働くべき、こう生きるべき、という決まったレールが徐々になくなりつつあり、人生の選択肢が増えている一方で、これまで以上に一人ひとりの「個性」や「自分らしさ」が求められる時代でもあると言えるのではないでしょうか。
そしてその背景には、政治や経済、テクノロジーや環境など、どこをみても不確実性が高まっている現実があります。2020年にはいり、新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) のパンデミックがこの動きに拍車をかけ、先行きが不透明になるなか、この状況に最も影響を受けているのがこのデジタルネイティブ世代ということもわかってきました。
デジタルネイティブ世代との対話からみえてきた問題意識
不確実性が高まり、「個性」や「自分らしさ」が求められる時代を生きるデジタルネイティブ世代と対話を重ねていく中で、多くの方々が「自分らしく生きたいけど、自分について良くわからない」という問題意識(違和感とも言えるかもしれません)を持っていることが朧げながら見えてきました。そして、そのまわりには、いくつかのデジタル時代特有の問題があることもわかりました。
たとえば、SNS疲れという言葉があるように、常に他人と繋がりコミュニケーションをとることが当たり前な反面、無限スクロールをしながらどうしても自分と他人を比べていたり、他者の目を意識しすぎてしまい本音を言えないことがストレスになっている。
あるいは、SNSなどで複数アカウントを駆使してさまざまな「顔」を使いわけながらコミュニケーションすることに長けている一方で、本当の自分が見えにくくなっているのはないかという仮説がみえてきました。
これらの問題を解決したいという思いからmuuteの開発がスタートしました。
(デジタルネイティブ世代の方々との話がきっかけとなりmuuteの開発がスタートしましたが、ここで触れている問題意識は世代を問わず、デジタル時代を生きる多くの人が同様に感じているものであるとも考えています)
3. muuteがつくりたい社会
誰もが「自分らしさ」を受け入れられる社会
「『自分らしさ』を受け入れられる社会をつくる」をmuuteのミッションとして掲げています。
そして、自分らしさを受け入れるためにはまず、ありのままの自分と向き合い、知るところからスタートするのが良いのではないかと考えています。そのサポートをする手段としてmuuteを多くの方に届けたいと思っています。
4. 最後に
繋がりっぱなしの時代に、あえて繋がらない選択肢を
2020年の自分の生活をふりかえると、おうち時間が長引く中、家にいながらにして友人や家族といつでも簡単に話したり遊ぶことができるSNSやオンラインゲームなど、デジタル上で繋がれることのありがたさを強く感じた1年でした。
しかしその一方、常時接続状態から一歩離れた場所で、自分の興味を内に向け、自分にフィットした生き方、働き方、学び方を思索することの大切さが浮き彫りになった1年でもありました。
テクノロジーが社会や生活に選択肢を増やすためのツールなのだとすると、muuteは、あえて繋がらない選択肢のひとつとして、誰もが安心してありのままの自分で居られるデジタル空間と体験を提供していきたいと考えています。
muuteを心のセルフケアや自分を知るためだけでなく、日記として、考えを一旦置いておく場所として、ただモヤモヤを吐き出す、あるいは嬉しいことや感謝を書き留める場所として、それぞれのライフスタイルにあった形でいろんな使い方をしていただけると嬉しいです。
(とても)長くなりましたが、ここまで読んでいただきありがとうございました。
今後もこのnoteでは、muuteチームから発信を続けていきます。次の配信は2021年になると思いますが、いま考えている記事テーマはこんな感じ👇
・ 新機能の紹介と開発のバックストーリー
・ muuteが考える「人間的で優しいAI」
・ muuteチームのオススメのセルフケアコンテンツ(本、音楽、プロダクトなど)
この記事を楽しんでくれた方、あるいは今後の発信が楽しみという方がいれば是非このnoteをスキ&フォローいただけると嬉しいです。
それでは、また次回お会いしましょう 👋