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波乱万丈!ヨルダン起業ストーリー

こんにちは、そしていつも応援いただいている皆さまお久しぶりです。
ヨルダンにいる難民に仕事をつくる、オリーブウッドの食器ブランド「MUUT(ミュート)」代表の大橋希です。

前回の記事に引き続き、今回は起業後の経緯(事件!?)を記事にしました!
・ヨルダン渡航後に起こった出来事
・商品がカタチになるまでの紆余曲折
・「MUUT」に込めた想い

起業一年目に何をしていたのか洗いざらいお話しするので、お楽しみいただけると嬉しいです!

今までの経緯を、当時の心の声を表わした
のぞみのツイートとともにご紹介します。
ぜひ最後までご覧ください!

ここからは、『MUUT(ミュート)』ブログ担当のアース(本名横山)によるインタビュー形式でお届けします。



オリーブウッドの落とし穴

ーーー昨年のクラウドファンディングから、ついに商品化!中東ヨルダンでの起業はスムーズに進んだんでしょうか?

のぞみ:予想以上にトラブル三昧な毎日でした(笑)
大きくわけて、オリーブウッドの加工難民のひとの逃亡アラブ人の雇用の難しさなど、海外事業で経験するであろう困難をフルコースで味わった気分です。

まず最初に、現地で働くオリーブの木工職人が全然見つかりませんでした。

これだけオリーブが有名なのになぜだろう?と思っていたときに、オリーブウッドで事業をしていたアメリカ人からは、「オリーブは小さくて割れやすい木だから、これで商品をつくるのは辞めた方がいい」という一言。

実際にヨルダンには、オリーブウッドのブランドの前例はほとんどありませんでした。

ーーー初っ端から大きな壁…。でも今は綺麗に加工できていますね。どのように乗り越えたのでしょうか?

のぞみ:実際にやってみると、とても割れやすく、このままだと商品化が難しいと感じました。
うまくいったオリーブウッドでも、1日かけてお皿1枚が完成するスピード感で、生産体制にも大きな課題がありました。

私自身、木工の技術がないので、経験者を探し回り、試行錯誤していく中で最終的にパートナーになってくれたのが、救世主 ブルガルくんです。

ヨルダンでトップレベルの木工技術、ブルガルくん(右)

ーーー心強い助っ人の登場ですね!どうやって出会ったんでしょうか?

のぞみ:私の大学院のシリア人の友達NGOで働いていて、そこで知り合った木工職人でした。最初は、信頼関係がなかなか築けませんでしたが、何度も話し合ううちに、熱意が伝わったのか、力になってくれることに。

彼の協力もあり、オリーブの木の特性をとにかく調べて、割れないように加工できる方法を見つけることができ、今に至ります。(解決できて、本当に良かった……!)

難民メンバーの逃亡

ーーーさて、商品生産体制も整いメンバーの採用ですね!最初は2名を雇用したと伺いました。

のぞみ:はい。トレーニングを始めたのは、2021年の11月で、最初に2人の難民女性を雇用しました。
ですが、トレーニングを終えた年明けの1月には、2人とも離職をしています。

ーーーどんなことが原因だったのでしょうか?

のぞみ:1人目は、トレーニング開始から4日目にメンバーと大喧嘩をして逃亡
もう一人の難民女性を贔屓しているのではないか、と感情的な口論になり、結果的にそのまま戻ってきませんでした。

気を取り直し、なんとかもう一人と商品トレーニングに励み、一通りの技術を身に着け、お皿の加工まではできるように!

「よし、ここからだ!」と思っていた矢先、収入面など今すぐ解決できない問題が重なり、最終的にお別れすることになってしまいました。

当時のことを思い返すと、
商品のクオリティを追求しすぎてしまい、大きなプレッシャーをかけてしまっていたのではないかと反省しています…。

働きづらく、続けるひとが生まれない事業だと意味がない。
楽しく働ける環境をつくろう、と思い、舵を切り直しました。

当初予定していたお皿やボウルから、ヘラやカットボードなど、比較的加工が簡単で、素材そのものを活かせる商品ラインナップに。

商品が完成するまでの間も、機械の使い方をレクチャーしてくれるはずのオジさんに機械を壊されたり、修理業者が見つからず、何週間も故障したままだったりとトラブルは続きましたが、新たな難民メンバーを雇用し、2022年の夏、商品を販売できるまでになりました!

相棒である木工パートナーがイタリアへ

ーーー生産体制も整い、やっとひと段落!となったのでしょうか……?

のぞみ:ひと段落はなかなか出来ず(笑)、実はつい最近、ずっと二人三脚でやってきた、シリア難民であり木工職人である、ブルガルくんがイタリアに旅立っていきました。

※第3国定住とは…
難民キャンプ等で一時的な庇護を受けた難民を当初庇護を求めた国から、新たに受入れに、合意した第三国に移動させ、長期的な滞在権利を与えること。

外務省事業概要より

第3国定住というプログラムで、ヨルダンを離れることになり、突然の出来事で当初は呆然としてしまいましたが、彼の人生にとっては素晴らしい一歩

ヨルダン最終日の夜まで工房に残り、引継ぎをしてくれた彼には感謝の気持ちでいっぱいです。
今は、パートナーがいなくなったことで、さらに身が引き締まる思いで、事業に取り組んでいます。(目指せヨルダンNo1の工房へ!)

ついに日本で販売へ

今ではこんなに商品がつくれるようになりました!

ーーー色んなことを乗り越え、ついに日本での販売ですね。

のぞみ:商品の生産体制も整い、難民メンバー2人だけでも商品が毎日生産できるようになりました。

工房を見つけ、難民を雇い、商品を販売できるまで辿りつけたのも、日頃より応援してくださった皆さま、そして前回支援いただいた方々がいてくださったからこそです。心より感謝申し上げます。

生まれたばかりの、私たち『MUUT(ミュート)』ですが、ヨルダンから心を込めて、オリーブウッドの食器をつくり上げてまいります。

この機会に、ぜひお手にとっていただけると嬉しいです。


新商品「さばくの国のオリーブつみき」先行販売中!

日本での販売開始から約1年。

皆さまからの温かい応援に支えられ、新商品が誕生しました!
2023年9月末までの期間、新商品「Piece of Olive〜さばくの国のオリーブつみき〜」をクラウドファンディングにて先行販売しております。

オリーブ食器をつくる際、どうしても余ってしまう木片を活用できないかという想いから生まれた、こども向けのつみき。

「平和の象徴」として、国連の旗などさまざまなモチーフとして世界中から愛されているオリーブの花言葉は、「知恵」や「勝利」という意味があります。

自然由来のコーティングでなめらかな手触りとなりますので、安心してお楽しみいただけます。

大切なお子さまのおもちゃや、プレゼントとしてぜひ一度ご覧いただけると嬉しいです!

▼「Piece of Olive〜さばくの国のオリーブつみき〜」詳しくはこちら
https://camp-fire.jp/projects/view/694571


▼「MUUT」オンラインショップ
手に取っていただく方にご満足いただけるよう、一つ一つ丁寧に制作しています。是非ご覧ください🌿✨


▼株式会社qaraqとは

2021年コロナ禍をきっかけに、代表大橋がヨルダンに渡航。生きるために国から逃れた、何万人といる難民に雇用を生むため、起業を決意。現地で大量に余っているオリーブの木で木製食器をつくるブランド「MUUT」を立ち上げ中。

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- 商品や工房の様子をご紹介
https://www.instagram.com/muut_japan/

▼ヨルダン在住!代表大橋 Twitter
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