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心乱れた先週の私。今さら言うな(-"-)

最近のお出かけと言えば 法事 となりつつある私たち夫婦は、先週も親戚の一周忌へ。葬祭ホールへ向かう車を運転していた夫が、一軒の家の前を通り過ぎた時、さらりと言った。

「こういうコンパクトな家もいいよなあ。子どもが出て行って二人になるのはわかってたのになあ。昔人間だから和室に床の間があった方が落ち着くかと思ったけど、結局物置になってるし。ははは。」

笑うな!

注文住宅で家を建てた25年前、夫は「家なんか住めればいい」と言うから、私は間取りとかインテリアを考えるのが好きだったのもあって、いろいろな案を出した。

例えば玄関は、上がり框を10cmほどの高さにした。まったくのフラットにするのは夫には刺激が強すぎるし、掃除も困りそうだったので、当時人気が出てきていた低めの玄関に。夫は大工の頭領と二人で「これでいいのかなあ。」としげしげと眺めていたっけ。

夏涼しく、冬暖かいエアサイクルシステムなどの工法もいろいろ調べて提案したが、「寒かったらファンヒーター点ければいいし、暑かったらエアコン点ければいい。」と全く話にならなかった。

どれもそんなに奇抜な案だったとは思わないけど、当時のこの地方都市の郊外では確かに珍しかったかもしれない。私が提案しても、「そんな家は見たことない」の一点張りで話が進まないので、なんとか夫の要望と私の希望を入れ、思ったよりいい感じに落ち着かせることができた。

からの、「僕が家を建てるんだったらああいう家は建てない。」の一撃。

私は住宅関連の仕事をすることもあり、モデルハウスや工事現場を見学したり、設計士さんと話をする機会も多い。この25年ほどの間に工法、設備、デザインなどはすさまじく進化し、羨ましすぎて仕事をしたくなくなるぐらいだ。

法事へ向かう車から見えた家は、箱型のシンプルだけどお洒落な平屋で、25年前、夫が一番嫌がっていたタイプだ。私の憧れは「コの字の平屋」だったので、当時ちょっと言ってみたけど、理解できなかったみたい。それに、お金を出すのは夫だから、平屋のコストを考えると強くは言えなかった。

しかし、家なんか住めればよかったんじゃないの?
今更「こういうコンパクトな家もいいよな~」とか言うなよ!
「僕が家を建てるんだったらああいう家は建てない。」と言ったけど、
じゃあ、どんな家を考えてたんだ?たぶん何も考えていなかっただろう。
シンプルでコンパクトな間取りを提案しても、まったく乗り気にならなかったしね。

宇宙から来た夫は、たぶん25年かけて世の中を見て、地球の、日本のスタンダードを知ったのだ、と思うことにしよう。
そうでも考えないと、25年前の夜が悔しすぎる。

「昔人間だから」と最後の「ははは」には自嘲気味な夫の心理が見て取れたので、10000歩譲って許すことにした。

女性でも家づくりにあまり興味のない人はここまで思わないかもしれない。
ご主人の方が家づくりに興味があり、センスが良くて、奥さんともセンスぴったり~という夫婦がテレビに時々出てきて羨ましいけど、現実はこんなもんだな。

「だから家を建てる時に私が言ったでしょ!!そんな家は見たことないとか言ったのはどこのどなたでしょうかねえ。」
なんてことは私は言わない。言えば宇宙人と同じレベルになるので。

それに、昔の嫌なことは忘れたいんだけど、夫の言動が極端すぎるので、いやでも思い出されてしまうんだ( ;∀;)

住宅メーカー、工務店の皆さんも、施主様の対応は大変かと思いますが、施工費の実権を握ってる人を怒らせない程度に、家のデザインを真剣に考えている人の味方になってあげてね。20年先、30年先の住み心地を考えると、家のデザインを考えている人の言うことが優先だと思うから。

そしてウチの夫のようにお金は出すけど家づくりはわからない人の場合、妻には従わないけど、「プロのアドバイス」には素直に従う(私見)。

夫婦の価値観が合っていれば、家づくりは楽しいイベントなんだけどね。


<僕が家を建てるんだったらああいう家は建てない。のお話はこちら⇩>



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