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本州最南端「潮岬」で日の入りの瞬間の感情を観察する

夏休みと冬休みの長期休暇、私は毎回旦那さんと最低1泊2日のドライブ旅行にでかける。

半年前の夏休みの旅もよければ。
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今年は要介護の老犬おりーの新入り元気爆弾犬おりーので宿泊はあきらめて弾丸日帰りドライブに切り替え行ってきた。旅そのものはあきらめない。

向かう先は和歌山の潮岬
本州最南端の地
まずはGoogleマップ


大阪から最短ルートで片道224km…
ま、、まあまあの距離やな…
そして"日帰り"の距離なのかな…


なんか若干不安というか、モヤっとした感覚を感じはしたが、旦那さんもその気になってるしまあいいや。私は助手席やし(最低)

しかし新年ずっと天気が良い。寝て過ごした元日と2日は知らんけど。家の中は寒いが外はポカポカあったかい。そして本日も絶好のドライブ日和。
ということで出発。

和歌山県の最南端。本州最南端。
というものの、この近辺にはこれといって特別な何かスポットがあるわけではない。テーマパークだのといったものも特にない。平たく言って別になんもない。←?

ではなぜわざわざこの場所を選んだのかと言うと、私が各地の「端っこ」とか「先端」とかが好きだからだ。

わかってる…。

変人疑惑があることは薄々気づいている。変わってるのかもしれないが、でもこれも自分の興味や好みなのだから仕方ないと受け入れている。

そして今回私にはもうひとつ目的があった。その目的とは本州最南端の地で水平線に沈む夕日を見ること。朝日ではなく。
別に近場の大阪湾あたりのどこか端っこで見りゃあええやんていう話かもしれないが、どうせなら知らない土地の、わけわからんくらい端っこで見てみたかった。

さらに薄い期待としてグリーンフラッシュを見られたら・・とも思っていた。
グリーンフラッシュとは太陽が水平線や地平線に完全に沈むその瞬間に、一瞬緑色に煌めいて見える現象なのらしい。
まあこれはその日の空気の綺麗さや雲があるとかないとかいくつか条件があるようなので、ほんのオマケ程度の期待。

そして海沿い行くなら美味しいお刺身も食べたかった。(唐突)

うますぎて泣いた



釜揚げしらすは最後にご飯にのせて丼に。
絶品。そして満腹。


お昼ご飯を堪能したり、お土産買ったり自分用のミカン買ったり、そうこうしてるうちいい感じに日が暮れてきた。冬は日が傾き始めるのが本当に早い。

もうあんまりうかうか寄り道はできん


最南端に車で移動中、ふとある思いにかられた。

日が沈むその瞬間いったい何を思うのだろう

わけわからんほどの端っこであるその地で日が沈むその瞬間、自分はいったい何を思いどんなことを感じるのだろう。
そんな思いにかられたのだ。

変かな・・・
やっぱ変人なのかな・・・
まあいっか

日の入り時刻の40分前、岬の手前にある灯台に寄った。まだ時間にも余裕があったしせっかくなので灯台にのぼることにする

入場?に300円かかった


細長い灯台内の螺旋階段をくるくるタカタカどんどこのぼっていく。68段あるって書いてある。

余裕ちゃう?

毎日の犬とのウォーキング効果か予想通り余裕でのぼって行けたが、でもだんだん怪しくなる。50段目あたりからもういよいよ怪しい。そして最後の最後にある急階段、、というか急すぎる階段、、というかもうほぼハシゴやん…でついに息切れした。
呼吸するのに口と鼻の穴だけでは足りなさすぎてあやうく溺れかけた。

そして狭い灯台内の狭い出入り口から分厚いダウンの身体をボハっと出す。

ボハっと出した瞬間


下にいる時からは考えられないくらい風が強くて、というかもはや強風で驚きだったが、そんな驚きも絶景にかき消される。

息を呑む光景
先ほどの息切れで呑んだのではない


本当はくるっと一周したかったが右も左も他の観光客がいた為、それは諦めて何枚か写真だけ撮りさっさと下りる。下にもビューポイントはあるのでそこに向かう。

海面に一直線にのびる夕日と船のコラボ


トップガン・マーヴェリックなテイスト。
直線上に船が来るまで少々粘って撮った。今回撮った写真でイチバン好きな写真。お気に入り。

そうこうしてるうちに日の入り時刻が迫ってきたので最南端スポットに向かう。
灯台から車ですぐの場所にある。

碑の向こう側に見えている柵の所で日の入りカウントダウンすることにした。

いつまでもずっと眺めていられる光景


いくら暖かい新年とはいえさすがにこの季節のこの時間帯の海っぺりはバカ寒い。強い海風でスマホ構える手がどんどん冷えていく。つま先ももはや感覚なし。でも負けない。

そしてその瞬間はやってきた。



光らんなあ・・(すべらんなぁ風)
いや、そうじゃなくて
日が沈む瞬間に自分は何を思うのかだった。

その瞬間何を思うのか、どんなこと考えるのか、ぼんやりと観察していたら自分自身から出てきた思いというのは

ありがとうだった。

この場所を
この機会を
この瞬間を

体験させてくれてありがとう
だった。

別にええかっこしてるわけでもなんでもなくて
ただただ湧き上がってきた思い、感情だった。

たぶんこのカードの世界観がぴったり


そんな己の内から湧き上がってくるものに、否定も肯定もしないでただ眺めていた。

"感謝はするものではなく湧き上がるもの"

っていつかどこかで聞いたことあるけれど、たぶんこういうことなんだろうな、、なんてことも思ったり。

日は沈んでもオレンジが残る


ありがたいけどちょっと淋しくて悲しい
そしてなんだかせつない
そんな複雑な感情にかられた夕焼けの中で唐突に思い出す。

そういや日帰りなのだった

メランコリックでおセンチしてる場合じゃない。帰らなければ。(令和におセンチってワードはきっとすべってるはず)


オレンジの空がどんどん深くなってきた17時19分、本州最南端の地、潮岬をあとにして、最短ルートで224km先の自宅へと私たち夫婦は車を走らせた。






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