音楽と過去の記憶とのリンクで悶絶した話
久しぶりにBackstreet Boysを聴いた。
ドライブ中。車の中だった。
音楽を聴いた時、過去の記憶が蘇ることがある。その曲を聴いていた当時の記憶や感覚。
曲と記憶の濃密なリンク。
人、物、動物、場所・・
味、匂い、空気感、肌感覚・・
好き、嫌い、苦しい、痛いなどの感情・・
そういったものがその瞬間、時空を超えてぶわっと蘇ってきたりする。
ドライブ中の車の中でその時私に蘇ってきた記憶とは、傷心と疲弊だ。
暗い・・。
約1年前。
私はInstagramの更新に力を入れていた。ほぼ一日がかりで投稿内容を作成し、それを毎日投稿してた。はじめはずっと普通の投稿だったがある時からリール投稿に変更した。動画投稿だ。
出かける先々で食べ物やら風景やらちょこちょこと動画を撮り、撮り集めたバラバラの短い動画たちを組み合わせ、そこに自分の言葉を入れ込んでひとつの動画を作るという、そんな作業を合間合間に一日かけてやっていた。
その際に、リールのBGMとして使用していたのが昔から好きなBackstreet Boysの曲だったのだ。こだわりの強い私は流行りの曲やバズりやすいと言われている曲は決して使わず、自分が好きな曲を使うということを徹底していた。
芸術家ちゅうものは元来ヘンクツなもんなのだ
と、己のヘンクツさを芸術家という聞こえの良い言葉でカバーして・・。
いいように言ってるが、ただの変人なのかもしれないということは自分でも薄々気づいている。
自分の【好き】にこだわり使用していたBackstreet Boysの曲なのに、蘇るものがなぜ傷心と疲弊なのかというとそれは毎日の頑張りが報われなかったから。
来る日も来る日も動画編集に明け暮れ、そして投稿。わずか15秒程度の動画に一日がかり。私はいったい何をやってるんやろう・・という思いにかられながら。
けれどそんな頑張りに反して思うような数字や結果は得られない。ぜんぜん得られない。そんな日々。
周囲を見渡す
あの人もこの人も再生数やいいねの数がすごいのになんで私はさっぱりダメなのか。他人と比べては自分のダメさ加減を思い知る日々。
動画編集という作業そのものもしんどかったが、他人と比べて心がガリガリ削れる方がよほどしんどかった。
セルフイメージをとことん下げた。あまりに下げすぎて、あまりにガリガリ削れすぎて、痛くて痛くて血吐くんちゃうかと思ったほど。
一滴も吐かなかったが・・。
昔から身体はとても丈夫なのだった。
そんなわけで
久しぶりに聴いたBackstreet Boys。曲が流れたその瞬間に当時の感情、感覚が蘇り、あふれだし、私にまとわりついた。心臓のあたりをガリガリ削り取られるようなあの感覚さえもがよみがえってきて、物理的な痛みさえ感じた。
あまりにも痛くてあやうく涙が出そうになったがすんでのところで耐えた。隣には旦那さんがいるのだ。突然泣くわけにはいくまい。
50手前の女が車で走行中に助手席で突然泣き出すなどホラーでしかない。
ドライブ中とはいえ帰り道で、どっぷり日が暮れていたので危うくホラーナイトになるところ。
良く耐えた!頑張った!私。
だけど・・・
私は今その過去からは過ぎた場所からバックスの曲を聴いている。その瞬間のリンクによる心の疼きはあるものの、確かに過去のものになった。
疼きながらも違う場所からあの時の自分を眺めることができているのだからなんだかんだ言って私も少し成長できたのかな・・・。
そんなホラーナイトだった。
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