見出し画像

ワーケーションをやってみた。

 昨年8月、L2で書き留めた、1年以内に叶えたいWISHのうちのひとつは「2週間のサマーリゾートに行く」でした。ドイツやフランスでは長期のバカンスを取るとよく聞きます。おととしの夏、新婚旅行で訪れたクロアチア・フヴァル島でバカンス中のご家族を多く目にして、憧れたことがきっかけでした。写真は、フヴァル島のとあるビーチ。小さな入江がいくつもあり、それぞれの入江でそれぞれのグループが楽しんでいました。

画像1

 とはいえ、私はフリーランスですが夫は会社員。WISHをノートに書き込んだ昨年の8月ごろは、2週間も会社を休んでほしいとは言いにくい状況ではありました。しかし、今年度に入ってビッグチャンス到来!それは、リモートワークの普及でした。夫の会社も早い段階からリモートワークへと移行し、毎日二人でリビングの長いテーブルを使って仕事をすることが日常となりました。

 4月には「越境ラボ」でワーケーションが取り上げられ、夫と一緒に参加しました。これを機にワーケーションもやってみたい!という思いも高まり、昨年8月のWISHと合わせて叶えてしまおう!ということで、夫婦で2週間、沖縄でのワーケーションをやってみることにしたのでした。

1. コンドミニアムの条件

 本当は時差の少ないオーストラリアあたりで、日本の冬の時期(つまりオーストラリアでは夏)にワーケーションをしてみたかったのですが、このご時世なので、海外に出かけることができません。国内でも、小さなリゾートアイランドでは関東からの訪問は嫌がられそうなので、沖縄本島に絞って探しました。そして、2週間あるので、1週間ずつ宿を変えてみることにしてみました。

 ある程度長期間のワーケーションをするためにお宿に求める条件は、キッチン無料駐車場Wi-Fiがついており、二人が同時に仕事をすることが可能なテーブルがあること。そしてできれば洗濯機も室内にあると嬉しい。いわゆるコンドミニアム・タイプのお宿です。そして私なりのこだわり条件は、窓から海が見えること!1軒目はオーシャンビュー、2軒目はハーバービューに決定しました。

 1軒目の室内はこちら。自宅が深い茶色ベースなので、白いお部屋を選んでみました。

画像2

 そして1軒目のベランダからの眺めはこちら(夕景)!瀬底島、水納島、伊江島を臨む美しい眺めでした。奥に見えているのは、橋で渡れる瀬底島です。

画像4

 2軒目の室内はこちら。撮影者の後ろ側に仕事や食事のためのテーブルがあり、1軒目より広い作りです。ソファとローテーブルもあり、仕事をする場所とは別の空間でくつろげたのも良かったです。

画像3

 2軒目のベランダからの眺めはこちら。到着日に偶然、この港に花火が上がりました。5分弱でしたが、この時期だからこそ、ベランダから花火を見られた喜びはひとしおでした。

画像5

 2軒ともに、冷蔵庫、電子レンジ、IHコンロ(2口)、炊飯器、電気ポット完備。包丁・キッチン鋏・菜箸・おたま、各種カトラリー(お箸・スプーン・フォーク・ナイフなど)、グラスやお皿各種も備え付けられており、自炊には申し分ありませんでした。洗剤やスポンジは付いていましたが、調味料はついていないので、持ち込むか現地調達です。また、台拭きと食器を拭くクロスも買いました。強いて言えば、1軒目はお皿の数と種類が少なかったので、作るものと量を工夫しながら調理する必要がありました。

 写真は、現地で買い揃えた調味料たち。これに液体だしを追加購入して自炊しました。買うモノを少なく済ませるポイントは「兼ねる」こと。料理酒は泡盛で代用して、晩酌と「兼ねる」。炒める油はオリーブオイルにすることで、ドレッシングと「兼ねる」。オリーブオイルは中瓶を追加購入してちょうど使い切るくらいでした。他も全て使い切り、自宅への持ち帰りは塩・胡椒のみ。

画像7

 また2軒とも室内に洗濯機があり、洗剤もついていたのでいつでも洗濯ができて楽でした。特にビーチに行くとすぐに洗濯したいですもんね。お風呂場にはシャンプー、コンディショナー、ボディソープなどもついていました。

 それから、肝心のWi-Fiですが、1軒目は少し弱め。私はあまり気になりませんでしたが、夫は気になったようで、テザリングでインターネットに繋いでいました。2軒目のWi-FiはSo Good!快適なノマド生活でした。

2. 仕事ははかどるのか?

 正直、自宅で何ヶ月も同じ部屋でリモートワークをしてきたので、仕事への支障はまったくありませんでした。ただ場所が変わっただけ、という感じです。配慮が必要なのは二人のZoomの時間帯が重なる時ですが、これは自宅でも同じこと。部屋とキッチン、部屋と洗面所などに分かれて、なるべく音が干渉しないようにお互いに配慮しあいながらやりました。これは会社員の夫も同じ感想を持ったようでした。

3. ワークとバケーションの境目は?

 夫は会社員なので、2週間のうち間の5日間、土日を含めて7日間の休暇を取りました。そういうわけで、「日 day」単位ではワークとバケーションがきっちり分かれていたのが今回のワーケーションでした。

 ですが「時間」の単位ではゆるやかにワークとバケーションの往還をしていたように思います。今回は眺めにこだわって宿選びをしたこともあり、仕事の合間に窓の外に目をやるだけでも非日常なのですが、ランチやディナーで外食に出かけたり少し近所をドライブしたりするだけで、いつもとは違う世界が広がっています。

 個人的には、地元のスーパーで食材などを買うという「日常」と「非日常」を兼ね備えたような時間が楽しかったです。海外旅行に行っても地元のスーパーを見て回るのは楽しいものですが、旅だとなかなかスーパーで食材を買うことがありません。ですが今回は、地元の食材を買ってみて、調理してみる、なんてこともやってみることができました。写真は、自分で作ってみたゴーヤチャンプルーとジューシーです。

画像6

 ちょうど沖縄の旧盆の時期で、どのスーパーにも「お中元」商品が山積みになっており、それを多くの人が買い求める姿を見て、沖縄の文化を感じました。旧盆に必要なフルーツセットや道具なども売られており、カーラジオや地元テレビで得た知識と合わせて「あの道具はこうやって使うのか〜」なんて夫婦で話をするのも非日常でした。

画像10

 ご当地チューハイに、沖縄のクラフト・ジン♪

画像11

4.フリーランス(私)の感想

 個人的に今後の課題と感じたのは、会社の休暇制度。今回、夫は2週間のうち5日間、休暇を取りました。つまり、雨が降ろうが台風だろうが、休む日が決まっているのです。沖縄の天気は変わりやすく、天気予報があまりあてになりません。雨が降ってきたら部屋で仕事をすればいいし、晴れたらすぐに海へ泳ぎに行きたいところなのですが、そこの融通が利かないのはちょっともったいない感じがしました。例えばこの写真を見ても、こちら側はきれいに晴れていますが、向こう側の小山の下に雨が降っているのが見えます。この後、少しだけこちら側にも雨が降りました。

画像9

 滞在中、台風8号・9号に遭遇しました。8号のときはちょうど「仕事の日」だったので部屋の中で仕事をしながらやり過ごせば良かったのですが、9号のときは「休暇の日」。1日は停電になってWi-Fiも使えなかったので、会社の仕事的には休暇で良かったのかもしれませんが、会社員がもう少しフレキシブルにワーケーションを楽しめるような制度になればいいのに、と思いました。日常でも、ちょっと役所に立ち寄りたいだけ、ちょっと銀行で手続きしたいだけ、なのに半休を取らなければならない、というばかばかしさを経験したことのある方もいらっしゃると思いますが、それに対応できる制度があれば、フレキシブルなワーケーションにも対応できると思います。

 また今回、夫の「休暇の日」は私もPCを開く時間を取りませんでした。結果として、PCを開けなかった期間の夢見がすごく悪かったです(笑)。それでわかったのは、私は毎日ちょっとでもPCで諸々の確認や作業をしたい・する必要があるんだ、ということ。

 普段から、平日も土日もあんまり関係ない生活を送っています。私にとって今、仕事とプライベートの境目はとても曖昧なんだということを再確認しました。それはワーカホリックという意味ではなく、私の仕事の概念が変化したということだと思います。事実、ワーカホリックというほど仕事をしているつもりもありません。

 仕事は「為事」とも書くようです。私の活動のすべては、為事(自分がなすべきこと)なのです。自分が為すべきことに、何かの境などない、という感覚なのかもしれません。今回、がっつりとした為事は持ち込んでいませんでしたが、日程調整や急な対応が必要な案件は、スマホだけではとてもやりにくく感じました。自分の心地よいやり方に気づけたので、次回以降はもう少し自分のペースを取り入れようと思いました。

5. 会社員(夫)の感想

 夫にもこのワーケーションの感想を聞いてみました。彼も仕事についてはまったく支障なくできた、とのこと。ですが、せっかく沖縄にいるんだから、バケーションにもっと集中したかった、という感想を持ったようです。沖縄は緊急事態宣言中だったので、観光施設もビーチもほとんどがクローズされていた、ということも影響しているかもしれません。私は今回、そんなに観光に意欲的ではなかったので、人が少なくて最高だな〜と思っていましたが...(笑)。次回以降、1週間程度なら仕事は持っていかない、と言っていました。それ、ワーケーションじゃなくて完全にバケーションじゃん(笑)!

 とはいえ、仕事→休暇→仕事、という具合に休暇をサンドイッチしたことで、ゆるく仕事モードと休暇モードの切り替えができたのではないかと思います。私の会社員時代を思い出すと、長期休暇明けの出勤日はものすごくしんどかった記憶があるので。

6. ワーケーションの向き・不向き

 2週間のワーケーションをやってみて、晴耕雨読、という言葉がいつも頭にありました。もう少しお天気次第の過ごし方がしたかった、と書きましたが、それでもわりと、そういう動き方をしていたように思います。

 旅の仕方として「旅のしおり」を作ってそれ通りに動きたい人と、ある程度行き当たりばったりで動きたい人がいると思います。私たち夫婦は完全に後者ですが、晴耕雨読なワーケーションは後者の方が合っていると思います。これは、MBTIで言うところの「J(判断型)かP(知覚型)か」ということで確認ができそうです。きっと私たち夫婦はPです。ちなみに私はおそらくENFPです。

7. 今後のワーケーションに向けて

 ワーケーションをしてみて、今の自分の働くスタイル、みたいなものはより明確になりました。ワーケーション中は、やっぱり海の見える家で暮らしたい、なんて妄想も抱きましたが、帰ってみればやっぱり自宅はめちゃくちゃ快適だな〜、という実感もあります。だって自宅は、自分たちの気に入るようにリノベーションしてもらっていますから。

画像9

 いつかは数ヶ月単位で「居着く」スタイルのワーケーションをしたいとも思いますが、しばらくは1週間単位でいろんな場所を試してみて、お気に入りの場所を見つけるためのワーケーション、なんていうのも良いのかもしれないなと思いました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?