17年ぶりのフジコヘミング
17年ぶりにフジコヘミングさんのピアノを聴きにいけた。
17年前もただ心が震えて、涙したことは記憶していた。けれど今回はもう最初の1音で涙が出てきた。1曲でも1楽章でも1フレーズでも1小節でもなく、本当にただ一つの音で泣けた。
言葉にするのがもったいないくらい心が共鳴した。そのやさしさとつよさに。
今、著名なピアニストと言われると辻井伸行さんが一番にあがるのかな。彼のピアノももちろん好き。ピュアで純粋で透明でやさしい音色。
フジコさんの音はまた異なる。いろんな悲しみを乗り越えてきたのではないかと想像させる、悲しみとか怒りとかそういうものがある前提で成り立っているような音。だからそんな自分でもいいんだ、頑張ってるよね、と言ってくれている感が私にはいい。
ただそんな音が私に寄り添ってくれる。
フジコさんのCDなどは昔からよく聴いている。だから正直、歳を重ねられてたこともあり、今回はタッチの強さやスピードという点ではこれまでとは異なるな、という印象ではあった。(そうは言ってももちろんプロですが)それでもそんな昔とは違う自分でもいいじゃん、と曝け出してくれていてそれがまたやさしく、つよい。
私は言葉を使っての対人支援業務ではあるけれど、言葉は一つの手段にしかすぎない。言葉のその奥にある、その人の存在、その人のやさしさ、つよさを感じられる救いはとてつもなく大きい。
単に技術に走るのでなく、そんな自分の生き方が反映する仕事を私もしていき、年齢を重ねることを強みにしていければ。40代半ばになりもう少し大人になろうと思う。
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