居場所を求めるということ〜ヤクザと家族
一年振り以上の映画鑑賞はヤクザと家族。綾野剛さん、舘ひろしさんはじめ、磯村勇斗さんなど若手の役者さん含めて素晴らしい演技の映画だった。
居場所を失った青年が居場所を求めてヤクザになり、ヤクザになったことで時代の流れの中で居場所を失う。そしてどのひとも自分の居場所を守るために必死に生きる。
ヤクザとは異なったとしても、居場所を求める人、孤独から逃れたいという人がどれほど世の中にいるだろう。孤独から逃れるためにわざと親に怒られるようなことをするから始まり、犯罪に走ったり。孤独が世の中から無くなれば多くの負の感情や行動がなくなるようにも思う。
そして人を孤独から救うのは人であり、孤独に陥れるのもまた人である。
世の中は矛盾に満ちている。矛盾に満ちた世界ではたとえ懸命に生きていたとしても、ほんの小さなボタンのかけ間違えが自分の人生を大きく変えることが、誰にだって起こりえる。そのかけ間違えを私たちは非難することができるのだろうか?私が正しくてあなたが間違っていると決めつけることができるのだろうか?
ただ幸せになりたかった。
ただ寂しかった。
というだけなのに。
誰だって懸命に生きているし、いろんなものを背負って生きている。それはすごいことだし、間違っていると簡単に決めつけられるものでもない。だからそんな目の前の人を、そのまま、まずは受け止め、認める。
私にはそんなことしかできないだろうけれど、仕事柄、大切にしたいことがなぜ大切なのか、改めて理解できた気がする。
不器用でも懸命に生きている人にやさしい世の中でありますように。
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