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「デタラメ」で「リアルじゃない(中世ヨーロッパじゃない)」が許される世界観作り

個人的に「コメディ」は「デタラメ」で「ブッ飛んだ」方向に突き抜けていた方が、より面白いと思っています。

(少年マンガ誌の「ギャグ漫画」など、大好きです。)

しかし、そんな「デタラメ」や「ナンセンス」が、万人に受け入れられるわけではありません。

中には真面目に時代考証して「時代とそぐわない」「キャラクターの立場的にあり得ない」と違和感を抱かれる方もいらっしゃるようです。

自分はコメディを読む際には「これはコメディだから」と、自分の頭の中の歴史知識を一旦「脇に置いておく」ことができるのですが…それができない・苦手な方も、いらっしゃるということなのでしょう。

(自分も「読む」際には簡単にできるのですが、「書く」際には「知識が邪魔をする」ことが時々あるので、分かる気はします。)

万人に受け入れられる小説など、そもそもあり得ないですし、それを求めるのは傲慢だとも思うのですが…

自分の小説を読んでくださる方々には、できる限り満足してもらいたいというのが、人情というものでしょう。

ならば、「ブッ飛んだ」コメディ小説を書く際に、読者に違和感を覚えさせず、満足してもらうには、どうしたら良いのか…?

熟考の末、導き出したひとつの答えが「この世界なら、デタラメでも仕方がない」と思ってもらえるような「世界観」に、初めから設定しておく、ということでした。

(「ひとつの答え」ではありますが、効果を検証できていないため、現時点ではあくまで「これならイケるのでは?」という「推測」に過ぎません。(この「答え」が「正解」だと確信できているわけではありません。))

一部読者の方が上記のような「違和感」を覚えるのは、物語世界が「中世ヨーロッパ」と「同じ」世界観だという「先入観」や「固定観念」があるからなのではないかと思います。

たとえ作者が「これはあくまで中世ヨーロッパ“”なゲーム世界」と思って書いていても、それが読者に伝わっているとは限りません。

(そもそもそんな昨今の“ゲーム世界”(のイメージ)が「見た目は中世ヨーロッパなのに、技術や衛生事情 etc…が近代並みに発達しているのはおかしい」など、そこからツッコまれてしまえば、それまでなのですが…。←そこは、もうどうにもなりませんよね…。)

ならば「伝わる」ように、ある程度の「説明」を物語に組み込んでおけば、ある程度の「違和感」は防げるのではないかと思ったのです。

具体的方法としては「読者にツッコまれる前に、先に自らツッコんでしまう」というものです。

地の文章でツッコむのも良いですし、キャラクターにツッコませるのも良いでしょう。

ただし、こういった「ツッコミ」も「しらけた目で見る」読者はいらっしゃると思います。

しかし、そこは感性の問題ですので、どうしようもありません(←ただし、ツッコミのスキル不足の場合には改善の余地があるかと…)。

それと、違和感の原因が「中世ヨーロッパがこんな世界のはずがない」ではなく、「中世ヨーロッパのリアルな時代考証を世界観設定に取り入れないなんて許せない」「ナンセンスで不条理な世界観が生理的に受け付けない」だった場合にも、どうしようもありません。

個人の好みの問題ですので、「好みの小説が他に見つかるといいですね」と、そっと見送るしかないでしょう。

小説の評価は、結局は読んだ人間の「好み」で決まるのです。

捨てる神あれば拾う神あり、拾う神あれば捨てる神ありです。個人の努力でどうにもならないこと(改善不可の外的要因)は、きっぱり割り切って諦めるしかないでしょう。作者はただ、作者に「できる限り」の努力を、精一杯やるのみです。

ちなみに自分の場合、世界観が「デタラメ」な理由として、「中学生女子と高校生男子の(幼馴染2人で)作った、いい加減でデタラメな自作ゲームの世界だから」という設定を盛り込んでいます。

これなら、設定が「中二病全開」の「オイシイ所どり」だったり、ストーリー展開が(ゲーム制作者の)「ご都合主義」で進んでいっても、「そりゃ、女子中学生と男子高校生が自分たちの欲望のおもむくままに作ったゲームじゃ、そうなるよね」と思ってもらえると思うのですが…どうでしょう。

それと、そもそも論なのですが…21世紀現在でも、ヨーロッパの方では一部、中世の古い街並みが残っていたりしますので、「風景は中世だけど、時代は現代」は、普通にアリなのではないかと、個人的には思っています。

(古い時代に新しいモノは無いけれど、新しい時代に古いモノは普通に残っているものですし。それと、ノイシュヴァンシュタイン城の例のように「中世の騎士の時代に憧れて、見た目は中世のお城っぽく造ったけど、中の設備や居住性は(その当時の)最新のもの」というパターンもありますし…(←水洗トイレや電話機(交換台を通して通話するタイプ)もあれば、食事を搬送するエレベーター(昇降機)もあったりと、結構ハイテクなのです)。)

それと、タグ研究をしていて気づいたテクニックなのですが…

「ご都合主義」や「ゆるふわ設定」など、内容が「ゆるい」ことを表すタグを、あらかじめ小説に付けていらっしゃる物書きさんが、結構いらっしゃいます。

作風をあらかじめ読者に知らせる手段として、なかなか使えるのではないかと思っています。

(↑「ゆるふわ」だけでなく、「ほのぼの」系や「スローライフ系」も混ざっていますが…アルファポリスさんのタグまとめです。)


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