33:シリアスからコメディーまでの振り幅があり過ぎ?
<前の記事→32:無名の作家ではジャンルの壁を超えられないと思うので…>
サイト開設当初に同時連載していた2作品「夢の降る島」と「花咲く夜に君の名を呼ぶ」。
かなり意図的に差別化を図っています。
同じファンタジーであっても、「夢の降る島」が無国籍にして多国籍なファンタジー(そして児童文学風)であるのに対し、「花咲く夜に君の名を呼ぶ」は和風ファンタジー(しかも古代日本風という珍しいジャンル)。
「夢の降る島」が三人称なのに対して、「花咲く夜に君の名を呼ぶ」は一人称。
「夢の降る島」がコメディ要素を含んでいるのに対し、「花咲く夜に君の名を呼ぶ」はコメディのほぼ無い“どシリアス”といった具合に…。
文章も、漢字の量や使っている単語の難易度からして違います。
これは前回の記事で書いた「小説のバリエーションを増やしたい」の一環です。
ただ、書いていて少し心配にもなりました。
それは…作品の雰囲気が違い過ぎて、1つの作品を気に入ってもらえたとしても「じゃあこっちの作品も読もう」と、別作品へ行ってはもらえないのではないか…ということです。
一応、コメディであろうがシリアスであろうが、ラノベ風であろうが純文学風であろうが、それぞれにとっての「おもしろさ」を追求しているつもりではあるのですが…。
作者としては、どの作品も可愛い“我が子”ですし、できるなら全ての作品を読んでもらいたいと思っています。
それに、バリエーションは変わっても結局は同じ作者が書いていますので、どの作品も根底に流れているものは同じだと思っています。
ただ…そんな作者のこだわりも、読者の“趣味”や“好み”を超えることはできないのかも知れない、とは思っています。
寂しいことですが、そこで「こういうものなのだから仕方ない」と諦めるわけではなく、「『この作者の作品なら今まで興味のなかったジャンルのものでも読んでみたい』と思わせるくらいの力を身につけたいな」と、野望のようなものを秘めていたりはするのですが。
ちなみに上で例に挙げた2作品、バリエーションはかなり違うのですが、結末はわりと似ています。
(ヒロインがラストでどうなっているか…。)
というか、実は相互補完的な関係になっていたりもしますし、さらに言うなら「同じ作者の作品だとちゃんと分かってもらえるように」とある仕掛け(リンク)を仕込んでいたりします。
(同じ神様が両方の作品に出てくるっていうだけのことですが…。)
<次の記事→34:1つの小説で複数のジャンルを描く>
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