見出し画像

読者の「生態」が分かるサイトがある(評価行動が少ないという現実、そして想像以上の「偏り」)

今回は、なかなか評価がつかなくて悩んでいるという作者の方に、特にご一読いただきたいのですが…

小説投稿サイトの中には、読者の「生態」(どれくらいの読者が、どれくらいの小説に評価・感想づけをしているのかetc…)が分かるものがあります。

具体的には「ツギクル」さんなのですが…

このサイトには「読者ランキング」なるものがあり、読者の「小説に評価をする」「応援する」「感想をつける」などの行動に応じてポイントが付き、それによって「読者」としての順位がつけられています。

これを見れば、何人くらいの読者がそういった「小説へのリアクション」をしているのかが分かりますし、どれくらいの数の小説にリアクションをしているのかも見えます。

(あくまで「行動の数値」が見えるだけで、「どの作品に星いくつを付けたのか」といった詳細は分かりません。)

その「数の少なさ」は、「作者」の方々にとっては、なかなかショッキングかと思います…。

何せ調査日の時点で「何も行動していない=0ポイント」でも読者ランキングは25位という(高過ぎますよね!?)状態になっていたのです…。

これだけ見ても、行動を起こす読者がどれだけ少ないのかが分かるかと思いますが…

「直近30日間」のデータで、小説に対し何らかのアクションを起こした読者の数は24人

「応援」された作品数は、とりあえず読者ランキング1位の方の数字を除いて(なぜ除外するのかは後述します)34作品

1位の方を除いた23人で割って平均を出すと、(少数第2位を)四捨五入して1人あたり1.5作品

「評価」がされた作品数は、同じく読者ランキング1位の方の数字を除いて、19作品

平均は同じく四捨五入して1人あたり0.8作品

「感想」が書かれた作品数は、なんと2作品(平均は四捨五入して0.1作品)。

もちろん、ユーザー数やサイトの規模などにより、数値は変わってくるかと思いますが…

このサイトさんの場合、総作品数7417(調査日の時点で)に対し、この数字です。

「リアクションしてくれる読者と出逢える確率」が、いかに低いか分かっていただけることと思います。

(評価や感想をもらうためには、作品の出来うんぬん以前に、まずこの「確率」がネックになってくるのです。)

そして、なぜ読者ランキング1位の方の数字を除いたのかという話ですが…

統計では「他の値から極端に大きく外れた値」を「外れ値」と呼びます。

これを入れるか入れないかで、平均値が大きく変わってしまうため、まずこれが「入れても良い数字なのかどうか?」が問題となるわけですが…

調査日時点での読者ランキング1位の方の数字は、応援数90、評価した作品数90、感想数0でした。

これだけで、リアクションした他の23人の合計を(感想数を除いて)軽く超えていますよね…?

上に載せた1人あたり平均値と比べても、差が歴然としています。

他の方々の数字を見ると、1人の読者が「応援した数」は最大でも9作品、「評価した数」は最大でも4作品でした。

(感想をつけた数は最大でも1作品です。)

可処分時間や読書スピードの個人差があったとしても、ここまで極端な差が出るものでしょうか…?

実はこのサイト、以前から「不自然な評価」が多々見られます。

もちろん、それらの評価とこの1位の方に関連があるのかどうかは分かりません。

ただ、総合的に考えて、とりあえず上ではこの方の数値を除外したものを出させていただきました。

除外しなかった場合も出しておくと、応援数が合計124作品(平均約5.2)。評価数が109(平均約4.5)。感想数は変わりません。

いずれにせよ、1人の評価が、他の評価者23人の合計評価作品数を4倍以上の差で上回ってしまうという事実は、なかなか考えさせられるのではないかと…。

1ヶ月間の評価数における、各評価者の占有率
(どのユーザーがどのくらいの割合で「評価」をつけているか)

それが真っ当な評価であったとしても、このたった1人の趣味嗜好が、目につく評価のほとんどを占めてしまっているかも知れない…ということなのですから…。

(つまり、このサイトの評価は(少なくともここ約1ヶ月の間は)このたった1人の方の「カラー」に染め上げられているということです。「不特定多数」の読者の意見が見えているかと思ったら大間違いということです。)

ちなみにこのサイトの評価をめぐる問題については、別記事にまとめています↓。

今回の記事と合わせてご覧いただくと、さらに興味深いかと思われます。

こういう「読者の行動が見えるページ」…評価の信頼性や不正監視にも役立ちますので、他の全ての小説投稿サイトにもあれば良いのになぁ…と思います。

万引き防止に「目を描いたポスター」が有効なように、「人の目が見ている」ということは一定の抑止効果につながると思われますので。

(ただ、こういうページがあっても、その存在自体に気づいていない方が多いかも知れないですが…。自分も気づいたのはつい最近でした…。)



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?