感想 スカル・ブレーカー 森 博嗣 ゼンが将軍の弟?。母なる方との会合。そして、大軍との戦い。今回も面白い。シリーズ第三作目。
知らないうちに夢中になっている。面白い。
シリーズ三作目。
今回はある領主の治める国に滞在する、そこでの不正、理不尽を目撃する。
そして、はじめての敗北。戦わずして負ける。
多数の犠牲者を出すより、負けたと認めたほうが良いこともある。
これをゼンが出来たのは、ゼンが武士ではなかったからだと思う。
今回は、一見無力と思えたヤナギとの出会いも良かった。
そこに強さの別次元を見たのだと思う。
出生の秘密、母との会合、大軍に包囲され突破するゼンたち。
最後はかなり盛り上がった。
楽しい、続きが気になる展開です。
今回も哲学的な思考が多い、ヤナギという話し相手を得たことも良かった。
これを身につけることで動きが遅くなる。闘いには不利なのだが、武具屋の哲学は傾聴に値する。
一見、無意味と思えるものにも、実は意味があるということをゼンは気づいたのだ。
理屈は否定すべきではない。しかし、理屈に支配され人の情を無視しては良くない。
それを、この問いは突き詰めている。
これも深い問答だった。
正義は見る角度によって変化すると、この問答は言っている。
しかし、それが行き過ぎた場合、誰かに害が生じた場合は、そこにはもう正義などありはしないのだ。
本書の楽しさは、こういう問答にあると思う。
2024 3 6
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