映画 パラサイト 半地下の家族 とにかく発想がすごい。貧富の差から来た悲劇。シェークスピアよりも好きかもしれない。
xxxウィルスの問題もあり、映画館が空いてるかと思ったら満席で席は前の方だった。若い人はほとんどいなかった。
とにかく、発想がすごかったよ。ネタばれでいくんで、そのつもりでおってください。
半地下に住んでいる貧乏な家族、上の人のWIFIが届かなくなったというので、必死に家中を探し回ってトイレで・・・受信できるとわかった。
このトイレ・・・、こうなのである。
とれだけ貧乏やねん!!。
上の人のWIFIを寄生しとるんです。
というか、このトイレ・・・女子使えないと思う。
この石は親友が、この岩石顔の父にくれたものである。終盤に活躍するのでよろしく。この大学生の親友ってのがいい奴で、留学するから無職の友に金持ちの家庭教師のバイトを紹介しようというのだ。
で、彼は・・・学歴詐称して面接に・・・
この美少女が生徒である。後に、彼が好きになり結婚したいと思う。彼女の方もソノ気に・・・。
さらに、この少女の弟の絵の先生を探していると聞くと、これも無職の妹を学歴詐称させ美術教師として・・・。さらに、策略でクビにした運転手の代わりに父を。完璧な家政婦もはめて母を・・・。
幸せ少しだけいただきます。
映画のポスターにあるのは、このことだ。
つまり、一家で詐欺して、富裕家族に寄生したのだ。主人公の彼は、ここの娘と結婚し、社長を義父と呼ぶとか、この大きな屋敷で暮らすとか妄想し始めるのだった。
WIFIと同じ構造にあることを思い出してください。
パラサイトです。他人の力でのし上がろうとしているのだ。
このお屋敷にも地下が・・・。
それは社長家族も存在を知らぬ地下なのである。
そこに元家政婦の夫が隠れ住んでいた。
そのことで彼の詐欺家族と喧嘩になり、最終的にあの岩でがつん・・・。元家政婦を殺害。夫を地下に監禁。
明らかに犯罪。
パーティの日、彼は地下に住む男を殺そうとするが、反対に殺されかかる彼。庭でケーキを運んでいた妹を男が刺す、次に家政婦の母を殺そうとした。
血まみれの娘に近寄る運転手の父。
社長は息子の心配ばかりして、死にかけの貧乏家族の娘をスルー。
「車のカギを貸せ・・・」
そこで父が何故か社長を殺して逃亡。さらに、そのまま誰も知らない地下室に戻り逃亡生活をする。
何じゃ、こりゃ!!
何で、社長を父が殺すねん。
わけわからん。
ラストは息子がいつの日か、出世してあの家を買い取り地下でひっそりと上の家族の冷蔵庫から「借り暮らしアリエッティ」みたいに食料をちょろまかして隠れて生きている父を迎えにいくと誓うのだった。
絶対無理。
理解できないのは、いくら娘が軽く扱われたからといって、社長を殺すのはどう?。人間は確かに平等ではあるが、それは形だけだと思う。家庭教師の命なんて社長からすると息子や家族のそれには変えられないのは当然なのだ。
だって、包丁を振り回す狂人が乱入してきたのだよ。
この状況で自分本位になることを責めるのは酷である。
地下鉄のような臭いがする・・・。
この父さんは、社長に陰口をたたかれた。あれは貧乏くさいという意味なのか。臭いというのがキーワードになっていのだが、それはどんなに経歴を詐称しても染みついたものだから仕方がなかった。
トイレの臭いが蔓延しているのだ。
社長家族と、彼らの家族は住む世界が違った。
この映画の教訓は、貧乏人は金持ちに近づきすぎるなということだ。
人は、誰でも自分にないものを持っている人に嫉妬する。その感情が蓄積していくと辛くなっていく。あの瞬間、父さんが社長を刺したのは、それなのかなと思った。死にかけた娘をスルーされたのはきっかけに過ぎない。
だから、みんな自分と同じ境遇の、levelの人間と付き合う。幼いころの友人と疎遠になるのは、そういうこともある。人間は嫉妬する生き物である。貧富の差は、ピケティに言われなくても、実際に存在していて、富者は貧乏人なんて眼中にないし、貧者も金持ちに関わるべきではない。家政婦などの仕事や運転手などの仕事をしていると、どうしてもソレを身近に感じてしまい。雇い主の豊かな生活に嫉妬してしまう。屈辱を味わうことになるのかもしれない。社長からしたら、雇い人であり、気にいらなければ解雇する取り換えのきく道具なのだ。
でも、人は道具じゃないし、俺の存在は特別だと皆、たぶん、全員が思っていて、だから自意識がめちゃぐちゃにされる。
妬み が 生まれる。 妬み が 溜まれ ば、 怒り と なっ て 爆発 する。
冷静に考えると経歴詐称の詐欺一家なのだ。社長は悪くない。
なのに嫉妬し、腹をたて、自分が詐欺をし社長家族をだまして幸せのおすそ分けをしてもらっていることも忘れて、死にかけている娘を無視されたからといって逆ギレし殺害するのは正しいのか?。
モチーフは、貧富の差。
わかるけど、わからない。何かそういう作品なんだ、コレ。
地下に隠れて生きるという選択も変だ。
それで何とかなるのかもしれないが、果たして、それは生きていると言えるのか?。
その地下室は、永遠の牢獄なのではないかと思ってしまう。そこには「孤独」しかなく。しばらく、元家政婦の死体とともに暮らしていたと言うが、よく発狂しなかったなと思う。
発想がすごい。
賞をとったのは当然だ。
お屋敷の地下に、家族も知らぬ地下室があり、そこにおっさんが住んでいたというのが凄いな。
2020 2/23
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