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感想 アイアムマイヒーロー!   鯨井 あめ 過去に戻るタイムリープものなのに、過去が変わっても未来はそのまま、でも、何かが変わるよ。

元々、タイムリークものは好きなのですが
本書は、予想以上に楽しかった。

こういう形式の話しは、過去にタイムリークし危機を脱して未来を救うパターンが多い
しかし、本書は違う。

過去は変わったはずなのに、未来は変わっていない。
その過去の記憶は当人だけの記憶で彼女 凛 には残っていなかった。
なのに、たぶん、人生は劇的に変化する。
そういう希望の物語なんです。

クズみたいな大学生の主人公 和也 かずなり
駅でホームに落ちた女性を救わなかった。
そこでタイムリーク
小6に戻る

通常、こういうのは過去の自分に戻るのだが
別人の中にいて、何故か 過去の自分や友達には 友人として認識される
当然、家はないので、そこで助けてくれるのが 凛 という学級委員長

過去にはなかった、カラス残酷殺害事件とか
ネズミ、狸、猫・・・・
動物が残酷に殺害されていく

そして、仲間たちの前に現れる謎の人物
何故か、みんな顔が認識できない

この謎を少年探偵団もどき・・・過去に戻った和也と、その時代の和也
そして、凛が追及するという話し。

マイゴという犬がやたらと存在感がある。

危険を顧みない探偵団もどきに先生が助言する
この言葉が良い。

自分のことは自分が一番大切にしないと



大学生の和也がダメなのは、こういう発想があるからだ。

どうして、と思う。まだ自分は本気を出してないだけで負けてはいない。から大丈夫。まだまだ、俺はこんなものじゃない。まだ、巻き返せる、まだ。


と気力はあるのに頑張らない。
自信過剰、自己評価高すぎ。
たいていの負け組は、このパターンが多い。そして、何もしない。
自分にできることを一つ一つやればいいのに、一発逆転を狙って欲張り大きなミスをして取り返せなくなる。

典型的なダメ人間だった。

過去に戻った和也が得た教訓
これいいです。

過去が変わらなくてよかった。変えるべきなのは、過去じゃなくて、現在の自分だって、気づけたから





2023 7 28


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