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化学って、面白いよ。

ノーベル賞の吉野彰さんが影響を受けた「ロウソクの化学」の子供向け解説本です

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わかりやすい、読みやすい、早く読める・・・
子供向けの「ロウソクの化学」
されど、あなどれない
重要なところは、きちんとおさえていた

前に、大人向けの「ロウソクの化学」を読んでいるんですよ
あれは読みにくい。ろうそくの作り方1つにしても理屈っぽくて、鯨を使うとか脂肪がどうたらとか
意味のない話しを延々と聞かされて、文系の私には苦痛なのでした
内容は、ファラデーが子供向けに話した6回の講義のまとめなので難解ではないのですが
なんせ、150年ほど前の人の話しだから、ちょっと・・・わかりにくい

そんな「ロウソクの化学」が、また、注目されている
ノーベル賞の吉野彰さんが4年生の時に先生に勧められ読み、理科好きになるきっかけになったという話しが出たからでした

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本書は、ろうそくを題材に、空気や水や火の化学の基礎を実験を通してわかりやすく解説する
つまり化学の入門書となります
大人用の文庫本に比べると、絵がたくさん使われていてわかりやすい内容になっています
とは言うものの、小学生だと少し厳しい気もします。もう少し絵を多用すべきだったのではないでしょうか?
中学生、高校生用。大人もOKというのが、私のイメージです

「ロウソクの化学」を読んだのは2年くらい前だったし、私は文系だし、正直に言うと読みにくくて
だから、断言はさけたいのですが、本書は大人用の大切な部分を、ほぼすべて網羅しているのではと思うのです。たぶん・・・。
私は、この本だけでも十分だと思いました
それくらい優秀な本。

小学生の兄と妹が、原出先生(ファラデーの駄洒落?)に、「ロウソクの化学」の内容を6日間で教わるという形式で物語は進行していく

例えば、こんな感じ・・・

「この 火 は、 空気 の 中 の 酸素 を 見つけ て いる のね」
「いつも 見 て い た ロウソク の 火 が、 そんな こと を し て い た なんて、 知ら なかっ た」
「空気 中 に 水蒸気 が ある のは 知っ てる ね。 空気 の 中 でも、 水素 と 酸素 は くっつい て いる ん だ」
「そっ か、 忘れ て い た けど、 空気 の 中 にも 気体 に なっ た 水 は ある ん だ よね」


実験をして、問題を検証していく形式で絵などを多用し「ロウソクの化学」の内容がわかりやすく解説されていきます。
会話形式なので読みやすいしわかりやすい。

実験についての著者の考え方に私も賛同します

「実際 に、 ファラデー も そこ で 得 た 知識 を 元 に、 いろいろ な 発見 を し て 世界 を 変え た と いっ ても いい ね。 実験 は、 世界 の 見 かた を 変える!」

  二つ の びん の ふた を あける と、 空気 と テスト ガス が 混じり 合う。
  すると、 透明 な 箱 の 中 の 気体 が 薄い 赤褐色 に なっ た。
 「わっ、 色 が 変わっ た!」
 「これ はね、 テスト ガス が 空気 中 の 酸素 と 結びつい て 赤褐色 に なる という 性質 を 利用 し た 実験 な ん だ。 ここ から わかる こと は、 空気 中 に 酸素 が ある という こと だ ね」
「空気 の 中 に ある 酸素 が ロウソク の 火 を 燃やし て い た のよね」
「でも、 わかっ て いる こと を たしかめ て どう する ん だ?」
「ここ から、 更 なる 実験 に 進む ん だ よ。 テスト ガス と 酸素 が くっつく のは わかっ た よね」 「実験 って、 まわりくどい こと も し ない と ダメ なのね」
「一つ 一つ、 段階 を 追っ て いく のも、 大事 な こと な ん だ よ」

詳しくは本書もしくは、大人用の本をお読みください
下手に説明すると、理科系の知識のなさが露見し恥をかくからやめます

今回、何故、子供用を購入したのか?
最後に、その話しをして終わります

友人に書店店主がいまして、こいつは、いい加減な奴でして、店でおすすめ本をコーナーを作って紹介しているのですが・・・
本人、読んでないのです
「おもしろいか?」と昔の友人に聞き「めっちゃ、おもろい」と答えると、翌週くらいには、その本がコーナーに入っていたりします。

そんないい加減な友達が、このノーベル賞の流れにのって
この子供用の「ロウソクの化学」を推薦しておりました
今回は大人用のすべてと、この子供用を熟読したとのこと
珍しいこともあるものです
「子供に、ええ本を読んで欲しいんや」と僕相手に力説し始めたんですよ、店で
コロンブスが、アメリカ大陸発見したやろ。未知なるものの発見は、感動なんよ。
人生が変化するくらいの出来事なんよ。この本を読んで、吉野先生みたく理科好きになって欲しいねん
と叫び始めた
いやいや、コロンブスはアメリカ大陸やなくて南米に到達したんですよとか
僕がツッコミを入れると「そんなゴミみたいな性格やから独り者なんや」と逆ギレされ
その後、この本の魅力を10分間にわたり解説されたのでした

普段、こんなに一生懸命にならない彼が「子供のために・・・」とか言い出すのは、何か店が赤字でやばいからかと思ったのですが、帰路、あることを思い出したのです
彼には一人娘がいて、確か、11歳か12歳でした
人間、子供ができると変わるものですね
あんなに本屋を継ぐのを嫌がっていた彼が、「子供のために、良い本を届けたい」とか歯を浮くようなセリフを言うなんて考えもしてなかったのでびっくりしました
子供ができるって、そういうことなのですね

彼の言う通り、この本は子供(中学生くらい)に読んでもらいたい本です
いい本でしたよ
理科って、不思議やなぁって思わせてくれる本でした
入門書としては悪くないですよ

2019  12/20

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