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感想 三河雑兵心得馬廻役仁義 あの窮地から助かり、真田の人質になり、そこから脱出。

本書シリーズの魅力は、戦さの臨場感。
今回は、それがない。
だから、小休止という感じでした。

花井生きてました。
茂兵衛たちとともに真田の人質になっていました。
地震で脱走したが、鉄砲頭には他の人がなっていて
茂兵衛は、家康の近習にされます

そこで北条との折衝に参加したり
家康の大阪入り
あの豊臣の軍門に下る名場面の前日
つまり、家康の宿舎に秀吉が現れる場面に護衛として遭遇します
そういう展開の流れです。

この言葉がいい。真田の家臣にならないかと真田幸村に誘われる。

それがしの周囲、二軒四方の仲間を裏切ることだけは悲しませることだけはしたくねぇんですわ。それが百姓上がりの武士の義だと思っておりまする


真田幸村に対し、自分の存念を語る茂兵衛
殿様のために死んだりはできないが、自分の部下や仲間のためなら死ねる
それが茂兵衛であると言っています。

本多忠勝や義理の弟たちとは違う独特の立ち位置が見てとれる。

一歩引けば、相手は一歩前に出てくる


これは武家の本質を表す言葉です。
農民は笑顔で一歩引けば相手も引いてくれるものと考えるが
武家は根本的に違う思想なのだ

背景にあるのは弱肉強食
弱気者は骨の髄まで貪り尽くされるのだ





2023 12 26



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