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感想 フォグ・ハイダ 森博嗣 仲間と一緒に戦うという形が面白い。それにしても上には上がいるものだ。シリーズ四作目。
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今回は仲間ができます。
峠で盗賊にあい、弱い方を斬りなんとか逃げる。
彼の斬った相手は死に、もう一人の強い剣豪の剣にゼンは惹かれる
男の名はキクラ。病の妻と旅をしていた。不治の病だ。
彼は、盗賊の女と、都で同門だった門弟という二つの敵を抱えていた。
ゼンは、キクラの問題に首を突っ込み、刺客と戦う。
今回は仲間とともに戦うという形になりました。
それにしても、ゼンよりも強い剣豪がいるとは・・・。
僧侶の言葉がいい。
「この世のあるものは、必ず無駄なものが混ざっている」
純粋なゼンに、僧侶はそう教える。
澄み切った空、よどみない水にも何かが混じっているものだ。しかし、それでも美しいと感じる。どんな生き方にさえ無駄がある。でも、それは意味がないわけではない。
この僧侶との問答は哲学の問答のように深い。
完全なものなどは成立しないし、それを追い求めるゼンに対する忠告なのだった。
完全主義者の近くにいるとしんどいことがある。
それは、この世界に完全なものなどありえないから、そんなものを求めているのは無理ゲーだから近くにいると疲れるのだと思う。
清らかな清水の中にも小さな木の葉が混じっていることもある。
だからと言って、それは清水ではないのかというと違う。
完全なものを求める、その姿勢がいけないのだと思う。
「なにも溶けていない水はない。なんの匂いもしない風もありません。それでも、それを綺麗な水といい、澄んだ空という」
この考え方は面白い。
2024 3 7
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