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感想 三河雑兵心得小牧長久手仁義 井原 忠政 小牧長久手の戦いまでを描く、新人の部下にやきもきさせられる。

真田昌幸親子の描き方が癖があり、とても力が入っているのがわかった。
たぶん、筆者は真田好きだと思います。

小牧長久手の戦いは、勇将森長可と茂兵衛たちの鉄砲隊の戦いを描いたものだが
最後に井伊の赤備えが出張ってきて、森は倒されてしまう

井伊の赤備えは、武田の旧臣が多く
森は、容赦なく武田を蹴散らした猛将
そこに何らかの因縁らしきものを感じた。

中入りという策を、羽柴勢はとるが
秀吉は、これを反対していたとか言われている
強引に、その策を主張した池田恒興らの意見を用いたが
それが敗因となったとされる説が多い

本書では、池田や森などの歴戦の猛将が、あっけなく死んだことが強調されている
徳川が強かったのではなく、たまたまのような書き方に感じた。

死ぬ気の一言が入っただけで、かくも盛り上がれる侍という人種を茂兵衛は奇異にも滑稽にも愛おしくも感じていた。


この言葉が気になる。

茂兵衛と、本多忠勝、義理の弟などの間で意見がかなり違うことが鮮明になる
羽柴と戦って勝てるわけがない、それが茂兵衛の本音だが
義がどうのと本田らは開戦を主張する
それに対して家康や家老の石川数正は非戦論
つまり茂兵衛と似た考えだった

元農民である茂兵衛と、国の責任者である殿様や家老が意見が近いというのが興味深い。





2023 12 24



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