湊かなえ『告白』『Nのために』『母性』『未来』をAudibleで聴いた感想
読書が苦手だ。
読む時間が取れないこと・読むと眠気が襲ってくるからだ。
そんな私でも本に触れることができたのがAudibleで耳読することだ。
湊かなえさんの作品を沢山聴いたので、感想をまとめてみる。
告白(朗読:橋本愛さん)
普段読書をしない私でも湊かなえと言えば『告白』が一番に思い浮かぶ。
聴いていて終始苦しかった。特に直樹のパートが苦しかったなぁ。
愛美が殺されてしまうまでの描写、それぞれの歯車が悪い方に動いていくのが、とても怖かった。
犯行動機はあまりにも身勝手で許せるものではなかった。
主な登場人物の感情は理解できなかった。できたらダメな気もするけど。
でも、修哉の父の再婚相手「(新聞を見て)えーこれって担任の先生のことじゃない?すごい!娘さん死んじゃったんだ!」と興奮しているように言ったことが引っ掛かった。
平和な日常生活を送っている人は、こういう事件に対して好奇心みたいな感情を抱くのだと思う。この好奇心のようなものに身に覚えがある。私もそうかもしれない。
隣の家が火事になった時、同級生が事故で亡くなった時。話のネタみたいにしていたことが蘇った。決して興奮したわけじゃないけど、こんなことめったにないから誰かに話したい!という気持ちだった。
聞き手に「もしかして楽しんでる?」て思われることのないように、べらべらと話すことはやめようと思った。
Nのために(朗読:榮倉奈々さん)
ずっとドラマを見たいと思っている作品。まず原作を読んでみた。
それぞれのNのために自分を犠牲にできることがすごいと思った。
究極の愛『罪の共有』なので、犠牲という雑な言い方は違うと思う。
けど凡人の私は「いくら愛といっても自分が犠牲になるなんて…」と中々共感しずらい内容だなと思った。
人は真実を知りたがる生き物だけど、罪の共有により、真実を隠すこともできる。それが美しいとも思えた。
将棋は先を読んで動かすもの。杉下希美も先を読んで行動していたのが繋がった。
杉下希美の過去の壮絶な経験から人に頼って生きていかないのだけど、もっと成瀬や安藤を頼ってほしかったな。下の名前で呼ばないのも、一線引いてるなと思った。
まだまだ理解できていない部分があるので、ぜひドラマを見て、理解を深めたいと思った。
母性(朗読:戸田恵梨香さん)
田所家にイライラする。これから読む方イライラ注意!笑
女 ≠ 母性 ≠ 無償の愛
体感だけど、ルミ子のように実の母に依存している女性は多いと思う。
私もどちらかと言えば依存気味だと思う。例えば、ウェディングドレスを決めてもらったり。試着の場に連れて行こうとは思わなかったけど、LINEで写真を送って見てもらった。もし当日ガッカリされたら嫌だなと思ったので。
私が着たいドレスとたまたま一致したから良かったけど、不一致だったら説得するのに手間取っただろうな…と思う。
こうやって母親の希望通りのルートを辿る女性って多いんじゃないかな。
私の友達もそんな話をしていたから(本人は自覚してなさそうだったけど。)
私は子供が欲しい、子育てをしたいと強く望んでいる。
一体どんな親になるだろう…。
未来(朗読:のんさん)
章子のもとに一通の手紙が届く。それは未来の自分からの手紙だった。
それに対して、未来の章子へ手紙を書くようにストーリーが進んでいく。
聴いて(読んで)良かったと思える作品だった。
あとがきに湊さんが伝えたい思いが綴られていた。
手を差し伸べる勇気になる作品だった。
まとめ
どれも共通しているのは
家族の話・両親の話(主に母親)
読んでいて辛くなるけど、登場人物の思っていること・自分にない感情を覗き見できて面白い。
個人的にのんさんの朗読が№1!登場人物によって声色を変えていて聴きやすかった!他3作の朗読は主演の俳優さんで豪華だなと思った。
感情が揺さぶられる湊かなえさんの作品に夢中になりました。
他の作品もまだまだ聴くつもりです♪
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?