見出し画像

夢『自分が誰だかわからなくなる』

 気がつくと私は土砂降りの雨の中、私の住むマンションの長い駐車場のど真ん中に立っていた。
今まだ何をしていたのかわからない。おそらく家から出て反対方向に歩いていたのだろう。
しかし、何のためなのかがわからない。あたりは真っ暗で近所の家の明かりも消えている。おそらく真夜中ではあるが、まずは時間を知りたい。私はポケットや鞄を探る。スマホが見当たらない。
ますます不安感が強まる。地面に激しく打ち付ける雨の音がうるさく、傘をさしていなかった私はどんどん濡れる。
(とりあえず家に帰ろう)
そう考えた私は家に向かって早歩きで進む。不安感はどんどん自分の中で大きくなっていくのを感じた。

やっと私の家が見えてきて、ほっと安心したとき、前方に茶色のロングコートを着た女が立っていた。身長は私と同じくらいか、土砂降りの中傘もささずに私の方に向かって真っ直ぐ進んでくるのである。
どんどん近づいてくる。
そしてついにすれ違った。その瞬間、
「おねえちゃん?」
私の背後から女が話しかけてきたのである。
私には2歳離れた妹がいる。確かに妹の声だ。さっきの不安感がすーっと消えていく。そうか、妹だったのか。そういえば顔も妹であったような気がしてきた。
「⚪︎⚪︎?」
私は妹の名前を呼び振り返った。そこには妹がいた。確かに妹だ。でも妹ではない。直感がそう言っている。妹の見た目はこうであったような気がするが、どこか偽物のようでもあったし、何より普段と服装が違いすぎる。
あれ、私の家どこだっけ。今何しにこっちに向かって歩いてたんだろう。目の前の女は誰だ?親しげに話しかけてくる。怖い。ここはどこなんだろう。雨がより一層強くなってきた。

終わり




ありがとうございました!
つい2週間前にまた夢です。最後には自分が誰なのかも、家がどこなのかもわからなくなってしまいました。本当に恐ろしかったです。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?