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ー退院後日談 外伝⑤ー

※ストーマ中の時の話。
(電車でGo! 嫌すぎ通院 編)


「うーん...どうしたものか?...」

夜中にスマホとにらめっこしながら、
電車の乗車案内アプリを起動し、
電車の時刻表をあーでもない、こーでもないと
しかめっ面で指で操作し見ている。

これで何度目だろーか?何度見ても
答えがみつからない。

もう夜中だから諦めようとスマホを閉じるが
モヤぁとして気になり、さっきから同じ事を
繰り返している。

私と夫が住んでるアパートは、
自分が通院している病院から少し
離れていて電車でも1時間ぐらいかかる。
どうかしたら1時間以上かかる時もある。

だから最近では医師達の配慮で、殆どの科は
朝早くに通院してと言われなくなった。
早くても11時半とかだ。

しかし、ストーマの診察を行う、
一般消化器外科は違う。

医師の診察と、ストーマを指導してくれて
皮膚排出ケアを看護師がするので、
付けていたストーマを外して
新しく付けるのだ。

それが何か?と皆さん思うだろう。

ストーマは、新しく付けたら半日は風呂は
絶対入れない。

つまり、凄く簡単に言うと朝つけたら
夜は風呂に入れるが昼過ぎとかに付けたら、
夜は風呂に入れない。
看護師曰く、ストーマが取れやすくなる
らしい。

つまり、できるかぎり午前中にストーマを
新しく変えた方がいいのだ。
後は、先に風呂で洗ってからストーマを
変えるとかの方法をとるしかない。

しかし、こんな菌がばら撒き放題のこの、
ご時世に外から帰ってきたのに、
しかも病院帰り。
帰って風呂に入らないとか考えられない。


だからまだギリましの10時に病院予約になってるが...

さっきも言った通り私のアパートから病院は
遠いので少なくとも電車に乗るのは、
朝7時台~朝9時台だ。

よもやよもや...朝の通勤ラッシュ。

しかも渋谷方面へ行く電車。

私は見ての通りストーマを付けてるので、
体の外に腸が出ている。皮膚に守られてない。
腸を守っているのは服とストーマの袋。

正直怖い。

ぶっちゃけると、
早朝の通勤ラッシュに腸が出てる体で、
乗りたくない。

だから夜中だというのに、さっきからスマホと
にらめっこしてたのだ。

もう、タクシーに乗れば?と思う人もいるだろうが往復でいくらすると思ってるんだ?
と問いたい。
(因みに安くても、片道6千円以上する。)

近くに住めば?て人も、あの付近の家賃いくら
すると思ってんの?てなる。

じゃあ、前の日にネカフェは?て考えたが、
医療費もバカにならないし、
この先何回も診察あるのにネカフェを
早朝診察の度に利用するのか?と思ったら
馬鹿らしくなった。

悩みに悩んだ結果、
私が最終的にいきついたのは
渋谷方面行きの朝のピーク時間を細かく検索
する事だった。

電車のホームページに、ピーク時間の画像が
貼ってるのを見て、とりあえず7時や9時台より8時台後半の各駅停車がマシのようだった。
渋谷駅着8時00~8時30がどうやら、
超ピークらしい。

各駅停車は時間かかるが準急や急行の、
乗る人数を考えると大安定の各駅停車を選ぶ。

あとはストーマの排出のたまりを、
なるべく気にしないように朝の食事を早めに
起きて食べなければならない。
食べたすぐは排出が多くてすぐ捨てに
いかなければならないので、
出る前に食べない方が良いのだ。

想像してみてほしい。

ストーマ(袋みたいなもん)に便が溜まった
ままだと嫌だし、案外重いし、動きにくい。
ストーマが取れるんじゃないか?
て思うほどだ。
腸もストーマに入ってはいるものの、
体の中じゃなく外にあるから、
臓器がむき出しと思うと怖い。

しかも、ガス(屁)が少しでもストーマに、
たまっていたらストーマが膨らむ。
案外、隠すのも大変だ。

そんな状態で電車に乗るのだ。

はっきり言うが、
電車でピーク時に席を譲ってくれる人は
なかなかいない。

この前、病院帰りが夕方のピーク時に
なってしまい、本当にヤバい!倒れる!
と思い、電車の床に申し訳ないが座ったら
何十分かたってやっと譲ってもらった程だ。

しかも、そこは困った人の為に作られた席。
優先席。

それなのに、寝たフリをするOLや
リーマンだらけだ。

本当に世の中そんなに甘くない。


ストーマは、一生つける人は障害手帳はもらえるが、一時的につける人は貰えない。
(一時的でも長くなったら半年も、
                       つけないといけないのに)
6ヶ月ぐらい経たないと申請できないらしい。

そして、難病(指定難病)で苦しんで居る人も
障害者手帳を殆どが貰えない。
何故か難病は厳しいのだ。
難病も金が、かなりかかるのに。
ふざけんなバーロー!て感じる。
薬1回で数万なんてざらだ。

精神障害、身体障害者などは障害者手帳が
貰える。支援がしっかりしている。

障害の等級に応じて、

医療費や補装具の費用の助成。
所得税・住民税・自動車税の減免や控除。
公共交通機関運賃やNHK受信料・携帯電話利用料金、美術館や動物園などの公共施設の入場料、上下水道料金の割引。
公営住宅への優先入居。
企業の障害者雇用義務の対象としての採用。
条件を満たせば、障害年金の受給が可能。
などなど...
多くの支援が受けられる。

しかし、多くの難病者(指定難病)は
医療費免除ぐらいだ。
あと障害年金が出るか出ないか。

障害者手帳を持ってなくても、
指定難病の病気の種類で働き口紹介支援や
訪問介護などの福祉サービスが受けられる人もいるが、障害手帳を持ってる人
との差は歴然だ。かなりの差がある。

最近、色んなLINEチャットをしてるが、
あるLINEチャットで、ある1人の難病の人が
言っていた。

「働きたくても働き口見つからなくて
働けないし、難病で苦しんでるのに
医療費免除だけ...
身体辛いけど、通院辞めて無理して
働くしかない!金がないし!」

みたいな事を嘆いていた。
難病を患ってる人はわかると思うが、
1つだけ難病にかかっていても、ふづいして
他の病気にかかる難病が沢山ある。 
最終的に何種類もの病気と色んな科にお世話にならなきゃいけない人が山ほどいる。
それなのに、ほぼ援助がない。

ぶっちゃけ、こんなに援助なかったら精神的にも
普通におかしくなるんじゃ?
と思ったりする。

精神障害者に本当に失礼だが、難病者も精神
やられそうだから同じぐらい支援してほしい
ぐらいだ。

コレが現状なのである。

それでも、あーでもないこーでもない
考えながら時には苦しみもがき、
嘆きながら頑張って生きている。


「良いなぁ〜俺も働かなくていいなら、
                          体を壊したい。」

と夫から言われた事があった。

ハッキリ言おう。イラッときたと。
働きたくても働けないのだ。
働かなくていい人間なんてごく一部だ。
金が大量にある訳でもないのに!
人生甘くないから健康な体が欲しいんだよ!

少なくとも病気しない体の方が良いに
決まってる。

体を酷使しても働かなきゃならない
世の中なのだから。


横でスヤスヤと寝息をたてて寝てる夫を見て
必死で夜中まで考えこんでた自分にふと、
虚しさが湧き上がってきた。
いかんいかん。心がやられる。

寝よう。明日の為にも。
明日も明後日も来年も

これから先も生きる為にも。

                ー 電車でGO!嫌すぎ通院 編(完) ー
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