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「大学生が数珠つなぎでかっこいい大人に会ってみた」~1人目 朝山あつこさん~

皆さんこんにちは。ムタこと西牟田です。

「大学生が数珠つなぎでかっこいい大人に会ってみた!」

お会いした一人目は朝山あつこさんです。朝山さんは認定NPO法人キーパーソン21の代表理事をされています。

朝山さん紹介
・キーパーソン21 HP
http://www.keyperson21.org/
・Facebook
https://www.facebook.com/atsuko.asayama

1.朝山さんとのお話

*最初にむたの自己プレゼンなどありますがそこは割愛させていただきます。

むた

私は将来、生きづらさを抱えている高校生に向けた居場所づくりをしたいと思っています。安心安全が確保できて、その子の好きが見つけられる居場所を全国に作りたいです。でもまだ自分の考えだけで、これは本当に必要とされていることなのかと考えることが多くて…。

朝山さん

間違いなく必要だと思います。

安心安全が確保できてその子がその子でいられる場所が必要です。

自分の好きを見つけられることをキーパーソンはすごく大切にしています。それええやん!と応援していくような。

自分の軸をしっかり持つことが本当に大切です。コミュニティが単にあって、周りが大丈夫大丈夫って言っても、その子の自信にはならないんですよ。居場所はあり、存在はしているけど、本当に自分の命を燃やして堂々と自分らしく生きていけるかは別の話じゃないですか。自分で二本の足で立って精神的にも経済的にも肉体的にも、社会的にも自立していくっていうことを支えるコミュニティが必要なんですよ。経済的だけでもだめだし、居場所ってだけの大丈夫って慰めるだけの居場所だけでもだめだし、社会的に自分で立つ「自立」と、律するほうの「自律」の両方が必要だと思っています。

「あなただからこそ」の、一人一人の良さを生かしていくというか。周りも理解しているし、その子自身がそうだと思わないと、いくら慰めてもあなたはあなたらしくで大丈夫なのよなんて言われても分からないじゃないですか。

自信を持てと大人は言うけど、自分の何に自信を持てばいいのか分からないという状況なんですよね。自信を持てと言われなくても、自分を信じることができる。これが好きだという思いやこれだったら一生懸命頑張れるとか、これだったらくじけそうになったり、なにかが起きてだめになっちゃってももう一度工夫したり頑張れるって思えるそのもの。それってその人の中にしかないじゃないですか。周りがじゃあこうしたらと言っても、やるのは本人だから。本人が心からそう思う、納得している状態がすごく大事だと思ってて、それを引き出すことをうちの団体は得意としてやっているんですよ。

ムタ

朝山さんの本を拝見した際に、本当にこれ凄いなって思いました。私がやりたいと思ってることが、安心安全が確保できる場所をまず作る事なんです。でも今朝山さんが仰っていた通りに、作るだけじゃ足りないなって思っていて。自分はこういうことが好きなんだというわくわくエンジンを見つけられたら、その子って自信がなくてもどんどん前に進んでいけるようになるんじゃないのかなぁと思いました。

朝山さん

本当にその通りで。周りも何を応援したらいいのか分かるようになるんですよ。その子の好きなものとかわくわくするものは見ていたら分かるんですけど、好きな理由は聞いてみないと分からないじゃないですか。わくわくすることから発生する、動き出さずにはいられない原動力のようなものを私達はわくわくエンジンと呼んでいて、それを引き出して、主体的に人生を生きることを応援しています。

名詞的わくわくというのは「絵」が好きです、「本」が好きですとかなんですよね。それに対して「冒険すること」「調べること」などが動詞的わくわく。動詞的ってことは一歩踏み出すアクションにつながるものだから、わくわくエンジンを引き出し、行動につなげるというのが私達がやっていることなんですよね。

1つ分かりやすい事例なんですけど滋賀県の小学4年生のまこちゃん。

まこちゃんは本が好きだったんですよ。親は本が好きだと嬉しくて図書館に連れて行ったり本を買い与えたりするんですよね。なんだけど、本が好きって自己完結して終わりじゃないですか。この子のわくわくエンジンは、読んだ本の面白さやすばらしさをみんなに伝えることだったんですよ。おぉそこかとマコちゃんのお母さんは気づいたんです。まちの図書館でビブリオバトルが開催されていたのですが、館長さんが一人でやっていたんですよ。そこにわくわくしているマコちゃんがやってきて館長さんとバトルするようになったんです。そしたらいつもガランとしていた図書館がにぎわって、まちが図書館を中心に元気になっていったんですよ。そしてまこちゃんは、全国ビブリオ大賞を翌年取っちゃったんですよね。「本」が好きということだけを分かっているだけじゃなく、わくわくエンジンが分かることで行動になり、一歩踏みだすんですよね。そうするとね、プログラムを通して対話が生まれ人と人が尊重しあうことができるんですよ。好きなものやわくわくエンジンに、良いも悪いもないじゃないですか。だから、そこに隔たりとかないんですよ。否定される理由もないし。それを認め合う力こそ大人が持つべき力なんです。

人と人が尊重しあうとすごい幸せじゃないですか。まこちゃんのような物語が生まれていき、どんどんコミュニティが大きくなって、まちの物語ができていく。それを私達はやっているの。

わくわくエンジンが分かると子どもの何を応援したらいいのかが見えてくるんですよ。きょんちゃんが本を好きっていうことは周りの人は知っていたかもしれない。そこから一歩踏み込んで、よしもとばななさんの本がなんで好きなのかということを考えたらきょんちゃんのわくわくエンジンが見えてくるんですよ。

なんでよしもとさんの本好きなの?

むた

よしもとさんの作品は、敏感な人たちがよく出てくるんです。例えば生きるのがつらかったりとか独特な人が登場人物で多くて。そういう人たちでも逞しく生きていたりしている姿が好きで。読んでいる中で自分も救われる感じがするんです。これを読んだら、また頑張ろうという気持ちになれるから好きです。

朝山さん

うんうん。自分も救われたから誰かのために何かをしたいという、きょんちゃんのわくわくエンジンが見えてきて、今まさに動きだしているわけですよね。自分がつらかったことを原体験として、同じような人に同じ気持ちを思わせたくない、なんとか救ってあげられたらという気持ちを抱えて動いているわけじゃないですか。そのわくわくエンジンをプログラムの中で言語化し見つけていくんですよ。

むた

今迄、確かに何が好きなのとは聞かれたことはあったけど、なんで好きなのとかは深いところまで聞かれたことはなかったですし、なんで自分はこれをしたいんだろうとかを考えるきっかけが少なかったように感じました。なので自分もこのプログラムを受けたいなぁとすごく思いました。

朝山さん

ぜひぜひ受けてみて~。

そうするとね、何を応援したらいいのか分かるようになるから。きょんちゃんが作ろうとしているコミュニティの中で安心安全な居場所なんだけど、その子がより充実して生きれるようにするには、何を応援すればいいのか分かるようになるんですよ。だからドンピシャかなぁと思って。自分を生かすようになるといった意味は一人一人のわくわくエンジンからまちづくりやイノベーションにつながるってことは、まちの中に、一人の、その子がいるからこそ起きていることですよね。一人一人のエンジンが動くことでまちづくり、学校だったらクラスづくり、家庭だったら家族というコミュニティができる中で、イノベーションが起こってくるんです。

みんな自分のことを言う機会があんまりなかったりするし。居場所って家庭もそうだし学校もそうだし地域の塾とか、こども食堂とかもそうかもしれないし。多様な大人たちが温かく見守って下さる居場所がもっと全国の地域にあるといいですよね。ただ居場所を提供するだけでなく、本人の軸を見つけるところまでやってるところってそうそうないんです。なのでそういう場所があるといいですよね。

むた

安心できる場所はあるけど、自分のわくわくを見つけるとかそういう機会が本当にないと思うので、もっとこのプログラムを使ってどんどん地方のほうとかでもできたらおもしろそうですよね!

朝山さん

だよねぇ。きょんちゃんやろうよ!

ムタ

あ、ぜひやりたいです!


ムタ

学校内で朝山さんはよく活動されていますが、学校外でも小杉わくわく教室や中原わくわく教室をされていますよね。学校外でも子供たちは集まるのかなぁと疑問を持ちました。

本を拝見した際に、最初の頃は学校に入れなくて、外部でやっても大学生しか来なかったと読んだのですが。

朝山さん

そうそう。本当にそれは初期の話で。いまよりもっと学校に入るということができなかった時の話。でも今は学校の体制が変わってきていて。むしろNPO法人助けてくれと言う状況。今はコロナで別の意味でやりにくいけど。学校に入ること自体に問題というよりも、学校に問題はあるとしたら、なかなかこの考えが今の教育制度の中では、浸透しにくいところだと思います。今の先生は多忙な状況、カリキュラムの中では、寄り添って子どもの考えを聞くとか、子どもに自発的に動いてもらうことが難しい。トレーニングもないし、そうした経験も共有されないので、なおさらのこと。それが日本の教育の課題のひとつです。

ムタ

なるほど。やはり学校内に入らずに学校外で居場所づくりをしたいと思った際に、うまく高校生は集まらないんでしょうか。

朝山さん

どういう案内するかだね。でもやり方はいっぱいあると思うよ。どんなイメージでいます?そういう生きづらさを抱いている子に向けた場所?

ムタ

そうですね。

朝山さん

私達がやっているのは火水木金と週4日で川崎市の委託事業で、中原区の学習支援居場所づくりを受託しているんです。そこでは生活保護受給家庭やひとり親家庭であることが条件になっており、川崎市のルールにのっとってやっています。もうひとつ小杉のわくわく学習会というのを、中原わくわく学習会の翌年から武蔵小杉の場所を借りてやっています。「こすわく」と呼んでいますが、多摩川で中学生が殺されてしまった事件があったこともあって、居場所がない子のために始めたんです。生活保護から漏れている、経済的にもしくはなにかしら生きづらさを抱えている子たちのために、火曜と水曜にやっています。何かやる事があるっていうことが大事で。子どもたちはやっぱり勉強したいもっとできるようになりたいっていう気持ちがあるから。

ムタ

すごい。いろんなことにチャレンジされてるんですね。

朝山さん

そうそう。もしきょんちゃんが一緒にやったりとかするなら、そこを高校生の居場所を作ったりとか、こすわくを盛り上げてくれるとか。

むた

あ、ぜひやりたいです!

朝山さん

やること一杯あるよ(笑)

ムタ

ふふ。嬉しいです。


朝山さん

色んな人のお話聞くのもすっごく大切だけど、活動しながら学んでいくというのが一番手っ取り早いですよ。その中でどういう風に高校生の居場所を作ったらいいのかとか頭の中でつながって、実現性が見出せるようになってくるんですよ。頭の中で考えているものと実態を見て活動して得るものって別物じゃないですか。それが組み合わさってつながっていけば、あ、こういう風に高校生に居場所づくりをしようと思い当たるときが必ず来ますよ。

2.朝山さんからの感想

お話の感想・応援メッセージ
自身の原体験から、「一人一人が自分らしくいられる居場所をつくりたい」と、ポジティブに動いているムタちゃん!わくわくエンジン発動中!ムタちゃんと話していると、私もわくわくしました!

3.むたの感想

朝山さんの本を拝見した際もそうだったのですが、終始朝山さんの考え方に共感しました。安心安全な場所を作るだけじゃなく、その子のワクワクも見つけられる居場所を作りたいという思いが強くなりました。今迄は、自分の中でアイデアを温めていただけで、これって本当に必要とされているのか?とか、実際作るってなったらどうすればいいんだろう?と頭の中でぐるぐる考えてしまうことが多かったです。でも朝山さんとお話しすることで私がやりたいと思っている居場所づくりは必要とされているってことが知れたり、世の中にはこんな面白いことをしていてかっこいい大人がいることを知ってすごく喜びを感じました。私も将来こんなにわくわくしている大人になりたいです。そして自分もわくわくエンジンのプログラム受けてみたい!朝山さん、貴重なお時間をありがとうございました!!


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