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宇宙ビジネスの歩き方~機械系衛星エンジニア編~

①はじめに🚗

この記事は「宇宙のはじめ方〜就活編〜」企画の第五弾です。
https://note.com/soranome/n/n2c6a0058666b

②簡単に自己紹介🚂

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むたと申します。

今は衛星データプラットフォームを作ったり、宇宙ビジネスメディア宙畑を運営したり、sorano meという会社の立ち上げに関わっています。
元々大学では機械工学系の勉強をしていて、人工衛星を開発する研究室に所属し、修士まで在籍し卒業。

仕事は、新卒で人工衛星を製造するメーカーへ入社。そこで、7年ほど衛星設計や技術営業みたいなことに従事した後、縁あって衛星データプラットフォームの開発に携わることになりました。

sorano meとの関わりは、高校生向け宇宙フリーマガジンTELSTARの頃から(このあたりは代表の城戸の記事をご覧ください)。最初は技術的な視点での監修というポジションだったはずですが、いつからかコアメンバー的なポジションでTELSTAR⇒宙畑⇒sorano meとやらせてもらってます。

③宇宙のはじめかた🛰

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さて、私のモチベーショングラフはこんな感じです。比較的恵まれている環境でここまで来たのかなと思いつつ、その中で就活のお役に立ちそうなところを少しご紹介できればと思います。

1.宇宙を仕事にするか否か

宇宙はなんとなく憧れとしてあっても、それを仕事にするのはちょっととまどいがあるのではないかと思います。

私の場合は、自己紹介にある通り、大学時代に宇宙開発系の研究室に所属していました。宇宙系の研究室を選択した理由は、色々な研究室を見学して先輩達の話を伺っていく中で、その研究室が一番研究室で学ぶことと就職してからやることが近そうで、効率が良さそうだったからです。せっかく何年も大学で勉強するならその先で役に立つものを学びたいなと。

研究室にいざ入ってみたら、様々な人の話を聞く機会があって、宇宙開発の課題や宇宙ビジネスにおける日本の立ち位置が見えてきて、”宇宙開発=ロマン”ではないということに気づきました。私自身はそんなに強く宇宙が好きな訳ではなかったので、キラキラしているだけではないことにはむしろやりがいがあるんじゃないかという気持ちになりました。

一応、就活としては他にもいくつか宇宙とは関係のないメーカーを受けてはいましたが、前述の通り色々と課題が見えている衛星メーカーは就職しても大変だろうなと感じており笑、まずは若いうちに大変そうな、衛星メーカーに新卒としてチャレンジしてみることにしました。

2. JAXAか大手メーカーかベンチャーか

“宇宙”を仕事にすると決めた後は、どこの会社に行きたいかを考えました。
私はエンジニアだったので、可能性としては大きく3つ。JAXAか大手衛星メーカーか、衛星系のベンチャーでした。

この時に考えたことは「自分がやりたいことは何か」で、私の場合は、「モノづくりがしたい。衛星が作れるようになりたい。」「課題も色々ある宇宙業界をなんとかしたい」の2点でした。

1点目の「モノづくりがしたい」という意味では、政府側の立場で衛星のミッションを考えるJAXAよりも、民間企業の方が衛星を作る手触り感があるのではないかと考えました。また、大学自体、研究室で小型衛星を作っていた経験から、新しいことを学びたいという意味で小型衛星を開発しているベンチャーではなく、まだ経験したことのない大型の衛星を開発している大手メーカーを選択しました。

2点目の「課題も色々ある宇宙業界をなんとかしたい」の方は、その時から現在に至るまで世界全体で宇宙開発・宇宙ビジネスの民主化という流れがあり、国の衛星を受注して作るだけでない世界が来るという意味で、政府の研究機関ではなく民間企業を選択しました。尊敬する先輩方や同期がJAXAに進んだので、私は民間の立場から、と思った部分もあります。

3. 特化した宇宙系エンジニアのキャリアパス

大手メーカーの場合、配属されると大抵、衛星の一部分や製造工程の一端を担うことになります。

多くの人は長い会社人生の時間の多くをかけて、人工衛星の、さらに特化した専門領域の一部分を極めていくということになります。

私の場合はあまり極めることに向いていない性格なこともあり笑、機械系のシステムエンジニアとして衛星の機械的な設計を担当しつつ、市場調査なども担当させてもらい、世界が今どうなっているのかを知るチャンスをもらいました。

その中で、日本の宇宙産業がどうしたら世界と戦っていけるのかを考える機会をもらい、衛星を作る立場ではなく使う立場で考えられないと世界を変えていけないのではないかと思うようになりました。

結果として、その後はエンジニア職を完全に離れ、自分の開発した衛星を海外に売り込む技術営業のような業務を担当し、衛星がどのようにエンドユーザーの役に立つのか、すなわち衛星が撮影したデータをどう使うかが大事であると思い至り、社内で衛星データビジネスの検討を行うなどをしたのち、縁あって現在は衛星データプラットフォームの開発に携わっています。

私の例はかなり特殊だと思いますが、就活したときに思っていたこととその後自分自身や世の中の状況が変わっていく中でやりたいことも刻々と変化していくので、就活のときは一生の仕事を選ぶというよりはその時に一番合っていそうなものを選ぶという感じで良いんじゃないかなと思います(軽すぎる?)。

幸いなことに、私の場合はその時その瞬間に物事を前に進めるために、他に誰もやらないならと取り組んだことが、意外と次の仕事に役立つケースが多く、私の人生はそういうことの積み重ねだなと思っています。

④これからやりたいこと🪂

機械工学出身なので(?)モノづくり、衛星を作ることはやっぱり好きで、でも作っているだけでは宇宙業界は広がっていかないので、今はその裾野を広げることに興味があります。

まずは、自分たちの手で小さくてもいいから新しいビジネスを生み出せたらと考えています!

⑤おわりに🚀

色々と悩むこともあるかと思いますが、ぜひその時その瞬間を全力で楽しみながら進んでもらえればと思います!

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次回は、宇宙開発に関わるために積極的に行動しているタクミです!ご期待ください!

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