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『スマホ脳』読書記録#8

・毎朝起きたら、スマホでSNSのアクセス数やいいね数を確認してしまう
・YouTubeの動画を見続けてしまう
・Googleでおすすめされた記事を見続けてしまう

上記はここ最近の私の悩みです…

スマホを使っているときは夢中ですが、後から振り返るとただ時間を浪費している感覚があります。

そんな中こちらの本を読みました。

気づきや感想を書いております。

人類は大昔から変わっていない


本書は1万個の点が描かれたページから始まります。

それらを人類の誕生~現在までとすると、わたしたちにとって当たり前のことが人類史にとってはいかに稀であるかを理解できます。

車や電気、水道やテレビのある世界に生きたのは何世代だろうか。
・・・・・・・・(点8個分)
コンピューターや携帯電話、飛行機が存在する世界に生きたのは?
・・・(点3個分)
スマホ、フェイスブック、インターネットがあって当たり前の世界しか経験していないのは?
・(点1個分)

スマホ脳 (新潮新書) p.26

では、私たちの祖先の大半はどのような世界を生きてきたのでしょうか?

本書では以下のように述べられています。

過去の世代の圧倒的多数、つまり1万個の点のうちの9500個分の人たちは、狩猟採集民として生きてきた。彼らの世界は、あなたや私が当たり前に思っている世界とは大きく異なる。

スマホ脳 (新潮新書) p.32

当時は今とはまったく異なる環境で、死が隣合わせの世界。

人類はそちらの環境に適応するため、進化をしてきており、現代には適応しきれてはいないというのが本書の主張です。

私たちはあのたくさんの点の連なりの最後のたったの数千年で―いや、数百年かもしれない―周囲の環境を著しく変化させたのだ。
(中略)
私たちは今とは異なった環境に適応するよう進化してしまい、今生きている時代には合っていない。

スマホ脳 (新潮新書) p.34

人類が生存していくために必要だったこと

人類が大半を過ごしてきた世界で、生き伸びていくために必要だったことについても述べられています。

ストレスの役割

ストレスは悪いものと思いがちですが、本書では以下の通り述べられています。

ストレスのシステムは祖先たちが暮らしていた、今より相当に危険の多い世界で生き延びるために発達した。当時の危険は、今より頻度が高かっただけでなく、瞬時の反応を迫られるようなものがほとんどだった。

スマホ脳 (新潮新書) p.44

猛獣に出くわすなどのリスクに対して、瞬時に身体が反応できるよう、ストレスを認知する必要があったようです。

一方、現代で抱えるストレスのために進化してきたわけではないと述べられています。

現代では命にかかわるレベルの心配をする機会はほとんどない。ただし、心理社会的な種類のストレスを受けると、脳内で同じシステムが作動する。
(中略)
今の私たちのHPA系にかかるストレスは、ライオンに出くわしたときほど集中力を求められない代わりに、長時間継続することが多い。
(中略)
だが、HPA系はそういった類のストレスのために進化してきていない。長期にわたってストレスホルモンの量が増えていると、脳はちゃんと機能しなくなる。

スマホ脳 (新潮新書) p.45

ストレスにさらされ続けると、選択肢が狭まり、『闘争か逃走か』という選択しか持てなくなるようです。

ドーパミンの役割

脳内の伝達物質のひとつにドーパミンがあり、ドーパミンも人類が生き延びる上で重要な役割を果たしてきました。

本書では、ドーパミンについて以下の説明があります。

・快楽を与える報酬物質ではなく、何に集中すべきかを私たちに伝える存在
・ドーパミンの最重要課題は、人間に行動する動機を与えることだから

スマホ脳 (新潮新書) p.74, 75

ここだけだとなぜ、ドーパミンが必要なのか納得できませんでしたが、以下の説明がしっくりきました。

報酬が得られるかどうかわからなくても、私たちは探し続ける。この衝動により、食料不足の世界に生きた祖先は、そこにある限られた資源を発見し、活用してきたのだ。

スマホ脳 (新潮新書) p.76

「かもしれない」という期待があるからこそ、厳しい状況でも行動ができたのです。

スマホは人間の特性を利用している

人が生き残るために必要だった上記のメカニズムですが、本書ではスマホが上手くそれらを活用している、と警鐘をならしています。

あなたの脳は、数十万年かけて進化した通りに機能しているだけだ。チャットの着信のような不確かな結果には、ドーパミンというごほうびを差し出す。そのせいで、スマホを見たいという強い欲求が起こる。脳は新しい情報も探そうとする。特に、犯罪事件の記事のように感情に訴えてくる、危険に関する情報を。アプリのお知らせは、社会とつながっていると実感させてくれる。脳は、あなたの話に他人がどう反応したか―投稿につく「いいね」―にも集中を注がせようとする。

スマホ脳 (新潮新書) p.82

この一文を見て、まさしく自分だと思ってしまいました…

もともとはLINEの通知を見ただけなのに、別のアプリを起動させ、動画やニュースを見てしまう、それがやめられない…

無意識の行動の裏には、このようなメカニズムがあったのかと驚き、怖くもなりました。

なぜ、スマホやSNSは人の脳のメカニズムをハッキングするような開発をしたのでしょうか。

本書では以下のように述べられています。

それはお金だ。あなたがフェイスブックやインスタグラム、ツイッター、スナップチャットに費やす1分1分が、企業にとっては黄金の価値を持つ。広告が売れるからだ。彼らの目的は、私たちからできるだけたくさんの時間を奪うこと。

スマホ脳 (新潮新書) p.82

スマホやSNSとの向き合い方を見直したいと、心から思いました。

向き合いかた


本書ではスマホを全く利用するなとは言っておらず、脳が進化してきた経過を知り、正しく使いこなそうというのがアドバイスだと感じました。

巻末には具体的なアドバイスも記載があり、さっそく以下を実践しようと思いました。

-スマホの利用時間を把握する
-スマホをオフにする時間を作る
-アプリの制限をかけなおす


今回もご覧頂きありがとうございます。

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