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『魂の退社ー会社を辞めるということ』読書記録#4

おはようございます。

ここ最近は働き方や、仕事についての本を読み漁っております。

今回紹介する本はこちらです。

著者は朝日新聞に28年勤めていましたが、50歳に退社。そこに至るまでの過程、葛藤、また辞めたあとの生活や思いが綴られています。

自分で言語化できていない会社に対するモヤモヤ、疑問、不満が書いてあり、思わずそうそうと共感するところが多かったです。

会社での働き方に疑問や迷いを感じる方には、ぜひ読んで頂きたいです。

個人的には一歩を押してもらえる一冊となりました。気づきをまとめております。

会社社会

50歳で会社を辞めた著者。辞めた後、日本は会社社会であると痛感。

・(会社員でないと)賃貸の部屋が借りにくい、カードが作れない
・(一つの会社に勤めていないと)退職金の控除額が制限される
・(退職後、別会社への就活していないと)失業手当がもらえない

なぜ日本では会社員でいることが、前提となっているのでしょうか…

著者は会社を通さないシステムは現代では成り立っていないからでは?と指摘しています。

つまり国民の老後の暮らしも、国は会社を通して何とか保障することができているのが現実なのだ。
 ハハーン。何かわかってきましたよ。
 日本国が成り立っているのは「会社」があるからなんだ。
 国家なんかメじゃない。会社こそが、国民の信用も、暮らしも、つまりは我々の「命」を保障してくれているのである。
 だから国は、国民に「就職せよ(会社に入れ)」とプレッシャーをかけているわけですな。おそらく。

稲垣 えみ子. 魂の退社―会社を辞めるということ

ネットを通じて、フリーランスや副業をする人を目にするようになりました。

ただ現実社会だと会社に勤め続ける人が大半で、それが当たり前という風潮が根強いなと感じております。

ブラック化する社会

そんな会社社会の日本ですが、ブラック化しているのかもしれないと問題提起しています。

かつてのモノが売れた時代は、会社にいてその成長を受け取りながら働くことが豊かさで、安心となっていました。

ただモノが溢れる現代では状況が変わっています。

「モノを手に入れれば豊かになれる」という発想は急速に過去のものとなりつつあるのです。
 しかし、それでは「会社」は困ってしまう。
 利益を上げなければ生き延びられない。しかしモノは売れない。そんな中で利益を上げようとすると、方法は2つしかない。
 一つは、働く人を安く使い捨てにすること。
 もう一つは、客を騙すこと。
(中略)
つまり、会社が生き残ろうと頑張れば頑張るほど、不幸になる人間が増えていく。そんな時代に突入しているのだ。
 つまり、会社は完全に行き詰まっている。
 そして、これこそが日本社会の行き詰まりの正体なのではないでしょうか。
 なぜなら、日本社会は「会社社会」なんですから。

稲垣 えみ子. 魂の退社―会社を辞めるということ

会社が生き残ろうとするため、ブラックな働き方をせざるを得ない人がでてきてしまう…

昨今の企業不祥事も、このような行き詰まりが原因の一つかなとも思いました。

今まで勤めてた2社ともこんな感じのことが毎年あります。

・上層部が決めた右肩上がりの数値目標が設定される
・実態に合ってないので、予算未達
・リカバリー案を考え、実行しないといけない(個人として納得できないこともあります…)

会社依存度を下げる

行き詰まり、ブラック化する会社への対策として、「会社依存度を下げる」ことが提唱されています。

・「給料」に全面依存しない=お金をかけない楽しみをみつける
・会社以外に何でもいいから好きなことを見つける

他にも副業や投資など、会社とは別の手段で稼げるようになることも一つの選択だと思いました。

また会社に縛られすぎないことで、「仕事」自体のとらえ方も変わるのではと述べられています。

そして何よりも強調したいのは、そうして会社に依存しない自分を作ることができれば、きっと本来の仕事の喜びが蘇ってくるということだ。
 仕事とは本来、人を満足させ喜ばせることのできる素晴らしい行為である。人がどうすれば喜ぶかを考えるのは、何よりも創造的で心踊る行為だ。
(中略)
金を儲けさえすれば何をやってもいいというのは仕事ではなく詐欺だ。それは長い目で見れば決して会社のためにもならない。

稲垣 えみ子. 魂の退社―会社を辞めるということ

確かに仕事のすべてが嫌いなわけではないんだよな…

上司や会社の評価を第一に考えながらやる仕事より、自分があれこれ相手のことを考えながら、創り上げていく業務は楽しいと感じます。

会社を卒業する

この本では、ただ会社を批判しているわけではないところも共感できました。

最後の章では会社を「人生の学校」と表現しています。

仕事の仕方、人間関係や理不尽の対処、お金との向き合い方…著者は会社を通じて、様々なことを学べたと感じています。

会社は修業の場であって、依存の場じゃない。
 それがわかれば、会社ほど素晴らしいところはありません。そして修業を終えた時、あなたはいつでも会社を辞めることができます。結果的に会社を辞めても、辞めなくても、それはどちらでもいい。ただ、「いつかは会社を卒業していける自分を作り上げる」こと。それはすごく大事なんじゃないか。

稲垣 えみ子. 魂の退社―会社を辞めるということ

私自身も大学卒業後、明確なスキルもなかったと思いますが、会社の中でもがきつつ、様々なことを学べたと感じています。

自分にはここの会社だけしかない…と考えると、自分が納得いかないことや理不尽も受け入れる必要が出てくるのかな…

やはり自分の中に選択肢を持てており、自分が主導権を握れる状態にしておくことが大事だと思いました。

以下では、私なりに会社員で良かったことをまとめています。

今回もご覧頂きありがとうございます。


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