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専門ゼミで外部講師による授業を行いました

こんにちは。社会福祉学科教員の柳です。

12月1日(金)の柳ゼミでは、特別講師による講義を開催いたしました。

今回の講師は私の大学時代の後輩でもある藤井駿さんと高根流斗さんをお招きして、授業の前半では藤井さんによる講義、後半ではお二人が音楽ユニットとして活動している「ピンクとターコイズ」の当事者視点にこだわったオリジナル曲を演奏して頂きました。

二人は20代後半で、普段は一般企業で会社員として働いていますが、ライフワークとして、「ピンクとターコイズ」という音楽創作ユニットでも活動しています。藤井さんは「雑地区好餌(ゾウチクコウジ)」という名前で作詞とボーカルを、高根さんは作曲とピアノを担当しています。どちらもゲイの当事者であることをカミングアウトしています。

藤井さんは「LGBTQ」当事者の仲間と出会い始めた大学生のころ、当時の日本社会の「LGBTQ」でお金儲けをしようという空気感や、「LGBTQ」には寛容なメッセージが発されていながらも、多様な当事者がいて、すでに一緒に生きているというリアリティがあまり明らかにされていないことに違和感を覚え、まずはその違和感を社会に発信したいという気持ちを抱きました。そこで、2015年に多様な当事者が集まる団体の葛藤を描く演劇を企画し、人生ではじめて脚本を執筆します。そこで表現をすることの魅力に気づき、より簡潔でストレートに伝わる表現の仕方はないだろうかと模索したのだといいます。その過程において、大学以来の友人である高根さんと音楽での表現活動をするようになりました。それが2020年の音楽ユニット「ピンクとターコイズ」の結成につながったそうです。

ピンクとターコイズのお2人です

前半の藤井さんの講義では、ゲイの当事者として生きることや、当事者として「ピンクとターコイズ」の活動が目指すところと活動の中で大切にしていることについてご紹介いただきました。学生は講師のお話に熱心に耳を傾けてノートをとっていました。

前半は藤井さんによる講義です

授業の後半では、「ピンクとターコイズ」の当事者視点にこだわったオリジナル曲を演奏して頂きました。ゼミ生には歌詞集を事前に配布し、授業までに読んでもらいました。講義中にもお話があったように、ゲイとして生きる淋しさや孤独、社会への怒りや、それでも生きていこうとする前向きなメッセージが音楽として表現されていました。

ライブ中です

4曲を演奏していただきましたが、その中の一曲の歌詞の一部をご紹介いたします。

G
僕らが 走り出した あの日から
目指すべき 道しるべはなく
手探りで 描かれた 青写真も
闘わなければ 勝ち取れないようだ

よくある「普通」を目指してもな
幸せかどうかはわからない
手に入れた ひとまずの答えも
それでいいのかと 不安になるよ

Ah 僕の未来を 疑おうとする        
迷いには耳を貸さない           
ただ積み重ねる 愛を信じる
僕たちは 間違ってなんかいない
                  …続く

学生の表情から、当事者の境遇に共感しようと一生懸命聴いていることが良く伝わりました。「音楽」には、講義とはまた異なる響き方があったように見えました。座学で知識を得ることは容易ですが、実際に声をあげ活動されている方々のお話を聞くことができたのは大変貴重な機会だったのではないかと思います。

ピンクとターコイズのお2人に、改めて感謝を申し上げます。
貴重なお時間をいただきありがとうございました。


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