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NPO団体との合同ワークショップ開催(清水ゼミ活動報告)


こんにちは、社会福祉学科教員の清水です。

清水ゼミ(専門ゼミナール1)は非営利/ソーシャルセクター(NPOや社会的企業、市民活動団体などの実践研究領域)の活動に焦点をあて、従来からの主たる社会福祉士の活動領域とされている施設や団体を超えて、ソーシャルワーク実践や価値の体現するあり方について考え、現場スタッフとの交流や対話を通じて学ぶゼミ活動を行っています。
 
今年度はNPO法人Chance for Allの活動の一部として学生が運営する地域の居場所irodoriに前期・後期ともにフィールド体験をさせて頂きました。そして非営利活動に不可欠なビジョン・価値の言語化や、ビジョンに照らした活動の振り返りと今後の事業推進について考える連続ワークショップを1・2月に現場スタッフとゼミ生合同で行いました。この記事ではその様子をお伝えします。

初回は欧米などで用いられるサクセスビジョンワークショップを行い、みんなが思う素敵なirodori像を、言葉でなく、まず絵で表現するワークを行いました。取り組む中で、参加者がirodoriに抱いているいろいろなイメージや期待が浮かび上がってきました。それぞれの絵が意味するものを発表しながら、参加者が大事にしている価値観やキーワードを拾っていき、最後にそれぞれが共感するキーワードに投票しました。

「親と子、教師と生徒、専門家とクライエントというようなタテの関係ではなく、ちょっと上のお兄さんお姉さんとこどもというナナメの関係があること」「この場がなくなっても、その場を使ったことのある人に、何かしらの関係が紡がれていること」「地域の資金・資源循環に貢献すること」「囲うのではなく、包むイメージ」といったような考えが共有されました。

絵を通じて素敵だなと思うirodori像を共有しています

2•3回目のワークショップでは、プログラム評価のロジックモデル作りを枠組みとしながら、ビジョンの言語化をはかりました。そして、誰/何にどんな変化が生まれたら、自分たちの描くビジョンに近づけそうかを考え、その上で、自分たちは今後どんな活動をするべきか、現在の対応で見直す点はないか、誰を自分たちがコミットしていく中心に据えて活動していく必要があるのかをグループで議論し、発表しました。

議論をしながら目指す成果に照らして活動を検討しています

また、ゼミではソーシャルワークの地域調査のスキルを応用し、irodoriが活動する地域や対象としている子どもたちを取り巻く課題などをしらべ、そこなら見えるニーズをまとめたり、半歩外から見ていた立場として気づいたことSWOT分析に落とし込んだりして、メンバーと共有しました。

ゼミ生からの発表の様子

ワークショップを通じて、現場の皆さんからは、「日々の運営のことで精一杯なところもあるけど、目的を意識し、手段が目的化しないことの重要性を学んだ」「多様なメンバーが関わりながらirodoriが地域でこれからもこどもたちにとって良い場所であるために、自分たちは何を大切にして、何を目指すのかを明確にすることが大事だと改めて感じた」などのフィードバックを頂きました。

現場からは大学生を中心に、高校生から大人までのべ27名にご参加頂きました。ゼミとしても非営利組織の活動やその現場のリアルを体験させていただきながら、社会的なミッションを持つ活動に応用が利く手法を多様なメンバーで学ぶことが出来、クラス単体ではできない貴重な機会を頂きました。この場を借りて感謝をお伝えするとともに、参加した学生全員の、そしてirodoriの益々の活躍を期待しています!


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