『漁師のお仕事【刺し網漁編】 ―我が家に戻りつつある豊漁のよろこび―』を公開しました
『ff_私たちの交換日記』で新しいコラムが公開されました!
今回の寄稿は、私にとって身近な刺し網漁の話と、豊漁のよろこびについて書きました。
漁師とその家族の日常から、私が大切にしたいものが伝われば嬉しいな。
▼本文より
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・・・私が仕事の関係で漁に同乗できなかった日のこと。母から「今日は大漁!!」とメッセージが届いた。そのメッセージを見て、私の心はものすごく満たされた。一緒に漁に出ていないのに、だ。
この大漁の喜びは子どものころから感じてきた、漁師とその家族が味わうことができる最高の気持ちだ。筆舌しがたい、何とも満たされた、誇らしげな“よろこび”。このよろこびがあるから、漁師はやめられないのだろう。
原発事故以降、一時の操業停止を経験し、試験操業という制限下での操業が続いたとき、漁師の家族として一番つらかったのはこの“よろこび”が奪われたことだったかもしれない。・・・
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先日、@umihito_net のシンポジウムに参加し、日本各地の農産漁村のいろいろな世代の方々とお話する機会がありました。その時のディスカッションを通じて、漁業の普遍的な魅力は「大漁・豊漁の喜び」を味わえることだな、と感じる瞬間がありました。
自分にとっては当たり前の気持ちの動きだったけど、何にも代えがたいもの。この当たり前が一瞬にして奪われた経験が、それに気づかせてくれた気もします。