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みいちゃの気持ちとお父さんの気持ち ―『おかえりモネ』第18話で思い出した酸っぱいい記憶

昨日の朝ドラ『おかえりモネ』第18話。地元の牡蠣養殖の将来を憂いて使命感をもって自由研究にとりくむみいちゃん(主人公モネの妹)と、その思いと研究が大切だと理解をしつつ現実を突きつけるお父さんのやり取りを見て、とても身につまされた。

どっちの気持ちも手に取るように分かったから。

「私がもっと漁業を良くしてたい!」って気持ち。
私も高校生の時そんな気持ちでいたな、そういえば。
漁師の厳しいところ、悪いところだけが見えて、危機感だけが募って、父の仕事を少し否定的に傍観して、そして私がもっと良くして“あげる”ぐらいの気持ちがあったかもしれない。大げさに言うと(みいちゃんはここまでおこがましい感じじゃなかったけど)。

でも、いざ自分が仕事を初めて中の人になったとたん、父が現状やっていることがとても尊いことに見えた。
なんなら、「これを守らなければ」とまで思っている。

ゴールは一緒だ。
もっと良くしたい、というゴール。
でも見えている景色が変わった。

恥ずかしい話が、そもそも自然相手に養殖することとか、魚を獲ること自体がとても難しいことだと知ったのは大人になってからだった。体力的にも、技術的にも、経営的にも、まず魚を獲って・作って生活ができているということだけで本当にすごいことなんだと、気づいたときに私は考えかたが変わった。
本当に変えなきゃならないのはもっと別のところかもしれないと。

みいちゃんのお父さんは、漁師という仕事に強いリスペクトがあるのだと思う。
同時に、みいちゃんに対する期待もあったのかもしれない。
だから、ごまかさずにちゃんと現実を伝えた。

もしかしたら、まだみいちゃんの中にはもやもやがあるかもしれない。
本当に一生懸命なんだ。すごい。


これからみんなどうやって震災後の自分の人生に向き合っていくんだろう。りょうちんのお父さんのこれからも気になる。漁師という仕事にどう向き合っていくんだろう。
「おかえりモネ」を通して、震災・原発事故以降整理がつかずにいる自分の心の霧が晴れるかもしれない。
そんな期待を胸に見ています。

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